ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:パワフルフードの「くわい」をご賞味あれ!

2024-01-22 07:15:48 | 日記

「慈姑(くわい)」は丸い塊茎の部分から芽が伸びている姿から「芽(目)が出る」縁起物
として、お正月のおせち料理に欠かせない食材ですね。そのため、11月下旬~12月下旬まで
が出荷の最盛期という、短期集中型の値段の高い高級冬野菜となっていますが、実はくわい
の収穫の時期は秋~春までと以外に長いのです。ですから、お正月を過ぎると急に値段が安
くなりますので、時期外れの今頃は安く手に入ります。国内で生産されるくわいは、皮が美
しい青色の青くわいがほとんどで、独特のほろ苦さがあり、加熱するとホクホクした食感に
なります。含め煮などの和食が一般的ですが、素揚げやクリーム煮にしても楽しめます。
茨城県はこのくわいの生産量が国内第3位です。(でも、シェアは高くないですが・・)
くわいは中国原産のオモダカ科の水性野菜で、見た目は里芋に似た球形です。中国と日本で
しか栽培されていないようで、中国のものが「白くわい」と呼ばれ、日本のものは青いので
「青くわい」と呼ばれています。中国のものは、しゃきしゃきした独特の歯ざわりがありま
す。今回は日本のもので茨城県産の「くわい」の紹介です。

<くわいの歴史>

くわいという名前は、「鍬芋(くわいも)」から来ているといわれ、芽が鍬に似ていること
が由来だとか。くわいは中国南部が原産地とされていて、日本へは平安時代には伝わってい
たといわれています。平安時代の書物「本草和名」では「烏芋(くわい)」の項で「於毛多
加(おもだか)」「久呂久和為(くろくわい)」とあり、同じく平安時代の「和名抄(わみ
ょうしょう)」でも「烏芋」が紹介されているそうです。くわいがいつ頃から食べられてい
たのかは定かではありませんが、少なくとも江戸時代には広く食べられていたようです。
食用にしているのは日本と中国だけのようです。

くわいの国内生産量ランキング(2020年)>

1位が広島県147t(54.0%)(福山市、東広島市、世羅町)。2位埼玉県90t(33.1%)(さいたま
市、越谷市、草加市)この2県だけで87%のシェアです。そして、3位が茨城県で13t(4.8%)
(かすみがうら市)です。

くわいの栽培品種>

(1)青くわい(アオクワイ)
       国内の各地で栽培されているのはほとんどがこの品種です。正月のおせちに入るのも
   これを使います。扁球形で皮が青みがかっていて、肉質がやわらかくホクホクとした
   食感が特徴。別名「京くわい」や「新田くわい」ともいわれます。京野菜や加賀野菜
   としてのくわいも在来の青くわいです。出回り時期は11月下旬から1月下旬頃。
(2)吹田くわい(スイタクワイ)
   大阪府吹田で古くから栽培されている青くわいより小ぶりの品種です。皮は青〜赤紫
   色で苦味が少なめ。口当たりのよい緻密な肉質で、栗のような食感があります。くわ
   いの中では一番食味がよいとされています。小粒なので「姫くわい」「豆くわい」と
   もいわれ、なにわの伝統野菜の1つに指定されています。
(3)白くわい(シロクワイ) 
   中国の品種で、青クワイよりも大きな楕円形で、硬めで味的には青クワイより劣りま
   す。日本にはお正月時のみに輸入されますが、国内ではほとんど生産されません。
(4)大黒くわい
   日本のくわいとは別の品種で、中華料理で炒め物などに使われています。サクサクと
   した食感が特徴です。青くわいや吹田くわいはオモダカ科ですが、この大黒くわいは
   カヤツリグサ科なのです。皮が黒く果肉は白色。中華料理でよく使われ、シャキシャ
   キした歯触りが魅力。炒め物や揚げ物などにも使います。ちなみに、日本に古くから
   自生していた「黒くわい」もカヤツリグサ科なのでこの大黒くわいとは近縁になります。

