ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

先端テクノロジー・VR初体験!

2019-05-20 07:27:46 | 日記


VR(virtual reality 仮想現実と訳される)技術が脚光を浴びて早くも3年、すで
に体感されている方はおられるでしょうね。最近まで私のVRについての知識は漠然と
「ゴーグルをつけて、その中に見える3D画像の中で、ゲームをやるやつでしょう?」と
いう程度でした。VR技術=ゲームであり、ゲームに興味がないこともあって、深い関心
を持つことがなかったのです。それでもゲームをはじめとしたエンターテインメント分野
でよく話題に上っていることは知っていました。最近友人からVR技術はゲームの枠を超
え急激に拡大成長しているカテゴリなのだと知らされて、改めてVR技術の最新事情に関
心を持ちました。チャンスがあればVR体験をしてみたいと思っていたところ、お台場の
デックス東京ビーチ(お台場海浜公園駅下車)で、VR映像が上映されていることを知り
出かけました。コストをさほどかけずに最新のハイクオリティなVR体験をしようと思った
場合、最も手っ取り早いのはVR設備を備えているエンターテインメント施設に出向くこと
ですからね。ここではVRの初体験記そしてVR技術の使用例や技術の進化をまとめてみ
ました。

<VR映像初体験記>
VR映像を見るのに大きな施設はいりません。必要なものは顔面に装着するVR用ディスプ
レイ、パソコンそしてVR動画の3つだけです。会場を探したら通路の一部を区切った場所
だったので、これで有料なのかと驚きましたがすぐに納得です。上映は大人気絵本の「え
んとつ町のプぺル」を題材にVRコンテンツで再現した15分間の作品でした。
「制作期間4年半、総勢35人のクリエイターによる分業制で、キャラクターはもちろん、
街並み、風景、小道具に至るまでち密に描き込まれた作品」ということでVRの世界を十
分に楽しむことができました。私は映画「アバター」などの3D映画を見ていますので、
VRの視覚効果は3Dとほぼ同じだと思いました。気付いた違いは、3D映画ではスクリーンを
見るときに3D効果を感じますが、天井と地面を見ると3D効果は消え、すぐ3Dから現実へ戻
ってしまいます。だが、VRの場合は360度3Dの世界に入り込むことができます。見てもら
えるのか分からない背中の方の背景画面など360度の映像がしっかり描かれているので、
制作に人、時間そしてコストが何倍もかかることが分かります。ですから、できた作品は
驚きの没入感で、出演者の脇にいるような臨場感がありました。日本の最先端技術で制作
された物語の中に入り込める次世代のバーチャル体験は楽しいものでした。

<可能性は無限大!VR技術利用例>
ここではよく知られたエンターテイメント分野以外での利用例を記します。

1.医療の現場
  ①手術のシュミレーション・ナビゲート②医療従事者に対する教育③錯覚による痛み
  緩和など患者さんの治療④トラウマやPTSDの克服⑤幻肢通など精神疾患に対するケ
  アなどで活用されています。VRは現実の体験と同じように記憶を作り出すことがわか
  ってきていますので、無責任な使用は悪影響があるという警鐘も出ています。

2.介護の現場
  ①トラブルに備えたシュミレーション②認知症や精神疾患の疑似体験③旅行や家庭の
  疑似体験など要介護者と介護者の相互理解に貢献しています。

3.スポーツの現場
  ①観客の立場:いつもなら見ることのできない場所を見られたり、非常に近い場所か
  ら見ることができる。②プレイヤーの立場:野球ではどの球団も導入している。スペ
  ースを必要としないため、遠征先などにも持っていくことができ、気軽に練習すること
  ができる。

4.訓練シュミレーションの現場
   ①宇宙飛行士の養成からヘリコプターの操縦までの訓練②高層ビルでの高所作業の
   訓練③電気・配管工事などの安全トレーニング