くわいの豆知識>
1.おめでたい「くわい」
  縁起ものの理由は「芽(目)が出る」だけではないのです。くわいの塊茎(芋)は水鳥のく
  ちばしのような大きく長い芽があること、茎葉は夏の最盛期には、3日に1枚展葉するな
  ど旺盛な生育をすること、塊茎の着生は慈母が幼児に授乳する様子を連想させることか
  ら、健康で立身出世をする、幸運にめぐり合う、子孫が繁栄するなど、おめでたい野菜
  として利用されています。
2.日本と中国以外ではほとんど栽培されていない
  日本と中国でしか栽培されていなくて中国は南部、日本は広島県、埼玉県、茨城、大阪
  府、石川県などで栽培されています。平安時代ぐらいに中国から伝わり、生産されるよ
  うになってきました。中国産は白くわいと呼ばれ、色は薄く少し硬さがあるのが特徴で
  す。そして、日本でくわいの生産量が高いのが、広島県の松山市が1位で、埼玉県と続い
  ていきます。日本で栽培されているのが青くわいと呼ばれ、独特のほろ苦さ、つやのあ
  る青みを帯びた色、ホクホクした食感が特徴です。日本で一般的に出回るのが、青くわ
  いと言われています。他は大阪府吹田で古くから栽培されている、小ぶりのくわいが吹
  田くわいや姫くわいと呼ばれています。甘みがあり栗を思わせる味となっていますが、
  生産量が少ないので一般には、あまり出回ることはないようです。
3.栄養価と効能
  くあいは、お正月のおせち料理によく使われる野菜ですが、普段の食事にもおすすめで
  す。くあいには、カリウム、炭水化物、ビタミンE、銅、葉酸などの栄養素が豊富に含
  まれています。

(1)カリウムは、むくみや高血圧の予防や改善、筋肉の収縮の正常化などに役立ちます。
(2)炭水化物は、身体や脳の活動に必要なエネルギー源となります。くあいは高タンパ
   クな野菜でもあり、筋肉や骨の形成にも重要です。
(3)ビタミンEは、抗酸化作用で老化防止や美肌効果があります。また、血行を良くして
   冷え症や肩こりなどを改善したり、ホルモンバランスを整えたりする効果もあります。
(4)銅は、鉄の利用を促進して貧血の予防や改善に効果があります。また、髪の毛の黒色
   素やコラーゲンの生成にも必要なミネラルです。
(5)葉酸は、DNAやタンパク質の合成を促し、細胞の新生を進めます。特に妊娠中や妊娠
   を希望する女性には必須の栄養素で、胎児の先天性異常の予防や造血の効果がありま
   す。
4.くわいの芽は食べられるのか?
  縁起物とされる理由となった「くわいの芽」は、 苦味があるのであまり食べられていま
  せん 。しかし、毒性などは一切ないので食べることができます。丸い部分は芋類のよう
  にホクホクとした食感ですが、芽はやや硬く、好き嫌いが分かれる部位です。煮物など
  料理に使う時は芽も一緒に調理することが多く、エビの尻尾のように食べる時に避ける、
  といった感じです。
5.くわいの下処理方法と剥き方
 (1)下処理:くわいはアクが多いため、アク抜きが必要です。薄皮を2枚ほど剥がし、
        芽を2cm残して切り落とす冷水に入れて1時間ほどさらす。そして、

         <アク抜き>沸騰後弱火にしたお湯で10分ほど茹でる
         <下茹で>下茹ではできればお米のとぎ汁を混ぜると好ましいです。ない場
             合は、少量の小麦粉で代用できます。
 (2)剥き方:くわいには薄皮がありますが、下処理の段階では1〜2枚程度剥がすのがオ
        ススメです。芽が折れないよう、芽の反対側に切り込みを入れて剥くと綺麗
        に剥けます。
6.くわいの選び方
  芽がきれいに伸びていて、皮にツヤのあるものを選びましょう。芽がしっかりと伸びてい
  て、皮が乾燥しておらず光沢のあるもの。色はなるべく青みのきれいなものがよいでしょう。
  サイズは直径4cmくらいまでを目安に。素揚げにする場合は直径1.5cm~2cmくらいの小さ
  いものがおすすめです。
7.くわいの保存方法
  購入してきたくわいは、数日で使ってしまう場合は乾燥しないように、袋に入れるなどして
  冷蔵庫の野菜室で2~3日保存できます。もう少し長く保存したい場合は、さっと水洗いして、
  そのまま口が閉まるジプロップやラップにしっかり包んで冷蔵庫の野菜室で保存するか、ボ
  ールやタッパなどの容器に水を入れてくわいを浸して冷暗所に置いてくともう少し長く
  (2週間くらい)保存することも可能です。少し長く保存する時の注意は浸している水はこ
  まめに変えるようにしてください。
8.くわいの花
  花には3枚の花弁があり、雌雄異花です。雄花は多くの黄色い雄ずいを持ち、花穂の上部につ
  きます。雌花は花穂の下にあって、多くの雌ずいを持ちますが、結実することはまれです。
9.くあいの収穫時期と旬
  くあいの収穫は9月ごろから始まり春先まで続きます。しかし、年間流通量の大半は11月下旬
  から年明けの1月ごろまでに集中しています。その意味ではこの時期が旬といえますね。又、
  年明けには一気に値段が下がり、価格が落ち着くので、お買い得になります。

くあいの美味しい食べ方>
 (1)くあいはお正月料理に欠かせない縁起の良い食材ですが、そのほかにも素揚げやクリーム
    煮、くわいご飯などにしても楽しめます。
 (2)くあいを調理するときは、皮をむいて芽の部分を少し残し、水につけてアクを抜きます。
    その後、だし汁や調味料で煮たり、油で揚げたりします。
 (3)くあいの煮物は、一度しっかり冷まして味を染み込ませた後に食べることがポイントです。

  くあいの食べ方はいろいろありますが、基本的には皮をむいてアク抜きをした後に煮物や素揚
  げにするのが一般的です。煮物の場合は、だし汁、砂糖、みりん、醬油、塩で煮含めて味をし
  み込ませます。素揚げの場合は、油でカリッと揚げて塩をふって食べます。くわいの芽はサク
  サクとした食感が楽しめるので、炒めたり、サラダにしたりするのもおすすめです。くわいは
  温かいままでも食べられますが、一旦冷蔵庫で冷やすことで、味がしっかりとなじみます。
  くあいは見た目も可愛く、ほくほくとした食感とほろ苦さが特徴的な野菜です。

<茨城県のくわい栽培>
(1)6月中旬~ 施肥
    くわいを植える前に、田んぼに十分な肥料をまきます。収穫までの間に1回~2回の追肥を
    行います。
(2)6月下旬~7月上旬 植付け
    前年のくわいから、傷や病気のないものを選び貯蔵しておいたものを、種芋として植付け
    ます。機械化は難しく、手作業で行うため、非常に重労働です。
(3)8月 葉欠き
    葉を剪定することにより、根の栄養がくわいの実にいきわたるようにします。また、風通し
    をよくして病気の発生を少なくする効果もあります。これも全て手作業です。
(4)8月下旬~9月上旬 走り切り(根回し)
    大きなくわいをつくるため、走り切りといわれる最初の頃に出来た根の部分を切る作業を行
    います。根の周り、10cm~30cm程度を鎌などで切ります。
(5)11月中旬 収穫調査
    収穫を目前に控え、各地区では「坪堀り」と呼ばれる収穫調査が行われます。くわいの田ん
    ぼ1坪を掘り上げ、収量や規格(大きさ)、品質を調査し、全体の予測をします。収穫に備え
    る大切な調査です。
(6)11月下旬~12月上旬 収穫
    クワイはレンコンと同じ水生植物で、ハス田よりも浅い、深さ40~50センチほどの場所で育
    ちます。そのため、ホースの水圧を横から当ててくわいをすくうようにして掘り出します。
    最盛期にはほぼ毎日、午前7時半から午後3時ごろまで水に漬かっています。真冬の水の中で
    行う、非常に厳しい作業です。
(7)皮むき・選別・箱詰め・出荷
    掘り出して水洗いした後は、手袋を付けた手で皮をむいていく。一日あたり6~7時間かかる。
    次々と皮むきされたくわいはサイズごとに仕分けられ、水に一晩さらして細かな汚れを落と
    してから選別、箱詰めされる。箱詰め作業では、ざっくりと収納するのではなく、整然と並
    べる。丁寧に梱包された青く光沢のあるクワイは、各家庭で正月を迎えるため、きれいな姿
    になって出荷されます。