5.小売業界でも活躍
  ①試着のシュミレート②賃貸アパート、販売マンションの部屋案内③メイクの訓練

VRによって、確実に教育レベルが上がれば、事故件数も減るだろうし、技術力も上がるで
しょう。モチベーションにも大きく寄与することもできます。現在データーの重さが課題
ですが、2020年に5G通信が始まって通信速度が向上すれば、このネックが解消されVR技
術が更に盛り上がるのは必須だと思います。現状ではVRの技術革新と普及は進んでいま
すが、まだ課題や障害も多く、黎明期だとみている人は多いようです。

<VR技術の拡大進化について>
最近VR以外にAR / MR / SR/XRなどといった言葉を聞く機会が多くなりましたよね。

(1)VR(virtual reality 仮想現実):仮想の世界を現実のように体験できる技
   術だ。でも体験できるのは仮想の世界だけである。
(2)AR(Augmented Reality 拡張現実):現実の世界に仮想の世界を重ねて体験
   できる技術。現実世界の映像があり、その上に仮想世界の情報が重なるイメージだ。
   スマートフォンのゲームアプリ「ポケモンGO」が活用例です。そのほか、「IKEA
   Place」では、ARによって部屋の映像の上に家具の映像を重ねて購入前に配置やイ
   メージを確認できる商品デモに使っている。
(3)MR(Mixed Reality 複合現実):コンピューター上の仮想の世界と現実の世
   界を更に密接に融合させるもの。恐竜が目の前を歩いている様子を見たり、これか
   らできる製品や建造物をリアルに自由な方向から見たりすることができる。
(4)SR(Substitutional Reality 代替現実):仮想世界を現実の世界に置き換
   えて認識させてしまう技術だ。ゲームの世界にいるのか、現実世界にいるのか、ヘ
   ッドマウントディスプレイを外すまで判断できないようなSF的な世界を体験できる
   ようになる新技術だそうだ。

これらの技術を総称して「XR」と呼びます。近年これらはアート作品にも取り入れられて
いるそうですよ。

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春も紅葉があるのです!

2019-05-12 07:25:01 | 日記


散歩道で広葉常緑樹の下を歩いていると、頭上から葉っぱがパラパラと間断なく降りか
かってきました。散歩道で頭上から降り注いでくるものといえば、桜吹雪か秋の落葉樹
の葉ぐらいの意識しかなかったので、この時期に何ごとかと一瞬立ち止まって、頭上を
見上げてしまいました。でもすぐに、秋に紅葉して葉が落ちるのは落葉樹のみであって、
春のこの時期は広葉常緑樹の葉が衣替えの時期を迎えたために落葉していることに気づ
きました。

散歩道に目を移すと落ちた葉で覆われたアスファルトの道が先の方まで続いています。
でも時折吹く風が、ほうきの役割をして落ち葉を道端に寄せくれるので、ひと時はアス
ファルト面がきれいになりますが、風がおさまると直ぐに新たに落ちてきた葉で、アス
ファルト面は再び覆われてしまうという繰り返しを立ち止まって眺めていました。

春といえば若々しい新緑の葉で甦った広葉常緑樹だけについ目がいってしまいます。
しかし、春は落葉という新陳代謝と合わせもって進んでいくものであり、新緑がきれい
だという面だけで春を語ってはいけないのだなと考えさせられました。

広葉常緑樹の古い葉は、冬の間も低いながらも光合成を続けてきたのですが、長い月日
の酷使とそれに伴う環境変化、特に冬の低温が引き金となり光合成機能が低下してその
役目を終えます。そして、新緑の新しい芽が出るこの時期に落葉するのです。落葉した
後は、落葉樹と同様に葉柄に離層ができ、落葉した後にコルク層で覆われるのでしょう
が、落葉樹のようにきれいに紅葉することはなく、緑色のままで落葉していきます。

ちょっと待って!その観察は正しいですか?枝についていた緑色の葉が全く変化しない
で、そのまま落ちるとしたら、それは病気や災難があった場合であり、紅葉して落葉し
たとは言えないのではないですか?