  JA水郷つくばによると、ここのところコロナ禍でお家時間が増え、高級おせちを注文する人が相
  次ぎ、クワイの需要が増加。今年もその傾向が続いているそうです。

  くわいは、血行を促進して、肩こりや関節痛などの改善に役立ち、美容面においてもダイエット、
  美白におすすめ。また、のどの炎症、せき止め、たんのからみにもよいといわれる「のどあめフ
  ード」でもあります。さらに利尿作用が高く、むくみ、結石にも威力を発揮!
  お正月に食べるだけでは、もったいないパワフルフードなのです。

是非、茨城県産のパワフルフードの「くわい」をご賞味あれ!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茨城味自慢:茨城県は長ネギの一大生産地

2024-01-08 07:31:22 | 日記

 

茨城県は長ネギの生産量、全国3位の産地です。2021年度の生産量は5万2,300トンで、
シェアは11.2%でした。茨城県で生産されている長ネギは、白ネギが主体ですが、城
里町の特産品「レッドポワロー」は根元が赤く染まった赤ネギです。長ネギは一年中
スーパーで見かけますが、もっとも甘くておいしい旬の時期は冬から春にかけての
11月~2月だそうです。長ネギは寒さに強く、霜が降りると甘みが増すと言われていま
す。ネギは、ユリ目ユリ科ネギ属(APG植物分類体系ではヒガンバナ科)の多年草で、
中国が原産の野菜です。葉や茎にはビタミンCやカルシウムなどの栄養素が豊富に含ま
れています。ネギは、サラダや炒め物、鍋物などに使われるほか、おひたしや天ぷら
などにもなります。ネギの花も食用になります。長ネギは関東ローム層の土壌が適し
ているようで、日本では関東圏が約40%のシェアで生産しています。私の散歩道でも
毎年広い畑で長ネギ栽培がされていて、とても身近な野菜です。今回は茨城県内で生
産されている長ネギ、そして私の地元で生産されている長ネギについて紹介します。

<ネギの品種>

世界にはネギの品種が500品種以上あると言われていますが、見た目の食べる部分の違
いで分類すると、

Ⅰ 白い部分を食べる白ネギ:大分類では「根深ネギ」
       関東地方で多く出回っている系統で、長ネギ、白ネギと呼ばれる品種です。

  (1)加賀群:太くて白い部分が長いのが特徴です。耐寒性が強く、雪の多い地域
         で栽培されています。下仁田ネギ、越後ネギなどがあります。
  (2)千住郡:関東地方を中心に栽培されている。夏だけではなく冬にも成長し続
         けるのが特徴です。土寄せをして白く柔らかくすることで、長ネギ
         として出荷されています。千住ネギ、深谷ネギなどがあります。市
         販されている根深ネギはほとんどがこの千住群の品種です。

Ⅱ 緑の部分を食べる青ネギ:大分類では「葉ネギ」
   西日本を中心に出回っている系統で、一年中栽培されている。

  九条群:青ネギ・葉ネギとも呼ばれます。低温・高温に強いため、1年を通して栽培
      されています。京都が発祥の地ですが、現在は西日本全域で多く栽培されて
      います。九条ネギ、博多万能ネギなど

Ⅲ その他:球根から育てる種類:大分類では「球根ネギ」
   長ネギや葉ネギのようにネギ坊主や種ができず、球根で増えていく球根ネギ。収穫
   までの期間が短く、9月に植え付けたら10月には収穫が可能!  

  (1)ワケギ:ネギとエシャロット(小型玉ねぎ)との交配種。葉がやわらかくおい
         しいネギ。西日本で栽培が盛んです。
  (2)アサツキ:エゾネギという山菜の変種。寒さに強いので、主に東北地方で栽培
          されています。辛味と香りが強い。
  (3)チャイブ(別名エゾネギ、セイヨウアサツキ):ネギの仲間のハーブ。アサツ
         キの原種。マイルドな風味が、料理の香りづけとしてよく使われます。
         種からでも球根からでも栽培ができます。

<世界の長ネギ生産量ランキング> 2021年
  1位が中国で87.0万t、2位がマリで68.5万t、3位が日本で51.3万t、4位が韓国で42.4万t
  です。日本が世界ランキングで3位に入る農産物は「ネギ」ぐらいかな?この生産量か
  ら、ネギは世界中で食べられている野菜ではなく、食用にしているのは東アジアが中心
  だということが分かりますよね。

<国内での長ネギ生産量ランキング>2021年
  1 位が埼玉県で5万2,400トン(11.9 % )、2 位が千葉県で5万2,300トン、( 11.88 % )、
  3 位が茨城県で5万2,200トン (11.85 %)、4位が北海道で2万1,600トン  ( 4.9 % )、
  5 位が群馬県で1万8,400トン( 4.18 %)です。

  関東圏が圧倒的なシェアです。上位3県は年度で順位が入れ替わっています。

<長ネギの豆知識>

1.栄養素と効果

 (1)血液サラサラ効果:辛味成分でツンとした独特の匂いの正体である硫化アリルは、
      白い部分に多く含まれている。血液をサラサラ、また、殺菌作用や抗菌作用、
      身体を温める作用もある。
 (2) ビタミンCたっぷり:ネギの緑色部分には、ビタミンCがたっぷり。ビタミンCは
      ストレス軽減、風邪予防、そして、シミ・しわ予防、更に傷や炎症の治療に
      貢献する。
 (3)β-カロテンで生活習慣病予防:ねぎの緑色の部分には、β-カロテンも豊富に含まれ
      ています。強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を消去して動脈硬化やがん
      などの生活習慣病の予防に貢献する。

2.根本に近い白い部分は甘みがあり、緑色の部分は辛みが強くなるネギの緑色部分は、辛
  味と香りが強いため、薬味におすすめの部分。また、緑に多く含まれるビタミンCは水
  溶性で熱に弱い性質があるので、薬味として生で食べれば、栄養面でもばっちり効果を
  期待できます。

3.繊維に沿って縦に切ると甘みが出る
   辛味が少ない白い部分ですが、切り方でさらに辛みと甘みを調整するこ とができま
   す。繊維に沿って縦方向に切ることで、より甘みが感じられるようになり、逆に、繊
   維を断つように切ると辛みや香りが引き立ちます。

4.長ネギは「青い部分」を捨ててはもったいない。いけない!
   長ネギを切っていると「ぬるぬるとした液体」が出た事ありませんか?実はこのぬる
   ぬる、オクラのぬるぬると同じ成分なのです。そして、このぬるぬるの正式名称は
   「フルクタン」という糖です。効能として、胃腸の粘膜を保護してくれたり、血糖値
   を下げるといった効果が期待できます。また、インフルエンザの予防にも効果的です。
   そして、「βカロテン」や「カルシウム」などが豊富です。薬味や肉の臭み消し(白い
   部分でも効果あり)、そして、炒飯などの炒め物で食べましょう。チヂミもいいね。