落ちてきた葉っぱをじっくり観察して見てください。落葉した葉は枝に残っているまだ
元気な葉っぱや芽吹いた葉と比べると、明らかに緑色が薄くなっています。そうなので
す。古い葉は実際には、密かに人知れずに葉の色を変化させて、すなわち紅葉してから
落葉しているのです。ただ、落葉樹のように、いっせいに紅葉してから葉が落ちるわけ
ではなく、ローテーションで落葉します。だから秋の紅葉のような大きな色の変化がな
いので、樹木全体としては、緑色のカラーがキープされているのです。

それでは落葉樹と広葉常緑樹の紅葉時の葉の色付きの違いはどこにあるのでしょうか?

落葉樹の葉の場合はイチョウのようにクロロフィルが分解されて、隠れていたカロチノ
イドの黄色に変わるもの、カエデのようにクロロフィルと糖から赤色色素のアントシア
ニンが合成されて赤色に変わるもの、そしてブナのようにクロロフィルが分解され隠れ
ていた褐色色素の褐色に変わるものがあることが知られています。いずれもクロロフィ
ルが分解又は変化しているのですが、広葉常緑樹の葉の場合は色付きには大きな変化が
ありません。それでもクロロフィルが分解されていることは、枝に残った葉と落ちた葉
を比較すると、緑色の濃さに違いがあることで分かります。クロロフィルが分解されて
いるので紅葉しているといえるのです。

でも広葉常緑樹の紅葉に関するメカニズムについては未解明な部分があるのだそうで、
アントシアニンが少ないとか、葉の厚みが広葉常緑樹の方が厚いことが影響していると
か、多様な要因が挙げられていて、まだきれいに説明しつくされていないところがある
そうです。ですからここでクロロフィルの変化=紅葉と単純に断定していますが、自然
界の紅葉はそんな単純なもので構成されているものではないのかもしれません。

私は紅葉のメカニズムは常識となっているものと思っていましたので、こんなところに
未解明な部分がまだ残されていることを知って驚きました。
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散歩道に顔を出した野ウサギ

2019-05-06 07:51:23 | 日記


老夫婦が歩く散歩道には野球場や梅園などがある大きな公園もありますが、お気に入りは
オシドリたちも飛来してくる大沼を水源とする広い湿地帯です。その脇に整備された遊歩
道はジョギングやウォーキングそしてバードウォッチングにと多くの人々が行き交います。
冬の楽しみは遠来の冬鳥たち、春はスプリング・エフェメラルな花たちや樹木の花々、夏
は深緑と木陰そして秋には紅葉とキノコたちが目を楽しませてくれます。そんな素敵な環
境ですが、お目にかかれないものがあります。それはタヌキやウサギなどの小動物たちで
す。タヌキの目撃情報はあるし、ウサギは過去に1回だけ目撃したことがあるので、この
湿地帯で生活していることは間違いありません。でも、タヌキは夜行性が強く、ウサギは
滅多に人前には出てこないので、明るい時間帯に散歩するお二人さんは出会う機会がない
のです。

妻:この池も冬の間に睡蓮やアヤメのコーナーが整備されてとてもきれいになったわね。
  今ではカワセミも来るようになったから、カメラマンがとても増えたわ。

夫:池の周りに咲いている紫色の花はアヤメだよね。カキツバタや花菖蒲との区別はどこ
  を見たらいいのか忘れてしまったな。

妻:池の周りで満開に咲いているのはアヤメで間違いなし。良く見て、花弁の中心に、編
  み目模様=文目(アヤメ)模様が見えるでしょう。それが名前の由来だから、3つの
  中では一番判別しやすいわね。花の色は見た通りの紫色で、稀に白色がある。カキツ
  バタは池の中の囲いの中で咲いている花がそうよ。花の根元を見ると白い細長の模様
  が見えるでしょう。あれが特徴ね。花菖蒲はノハナショウブの園芸種で花の根元が黄
  色い細長の模様なの。白と黄色の違いね。そこで識別できるわ。

夫:花菖蒲は昨日の菖蒲湯で使った菖蒲とは違うんだよな。

妻:菖蒲湯の菖蒲は葉菖蒲と言ってショウブ科なの。葉菖蒲は香りがあって、花も蒲
  (がま)の穂みたいな黄色い花。花菖蒲はアヤメ科だから別物よ。花菖蒲には香りが
  ないし、花は大きくて形や色も様々で観賞用ね。菖蒲という漢字が同じだから混乱す
  るわね。

夫:よく覚えているね。昔、記憶したことがあるけど、もう忘れてしまっていたよ。

二人は満開のアヤメを堪能してから、湿地帯に向かって歩き始めました。入り口付近には
個人が開墾した畑があります。二人がなにげなくその畑に目を移した時です。

妻:あの茶色いのは何?あら、ウサギだわ。野ウサギが藪の中から顔を出している。あっ、
  畑に出てきた。シャッターチャンスだ。動かないで。しゃがんで。静かに!

夫:(小声で!)気付かれると藪の中に逃げ込まれるから、連続シャッターでバチバチ撮
  れよ。

妻:言われるまでもないわ。枚数制限なんて考えないわよ。

夫:おっ、まだ、逃げないぞ。こちらに気付かないとは思えないから、この距離間はセフ
  ティー・ゾーンと考えているな。それなら俺たちと暫く付き合ってくれよ。いいな!

妻:跳ねた。逃がすものか。写真の撮りまくりだわ。

夫:ビデオを持ってくれば良かったな。俺のデジカメじゃアップが効かないよ。おっ、
  止まった。足で顔をかいている。安心している様子だね。この道で野ウサギを目視で
  きたのは2回目だな。今回は長い時間見られて嬉しいね。

妻:最近この畑で足跡を見たの。本物に会えて嬉しい。案外スマートな体型をしているの
  ね。あの体型が普通なのかしら?それとも食べ物がなくて痩せているのかしら?

夫:この時期に食べ物がないというのは考えられないから、あれが普通なんじゃないかい。

妻:畑の中を移動していくわ。こんなシャッターチャンスはないわね。これは奇跡よ。

夫:あっ、又、どんどん動き始めた。

妻:ウサギさん、待って!もっと写させてよ。あ~、藪の中に入っちゃった。残念。

夫:また、出てくるかもしれないからここで暫く動かずに待ってみようよ。

残念ながら野ウサギが再び顔を出すことはありませんでした。野ウサギとの遭遇時間は
2分ぐらいの出来事だったと思います。二人はそれぞれのカメラの液晶画面を見ながら、
興奮のひと時を振り返っています。

妻:バッチリ撮れたわよ。見て、見て!いい写真でしょう。家に帰ってパソコンの画面で
  確認するのが楽しみだわ。短い時間だったけど、興奮した時間が過ごせてよかった。

夫:俺のコンパクトデジカメは望遠があまり効かないのでアップして見るとブレてるな。

妻:いい写真が多いわ。嬉しい!偶然の出会いに感謝ね。

夫:ブログでウサギの「ミミ」、キツネの「コン太」そして狸の「ポン吉」を主人公にし
  た「動物村の仲良し3人組」のシリーズを書いているから嬉しい出会いだ。キツネに
  は滋賀県の伊吹山山頂のお花畑で遭遇しているし、今回はここで野ウサギに出会えた。
  何とか次は狸の「ポン吉」に会いたいな。

妻:今日はブログで書いてきたことへのご褒美に出てきてくれたのかもしれないわね。
  実物の日本野ウサギをじっくり見たから、これからの挿絵のミミちゃんはもっとスマ
  ートに書いてあげなければいけないわね。

夫:足跡を見たと聞いていたから期待していたんだ。この明るい時間帯に姿を見せてくれ
  たことに感謝したいね。充実のひと時を過ごさせてもらった。

日本野ウサギは別段珍しいものではありませんが。老夫婦にとってはまだ2回目の出会い、
興奮のひと時だったようです。野ウサギが藪に入り姿が見えなくなった後も、その場に立ち
止まり、液晶画像を見ながらのウサギ談義で盛り上がっていました。この日は帰り道でも同
じ畑でキジのペアに遭遇しました。またもや、シャッター音はキジたちの姿が消えるまで途
切れませんでした。家に帰ってからの編集が大変でしょうね。
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