5.ネギの選び方
  「根深ネギ」は、白い部分が長く、緑の部分と白い部分がはっきり分かれているもの。
    巻きがしっかりしていて、光沢があり、ふかふかしていないものを選びましょう。
  「葉ネギ」は、葉先枯れがなく、根元から葉先までまっすぐで青みが濃いもの。根がし
    っかりしているものを選びましょう。

6.ネギの保存方法
   新聞紙に包んで、冷暗所に立てて保存しましょう。カットしたものは、ラップに包ん
   で野菜室へ。細かく刻み、小分けにして冷凍しておくと便利です。泥つきの根深ネギ
   は、庭先の土に斜めに埋めておけば長期保存も可能です。

7.古い歴史がある「ネギ」は、葉鞘(茎の部分)を根と考えて、白い根を食べることから、
  根岐(ねぎ)といわれました。今のように「根葱」と書かれるようになったのは、元禄時
  代(1688~1703)前後からのようです。

8.長ネギをおいしく食べるコツ
   炒め物などに使う場合は、包丁で何カ所か刺した後に、大きめに横に切ると火が通りや
   すくなります。生で食べる場合、香りや刺激が強すぎる時は、水にさらすことで食べや
   すくなります。薬味にする場合も、小口切りにしてから水に軽くさらすと、ねめりを抑
   えられます。

9.青ネギをおいしく食べるには
   生は香りが強く辛味がありますが、熱を加えると甘みを増します。青ネギをたくさん食
   べたいときは、お好み焼きでキャベツの代わりに使ったり、鍋や丼ものに活用すると、
   おいしくたくさん食べられます。

10.ネギを切ると涙が出る理由
   ネギを細かくきざんだときなどに出る涙は、特有のかなり強い刺激臭が 原因で、タマ
   ネギやニンニクなどネギ類に多く含まれる硫化アリルによるものです。この刺激臭は、
   空気に触れることで生成されるため、細かくきざむほどに増え、揮発性が高く、目や鼻
   の粘膜を刺激し、涙が止まらなくなります。

   [対策]・冷蔵庫で1時間ほど冷やしておく・切れる包丁を使う・刃のうすい包丁を使う・
       鼻にティッシュを詰める(笑)

11.ネギの白い部分は茎?
   長ネギの白い部分は茎と思われがちですが、じつは葉鞘部といって、葉が幾重にも重な
   りあった茎状の鞘(さや)です。ネギの茎は根から上1cmほどで、それより上はすべて
   葉となります。

12.長ネギと玉ねぎの違い
   長ネギと玉ねぎは、同じネギ属に属する植物ですが、全く別の種類です。長ネギは葉の
   部分を食べますが、玉ねぎは球根部分を食べます。また、栄養素や効能にも違いがあり
   ます。長ネギにはビタミンCやカロテンなどのビタミンが豊富に含まれており、風邪予防
   や美肌効果が期待できます。玉ねぎには硫化アリルという成分が多く含まれており、血
   液をサラサラにしたり、コレステロールを下げたりする効果が期待できます。どちらも
   健康に良い野菜ですが、違いを理解して上手に食べ分けると良いでしょう。

<茨城県で栽培されている長ネギの主な品種>
 県内の主要生産地は「水戸市」「坂東市」「常陸太田市」「常陸大宮市」「城里町」「小美玉
 市」「つくば市」です。茨城県は長ネギの産地ですから、生産量だけでなく、生産されている
 品種も多いのです。

 (1)柔甘ねぎ(やわらかねぎ):JA水戸のオリジナルブランドで、驚くほど柔らかくて甘い
     のが特長です。白い部分だけでなく、緑の葉の部分までまるごと食べることができま
     す。生産量が断トツに多いネギです。
 (2)レッドポワロー:赤紫色の鮮やかな外皮が特徴で、甘みがあり、柔らかいです。一度も
     品種改良されていない伝統野菜で、食の世界遺産「味の箱舟」に茨城県で唯一認定さ
     れています。超有名なブランド品種です。
 (3)マル岩のねぎ:JA岩井が生産する夏ねぎで、農薬を控え、肥培管理を徹底した品質の高
     いねぎです。柔らかくて、辛味と甘みのバランスが絶妙です。
 (4)奥久慈ねぎ:有機質肥料を使って育てるとともに、生産者全員が「環境に優しい農業の
     実践者」の証であるエコファーマーに認定されています。白身が長くて、シャキとし
     た食感が特徴です。
 (5)ひたち紅っこ:茨城県オリジナル品種で、自然豊かな環境で栽培されます。濃い赤紫色に
     発色するため、見た目が鮮やかです。葉鞘が長くて太く、甘みが強いです。
 (6)JAつくば市のねぎ:計画的な周年栽培を実現するために、品種に合わせた土壌作りを行っ
     ています。柔らかさと甘さが大人気で、白い部分が長く、身がしっかりとしまっていま
     す。

<私の住む県南地域での長ネギ栽培の品種>

散歩で歩いている牛久市の畑では、JA水戸が生産する柔甘ねぎが主力の品種となっています。柔甘
ねぎは、その名のとおり、驚くほど柔らかくて甘いのが特長で、白い部分だけでなく、緑の葉の部
分までまるごと食べることができることから、市場で高い評価を受けています

<長ネギ栽培農家の一年>

ネギの収穫は地域ごとで異なり、それぞれ春ネギ、夏ネギ、秋冬ネギと呼ばれています。群馬県は、
4月〜6月、北海道・茨城は7月〜9月、そして、千葉・埼玉は10月〜3月このように季節ごとに適した
地域で生産が行われているので、スーパーには1年中ネギが並べられます。尚、葉ネギは温暖である
大阪、香川周辺で一年中栽培されています。
長ネギの出荷量は、冬の需要が多いので、全国的には「秋冬ネギ」が多いのですが、茨城県の長ネギ
生産の特徴は「春ネギ」と「夏ネギ」の出荷量が多く全国1位です。

ここでは秋冬ネギの栽培で説明します。秋冬ネギは、3月に播種して5月に定植し、11月に収穫を行い
ます。その間には、育苗、圃場の準備、栽培管理(追肥・土寄せ・薬剤散布)、収穫、出荷調整など
の作業があります。育苗はハウス内で行い、定植までに約2ヶ月かかります。育苗期間中は水やりと
温度調節を毎日行い、病害の予防にも注意します。圃場の準備は定植の約1ヶ月前から始めます。土壌
消毒や緑肥の鋤き込み、苦土石灰や元肥の施用などを行います。定植は機械を使って1m間隔でうね立
てをし、そのうねの谷に苗を植えます。10a当たり2~3時間程度で定植が完了します。栽培管理では
約1ヶ月ごとに追肥を行い、収穫までに土寄せを5~6回行います。土寄せは白い部分が30cmほどになる
まで行い、最後は雨や風で流れないように固めます。また、病害虫の防除のために定期的に薬剤散布も
行います。収穫は人力や機械で土を掘りながらネギを引き抜きます。収穫したネギは布に包んで軽トラ
で持ち帰ります。出荷調整では根や外皮を切り落とし、サイズ選別や結束、箱詰めなどを行います。
一日で30箱程度まで作ることが可能です。

長ネギ栽培は作業量が多く大変ですが、美味しい白ネギを作るために必要なことなのですね。

長ネギを食べるなら、是非茨城県産の長ネギをご賞味あれ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする