ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:結城市のトウモロコシ「夏祭り」をご賞味あれ!

2022-06-27 08:03:33 | 日記

 

茨城県はトウモロコシの生産量全国第3位の名産地。特にトウモロコシ栽培が盛んな結城

市は、茨城県の西側、関東平野のほぼ中央にあり、昔懐かしい城下町の原形が北端の市街

地に残る一方、南部は一大農業地域になっています。結城市は、昔から白菜中心の農業地

域でしたが、白菜の連作障害を防ぐために、初夏から秋にかけて陸稲を栽培していました。

しかし、陸稲ではなく、収益性に優れるトウモロコシを導入する事例が増えていき、この

ことがきっかけとなって栽培面積も増え、今や県を代表するトウモロコシ産地となりまし

た。お薦めの品種は、ひと粒ひと粒が黄色い「味来」(みらい)という種類で、「夏祭り」

のブランド名で販売しています。実の皮が柔らかくシャキシャキとした食感で、糖度は17度

と甘くてみずみずしく、栄養価が高いので夏バテ防止や美容・老化防止にぴったりです。

また、でんぷん質が少ないため、加工品にも向いています。そして現在、力を入れているの

が、夏祭り(味来)の品種改良型で、小ぶりながら食味のよいピクニックコーン。平均糖度

は18度以上で、夏祭り以上の甘味を誇ります。日持ちが良いのも大きな特長です。茨城県

結城市のスイートコーン・トウモロコシの紹介です。

 

<トウモロコシは世界三大穀物>

トウモロコシは「小麦」「お米」と共に世界の三大穀物。その生産量は8億トンで、小麦の

6億トン、お米の4億トンを上回り、さらに年々大きく増加している傾向にあります。世界

のトウモロコシ生産量全体のうち約1/3が食用で、残りは家畜の飼料や工業用の原料、バイ

オ燃料などとして活用されています。トウモロコシの原産地は南米。コロンブスがヨーロ

ッパに持ち帰ったことから、世界中で広く栽培され食されるようになりました。日本には、

16世紀に長崎に伝来。明治に行われた北海道開拓で本格的に栽培され、今でも産地ランキ

ング1位は北海道です。多くの品種がありますが、皆さんがよくご存知の食用の甘いスイー

トコーンが広く出回るようになったのは、第二次世界大戦後です。それまでは加工用のポ

ップコーン、ソフトコーン、フリントコーンなどの品種がメインでした。

 

<とうもろこし生産量ランキンギ>

  1. 世界ランキング:1位アメリカ(31%)、2位中国(22.4%)で世界全体の53%を生産して

います。次いで、3位アルゼンチン、4位メキシコ、5位ウクライナ・・・日本はラ

   ンク外で150位以下です(2020年)。尚、日本が輸入しているトウモロコシの用

   途は65%が飼料用、20%がコーンスターチ用です。そして、輸入先はアメリカか

   らが89%です。日本は世界一のトウモロコシ輸入国ですが、その大部分をアメリ

   カ産に依存しています。

2.国内ランキング:年間生産量の断トツ1位は北海道(38.4%)、2位千葉県(7.9%)、

   3位茨城県(6.9%)4位群馬県(5.2%)と関東圏が頑張っています。ただ、時期に

   よって出荷のランキングには違いがあります。スイートコーンでは、出始める5月

   は、温暖な気候である九州、なかでも宮崎県、長崎県、熊本県などがメインで、

   北海道が最盛期を迎えるのは、7月~9月にかけてなのです。尚、スイートコーン

   はほぼ100%国内自給なのですよ。その中で、茨城県は北海道についで生産量が

   第2位です。

 

<とうもろこしの種類・品種>

トウモロコシは食用の品種以外に、加工して油にする、家畜のエサ、バイオ燃料など、

すべてを含むと千種類を超えるといわれています。食用品種においても品種改良された

ものでも数百種類です。ここでは食用の代表、スイートコーンの中の代表品種に絞ります。

1.ゴールデンコーン(黄粒種):昔からとうもろこしといえば、黄色い粒のものを思い

  浮かべるのが自然ですね。古くからあるスイートコーンの基本となる品種です。

 (ゴールドラッシュみわくのコーン味来おひさまコーンピクニックコーン

  ミエルコーンキラキラコーンサニーショコラ・・・)

2.シルバーコーン(白粒種):粒の色が白いのが特徴です。やや小粒の実は艶があり、

  皮がやわらかく甘みが強いため、生で食べたりサラダなどに人気。加熱する場合も

  短時間で済みます。(ピュアホワイトバニラッシュルーシー90ホワイトレディー・・・)

3.バイカラーコーン(バイカラー種):ゴールデンコーンとシルバーコーンをかけ合

  わせて作られた交雑種です。黄色と白色の粒が、3対1の割合で現れるのが一番の特徴。

  アメリカで育成された品種で、3種類のなかでは一番甘みが強いとされ、日本で特に

  人気があります。(甘々娘ハニーバンダムカクテルピーターコーンウッディ

  ―コーンゆめのコーンアンサンブル・・・)

 

近年では、より甘く品種改良されたものが多く、茹でたり、蒸したりせずに生で食べられ

るタイプもあります。王道の品種はゴールドラッシュや味来。近年では、白いピュアホワ

イトやバイカラーの甘々娘も人気を集めています。皆さん、いくつぐらいご存知ですか?

 

<今のトウモロコシはなぜ甘いのか?>

実感として今のトウモロコシは甘いです。生で食べても甘さを強く感じます。昔は生で

食べた記憶がありませんから、品種改良で甘さを追求してきたということでしょうね。

甘さの原因は食べる部分に糖類が貯まっているから感じるのですが、甘さの主役はショ

糖ですが、それ以外に、果糖や葡萄糖(グルコース)、麦芽糖が含まれるそうで、これ

らの構成が品種や栽培条件、成熟段階によって大きく変わります。ショ糖は、葉で営ま

れる光合成でつくられて、種子の部分に運ばれ、最終的にはそこで進行するデンプンや

タンパク質の合成のための材料となります。このため、運び込まれる速さがデンプンな

どの合成に使われる速さを上回る場合には、ショ糖の蓄積がおこることになります。

トウモロコシは「とれたての方が美味しい」とか、「朝どりしたものが美味しい」とか

言われたりするのは、このような代謝のバランスに関係した話なのです。ですから、甘

いのは種子がまだ完熟に至らない段階までの話ということになります。

 

<トウモロコシの豆知識>

1.トウモロコシの見分け方:頭のひげが濃い茶色でふさふさしたものを選びましょう。

  熟すにつれて茶色いひげが濃くなるので熟度の目安になります。ひげの数は実(粒)

  の数と一致するので、多いほうが実の数も詰まっています。また軸の切り口がみず

  みずしくて持ったときに重みがあり、外皮が鮮やかな緑色のものが新鮮です。皮が

  むかれている場合は粒がふっくらとしていてツヤがあり、ぎっしりと詰まっている

  ものを選びましょう。

2.美味しい食べ方:

(1)朝獲りが入手出来たら、まずは、「生」で食べましょう。瑞々しさを感じ、ぷり

   ぷりシャキシャキのスイートコーンを味わえます。

(2)レンジでチン:①トウモロコシの皮をむき、軽く水をつけます(薄皮つきでもOK

   です)②ラップで包みます。③レンジで3~4分(1本あたり)加熱します。

(3)魚焼きグリルで真っ黒に焼き上げる:皮付きのまま、魚焼きグリルで真っ黒に焼き

   上げることで、甘みがギュッと閉じ込められ、甘さが際立ちます!

   ①先端のひげ部分を切り落とします。②外側のむけている皮を剥がします(剥がし

   すぎ注意!)③魚焼きグリルで、皮が真っ黒になるまで焼き上げる(強火でひっく

   り返しながら)

(4)茹でる:皮が薄い品種(ゴールドラッシュなど)は茹ですぎると美味しさがなくな

   ります!鮮やかな黄色になるくらいの2~3分でお湯から上げてください。

   ①薄皮1枚~2枚を残して、皮を剥きます。②お湯を沸かし、2~5%の濃度になる

   よう、塩を入れます。③茹でます(2~3分)

(5)その他:各種レシピの素材としても活用されています。

 

3.トウモロコシの活用:ヒゲには甘みがあり、トウモロコシご飯などを炊く場合は、

  一緒に入れるとよい。さらにトウモロコシのヒゲを使ったお茶もあります。韓国

  ではポピュラーな存在なのです。甘みがあり、独特の香ばしさが感じられるそうです。

4.栄養価と効能:ビタミンB1・E、パントテン酸、カリウム、食物繊維、ナイアシン、

  葉酸などが含まれています。特に、胚芽の部分には、元気な体に欠かせないビタミ

  ンB群や還元力の強いビタミンEも含まれています。また、カリウムは体のバランス

  を整えるとされているほか、マグネシウムは体内酵素の働きを助けるなど、非常に

  バランスに秀でた野菜なのです。さらに、一粒ひと粒の皮がセルロースという不溶

  性の食物繊維でできているので、スッキリ作用にもつながると言われています。

5.保存方法:気温の低い早朝に収穫されますが、時間の経過や気温の上昇にともなっ

  て糖度が減少し甘味が落ちます。その日のうちに食べきれない場合は、丸ごとまた

  はカットしてゆでて、熱いうちにラップで包み、冷めたら冷蔵庫に入れます。冷め

  てからラップすると粒皮にシワが寄って味と食感が落ちてしまいます。

 

<茨城県は甘味にこだわった品種選定>

JA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部は、昭和60年に設立され、地域で本格的な

トウモロコシ栽培をスタートしました。部会では様々な品種を試験栽培し、その時々で

一番おいしい品種を導入してきましたが、平成9年に「味来(みらい)」という品種が選

ばれました。「味来」はそれまでの品種よりも甘みが強く、ジューシーで皮もやわらかい

トウモロコシで、部会ではこれを「夏祭り」という独自ブランドとして生産・販売するこ

とにしました。現在84名の部会員で、約150haの面積で栽培しています。トウモロコシは、

日中高温になると甘さが低下しやすいため、収穫は朝8時までと厳しく決められています。

また、収穫されたトウモロコシは、その鮮度を損なわないように「真空予冷」をかけるこ

とで、通常の冷蔵庫よりも、すばやく冷やして鮮度と味を維持します。その後、次々と大

型トラックで出荷され、各地に販売されていきます。真空予冷とは、真空予冷装置の中で

一定時間真空状態にさらす事で熱を奪い、短時間でトウモロコシを冷やす鮮度維持システムです。

「夏祭り」の中でも、収穫した当日の朝に店頭に並ぶ「朝どりトウモロコシ」という商品

があります。収穫を始めるのは深夜2時。早朝4時半までにJAに出荷し、5時にはお店

に向けて配送するシステムになっています。これらの取り組みにより、朝10時には都内

の量販店の店頭に、より新鮮で美味しい「夏祭り」が並び、トウモロコシ本来の甘さを味

わうことができます。朝どりトウモロコシは量販店との完全契約販売で、シーズンが始ま

ると約1ヶ月間、農家の方は休み無しで収穫し続けます。それでも、「もっと美味しいも

のを届けたい!」という一心で、農家の方は朝どりトウモロコシに取り組んでいます。

 

通常のトウモロコシよりも一回り小さいですが、皮がとても柔らかく、非常に甘い「ピク

ニックコーン」という品種もあります。その作付け面積は、「味来」の150haに対して、

わずか1ha。というのも、店頭で他の品種と並んだ場合、その小ささゆえに、お客様の手

になかなか取っていただけない品種だからです。しかし、その味は、「味来」よりも甘く、

やわらかい食感とすっきりとした甘さが特徴です。「冷たくされると甘いんです。」とい

うキャッチコピーのとおり、冷蔵庫で冷やして食べるとより一層甘さが引き立ちます。

直売所などでも稀にしか並ぶことがありませんが、見つけた時はぜひ手に取ってみてください。

 

 是非、結城市の「夏祭り」をご賞味あれ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茨城味自慢:茨城県産の小麦「ゆめかおり」でパン作りに挑戦!

2022-06-16 08:06:46 | 日記

かつて日本では栽培が難しいとされていたパン用や中華麺用として使われる強力系小麦

を中心に小麦全般の国内生産量が増えています。小麦は今でも日本で消費される量の86%

を輸入に頼っていて、国内生産は14%です。国内生産地として圧倒的なシェアを占める

のは北海道ですが、最近の国内生産量の増加部分の担い手は、北海道以外の他府県産の

小麦生産量の増加です。こうした後発の小麦生産地の共通点は、国内需要増への期待を

背景に、その土地に合った新たな品種改良への取り組みで、その土地で収穫される小麦

の品質の評価が高くなったこと、そして、地産地消の仕組み作りが機能してきて、小麦

も大幅な赤字作物から脱却できそうな環境が整備されてきたことが挙げられます。茨城

県の小麦栽培も後発組のため、生産量はまだ全国第10位ですが、農業県という実績のも

と、県全域で作付けされています。今回は私の散歩道ルートで栽培され、現在、まさに

収穫中の牛久市女化地区の小麦(ブランド名:ゆめかおり)を紹介します。

 

<麦の基礎知識>

「麦」とは、小麦、大麦、ライ麦、燕麦の4種類の総称です。大麦には食用の六条大麦と

ビールや焼酎等の酒に使われる二条大麦の二種類があり、二条大麦の事を一般にビール麦

と呼んでいます。麦類はコーカサス地方周辺に起源を持ち、中国にも紀元前四世紀には伝

播していたと考えられ、日本には2~3世紀に中国から伝わり、最初に小麦、次に大麦等が

入ってきたそうです。いずれもイネ科の植物で、5月にはイネ科特有の小さな花を付けます。

 

小麦:目的別に多くの品種がありますが、いずれも殻が固いため粉にして利用されます。

   小麦粉は含まれる弾力のもとであるグルテンの量によって、グルテンの量が多い

   「強力粉(パンなど)」、少ないのが「薄力粉(ケーキ・天ぷらなど)」、2つの

   中間が「中力粉(うどんなど)」の3種に分けられます。別にデュラム小麦粉(モ

   ッチモチのパスタなど)があります。

大麦:グルテンは含まれていません。その代わり豊富なデンプンと植物繊維があります。

   パンにしても膨らみませんから、粉にせずに粒のまま使われます。(麦茶)や

  (麦ご飯)が有名ですね。また、大麦はビールづくりに欠かせません。

ライ麦:ライ麦はもともと小麦畑の雑草が進化した小麦に似た作物です。 近年、ライ麦

   粉は食物繊維やミネラルが豊富に含まれており健康に良いとされ、この栄養分の

   高さからライ麦パンが見直され、消費も増加しています。

燕麦(えんばく):世界で6番目に生産高の多い穀物ですが、食用としての利用より、

   家畜の飼料として使われることが多いです。実を脱穀し、押しつぶして作られ

   るのが、オートミールです。アメリカなど世界各国では、フルーツと合わせた

   グラノーラが主に朝食でよく食べられています。

 

<日本小麦の収穫時期>

 皆さんは小麦の収穫時期をご存知ですか?小麦栽培には「春小麦」と「冬小麦」の

 2種類があり、一年の間に2回収穫する時期があるのです。

【春小麦】:春に種を撒いて、夏に育て、秋に収穫します。アメリカ北部、カナダ、

  中国東北地方など、緯度が高く寒冷な地域では、冬を越すのが難しく春小麦が

  栽培されています。

【冬小麦】:秋に種を撒いて、冬を越し、春や初夏に収穫します。冬が寒くないア

  メリカ中西部、中国華北地方、フランス、スペイン、日本では、この冬小麦が

  栽培されています。

 

違いは、“冬を越すかどうか”というところです。冬を越すのが「冬小麦」です。日本

の小麦のほとんどは冬小麦です。温暖な九州では5月下旬、関東は6月上旬が、収穫時

期の目安です。冬小麦は育成期間が長いため、収穫量が多いといわれています。

 

<小麦の生産量ランキング>

日本では国内産小麦では足りない分を政府が国家貿易により外国産小麦を計画的に買

い付け、国内の製粉会社に売り渡すしくみがとられています。製粉会社に売り渡され

た小麦は小麦粉に加工され、主にパン・麺・菓子などの小麦粉を使用した製品を製造

する食品メーカーに卸されます。そして、それらの食品メーカーで製造された製品は

スーパーなどの小売業者を通じて食卓に届けられます。

 

1.世界の小麦生産量ランキング

   生産量1位は中国、2位インド、3位ロシア、4位アメリカそして日本はランク外。

   尚、日本が輸入している小麦の生産国はアメリカ(49.8%)、カナダ(33.4%)、

   オーストラリア(16.8%)で、この3カ国から国策として輸入されています。

2.国内消費量の14%を担う国内小麦生産量の県別ランキング(2020年)

   1位は北海道(66.4%)、2位は福岡県(6.0%)、3位は佐賀(4.1%)・・・

   10位茨城県(1.3%)です。北海道は過去に90%以上のシェア時代もありました。

 

<小麦の豆知識>

1.使いわけて、おいしく:小麦粉の用途は、グルテンの質と量できめられますが、

   加水量やこね方など加工方法も小麦粉がもっているグルテンの質と量によっ

   てちがってきます。

(1)パンの場合:グルテンの多い「強力粉」を使い、粉に対して60~65%の水を

    加え、グルテンがよく形成されるように、充分にこねます。

(2)うどんの場合:グルテンの量が中程度の「中力粉」を使い、粉に対して30~

    40%の水を加え、ミキサーでソボロ状にしたあと、ローラーで圧延します。

    手打ちうどんは、水を多く加え、よくこねるのでグルテンがしっかり形成

    され、独特の歯ごたえが生まれます。

(3)ケーキ、天ぷらの場合:グルテンの少ない「薄力粉」を使い、グルテンが形

    成されすぎないよう、軽くまぜます。

(4)スパゲティの場合:デュラム小麦を粗挽きにして作った小麦粉を使います。

    強力粉よりもモッチモチの本場のパスタを作るならこれです。

2.上手な保存方法:「ニオイが大きらい!」「湿気は、ニガテ」「使い残しは、

   しっかり封を!」「虫の侵入にご注意」これらを守って保存してください。

3.上手な使い方:「よくふるってから使いましょう」「使った粉は、もとの袋

   に戻さない」これが大切です。

4.麦踏み:小麦栽培の特徴ですね。11月から2月末にかけて4回ほど行います。

   文字通り麦を踏みます。 折角元気に育っている麦ですが、「麦が強くなり

   ます」ので踏みます。麦は踏まれることで生理活性が高まり、分げつ(枝

   分かれ)が増えたり、茎が太くなります。その結果、収穫量が増えること

   だけでなく、風にも、霜にも強くなります。特に霜が立つと土壌が持ち上

   がってしまい根がダメージを受けますが、踏むことで土壌が固められ、霜

   を防ぎます。農家では足ではなくローラーを使っています。麦踏みはまさに、

   経験がもたらした最高の栽培技術です。

 

<政府や生産者の意識が変わり、小麦の品種改良の花が開いた>

1972年の世界食糧危機でアメリカは大豆の輸出を禁止しました。これを契機に麦

類の国内生産に本作的に取り組むようになりました。又、食生活の多様化で、米

離れによる麦の需要増もあって品種改良に本腰が入れられたのです。品種改良に

は10年、20年の歳月がかかります。栽培技術の向上も進み、品種転換とその成果

が表れ始めたのが、2000年を過ぎたころからで、2016年の中力系小麦についての

製麺試験結果では、うどん用に最も向いているといわれているオーストラリア産

「ASW」を日本の上位3品種が上回るなど、国産小麦の品質は大幅に向上したの

です。一方、タンパク質含有量の多い強力系小麦の栽培は梅雨がある本州以南で

は、じっくり熟成させることが難しいため作りづらいとされてきました。しかし、

この数年パンやラーメンに向く、品種改良した小麦が続々登場してきて克服され

つつあります。

 

<北海道だけじゃない! 全国で広がる国産小麦>

国産小麦の生産地として北海道が独占してきた理由は①小麦は寒冷地を好む作物

で気候が合った、②梅雨がないため、収穫時に雨にあたることによる品質劣化が

ない。③北海道では連作障害や米の生産を補う作物として必須アイテムだったこ

とにあります。しかし、小麦の品種改良技術の向上や地産地消の仕組みづくりなど

で、手間をかけても高品質な小麦を作れば価格に反映される仕組みができたことで、

北海道以外での作付けが広がったのです。茨城県の場合を見てみましょう。

 

<パン用小麦で人気急上昇、「ゆめかおり」が関東で事実上の統一品種に>

パン用強力粉「ゆめかおり」で話を進めます。2011年ごろまでの県内の小麦栽培は

収益の見込めない作物で、連作障害を回避するためや交付金目当てに細々と栽培さ

れる位置づけでした。ですから品質向上など望むべきもなかったのです。そこに登

場したのが「ゆめかおり」という長野県が開発した品種です。「ゆめかおり」はこ

れまでの普及品種に比べ、たんぱく質含有量が高く、倒れにくい、成熟期が早いな

どの優れた栽培特性があり、関東及び長野県、山梨県におけるパン用小麦の実質的

な統一した奨励品種として広く普及しました。パン用小麦は、たんぱく質含有量が

高いほど膨らみがよく、13%以上あるといいパンができるといいます。そのため出

穂期には追肥が不可欠ですが、茨城県ではまさに主力の米の田植えの時期と重なる

ため手間がかかります。それでもいいものを作ろうという考えに賛同した仲間が集

まり、2015年に茨城パン小麦栽培研究会が立ち上がりました。仲間は現在16名。

2020年の出荷は470トン、2021年は見込み数量で670トンと、1,000トンが視野に入

ってきました。こうした一連の取り組みが評価され、令和元年度全国麦作共励会

(集団の部)で、全国農業協同組合中央会会長賞を受賞、令和2年度農業普及活動

高度化全国研究大会で農林水産大臣賞を受賞しています。「ゆめかおり」は製粉

されたあと、首都圏や地元のパン店のほか、学校給食やコンビニのパンを作る工場

などで使われています。

 

<現在の茨城県の小麦生産>

現在、県内で多く作付けされている小麦の品種は3種です。

(1)「ゆめかおり」:強力粉用。長野県で開発された。グルテンの量や質がパン

     に向き、もっちりとしたおいしいパンができますが、中華めんやギョウ

     ザの皮などにも向いています。

(2)「さとのそら」:中力粉用。群馬県が開発した。日本めん用の通常アミロー

     ス小麦です。麺にしたとき小麦臭がなく、きれいな色合いとツルっとし

     たノド越しの良さがあります。また、どの様なお菓子にも使え、菓子

     用適正にも優れています。

(3)「きぬの波」:中力粉用。群馬県で開発された。アミロース含量がやや低

     く、麺(うどん)の粘弾性が改良された製麺適性が優れた品種で、つる

     っとした喉越しの良さ、繋がりやすさ、そして茹で上がりもピッカピ

     カのツヤがあります。

 

<茨城県牛久市女化町産の「ゆめかおり」>

地産地消の例として、私の散歩道ルートにある茨城県牛久市女化町(おなばけまち)

の「安部農園」と「パン屋さん」を紹介します。安部農園の園主は2005年に新規就

農された方で、小麦、落花生、ブロッコリーの栽培と、敷地内の竹林「女化たけの

こ園」を運営しています。この農園でパン用小麦の「ゆめのかおり」が大事に育て

られています。安部農園では「ゆめかおり」を、EM菌による有機栽培、無農薬栽培

に成功して現在に至っているそうです。収穫した原麦は丁寧に磨いてから、石臼を使

って自家製粉しています。磨くことによって余分な雑味がなくなり、麦本来の旨味や

甘みが生きるのだそうです。石臼でゆっくり挽かれた全粒粉は、麦の旨味がたっぷり

詰まっています。これこそが「本来の小麦」なんだなぁ、と実感できる逸品の小麦な

のです。

女化町と隣接する龍ケ崎市内のパンのお店「クレッセント」では、「ゆめかおり」の

全粒粉の風味が損なわれないよう、少量ずつ製粉したものを 5%から60%練り込ん

でパンを焼いています。 また全粒粉100%の「全粒粉カンパーニュ」は小麦のうま味

が堪能できる逸品で、全国誌などにも掲載されています。「このお店で作りたいと考

えていたパンが、少しずつですが、やっと実現できてきた気がします」と話されてい

ました。

 

少子高齢化で人口が減り国内消費量全体が減少しているなか、外国産が86%を占めて

いる小麦の世界では、外国産よりもいいものを作れば、市場を拡大することができる。

特にパン用や中華麺用はまだまだ需要が作れるジャンルであることを、各地のケース

が証明しています。この分野は今後も伸びると思います。

 

外国産の小麦を扱っている製パン工場やパン屋さんの従業員には肌荒れや体調不良

を生じる人がいるそうですが、国産の小麦を扱っている方には起こらないことは知

られた話ですよね。安部農園の「ゆめかおり」とまでは限定しませんが、是非、茨

城県産の「ゆめかおり」でパン作りに挑戦してみてくださいね!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茨城味自慢;茨城の隠れた逸品、「常磐もののアナゴ」をご賞味あれ!

2022-06-06 07:53:47 | 日記

アナゴと言えば、東京湾や瀬戸内海産が有名ですが、茨城沖でとれる「常磐もののアナゴ」

も市場からの評判がよく、茨城県の隠れた逸品のひとつです。年間を通して味がよく、寿司

や天ぷら、煮物などのほか、伝統的な干物や調理の手間が少ないレトルトなど、茨城の水産

加工業者によって様々な加工品が作られています。アナゴは1 年中、季節を問わず獲れるイ

メージがありますが、時期によってその味は異なります。一般的に言われている味覚の旬は、

初夏から夏の6~8月です。この時期のアナゴは、「梅雨アナゴ」「夏アナゴ」と呼ばれ、脂

が少なく淡泊なさっぱりとした味わいが特徴です。通常、魚の旬は脂の一番乗っている時期

とすることが多いのですが、アナゴは、淡泊な味わいが好まれる魚なので、脂の乗らない夏

が旬とされている珍しい魚です。あっさりとしたこの時期のアナゴは、天ぷらにして食べる

のがいいですね。でも、脂ノリがいいのはやはり冬の10~12月頃で、身がとてもぷりぷりし

ています。これは、一般的な魚と同様、春に産卵するために栄養を蓄えているため脂がのっ

ているからです。この時期のアナゴは、こってりとコクがあり、ウナギに似た味わいです。

夏の旬のアナゴよりも、脂の乗っている冬のアナゴが好きだという人も多くいます。冬の

アナゴは煮アナゴにすると、とても濃厚でおいしいです。結局、夏も冬も両方とも美味し

いということです。今回は「常磐もののアナゴ」の紹介です。

 

<謎に包まれたアナゴの生活史>

マアナゴの例です。マアナゴは春季にレプトケファルスと呼ばれる特異な形をした稚魚が

沿岸域で変態後、甲殻類や魚類などの動物を捕食しながら成長します。オスよりもメスの

方が寿命は長く、成長が良いと言われ、オスは4年で40cm前後、メスは7年で90cm前後

に達します。3~5年で成熟すると考えられていますが、産卵直前のメスや産卵された卵

はまだ見つかっていません。また、レプトケファルスの本当の初期のものも駿河湾で1個

体が記録されているのみで、産卵場や初期生態については、未だに分かっていません。

でも、最近の研究からマアナゴはウナギと同じように南の方へ産卵回遊を行い、そこでふ

化したレプトケファルスが黒潮系水で日本沿岸へ運ばれて来るのではないかと推定される

ようになってきました。どうやら、日本ウナギとマアナゴとは体型だけでなくライフサイ

クルも似ているようです。人工授精による形態研究からもマアナゴの初期生態の輪郭が少

し見えてきましたが、解明には今しばらく時間が掛かりそうです。レプトケファルスとは

「小さな頭」という意味を示しますが、その名の通り頭は小さく、体は透明で平たいリボ

ン状をしたアナゴの稚魚のことです。

 

<アナゴの漁獲量ランキング>

(1)世界漁獲量ランキング(2019年)

    韓国が断トツ1位です。2位フランス、3位フイリピン、そして4位が日本です。

(2)都道府県別ランキング(2019年)

    1位は島根県632(t)19.0%、2位長崎県15.4%、3位宮城県9.5%そして5位が茨城県

               6.8%です。近年は瀬戸内海や東京湾はランキング外です。残念ながら、国内で

              はあまり獲れなくなり高値安定のため、韓国からの輸入ものの方が市場に出回っ

             ています。

 

<日本沿岸に棲む代表的なアナゴの種類>

アナゴの仲間は世界に150種類ほど、日本近海には20種ほどいますが、日本で食用として

いるアナゴの代表格はマアナゴです。特に関東地方で賞味されてきた「江戸前のアナゴ」

は東京湾の羽田、大森、浦安などでよくあがり、江戸の食文化の主要食材でした。

 

1.マアナゴ:一般に食用のアナゴといえばマアナゴを言います。体長は雄が40cm、雌

          が90cmほど。北海道以南、琉球列島までの沿岸砂泥底に棲みます。希少である大

         型のものは「伝助穴子」と呼び、市場では高値で取引されています。寿司ネタ、蒲

        焼き、または天ぷらなどとして、よく食べられているのが、このマアナゴです。脂

        肪分が少ない白身で、フワフワした食感が美味しく、食通ファンが多いです。夜間

        の防波堤や船でも釣れます。

2.クロアナゴ:日本各地の浅い岩礁域から南太平洋沿岸の岩礁域に棲みます。マアナゴ

   と似ていますが、全長1.5mと大型で、黒っぽい体色をしています。大型になる分、

   小骨の主張が強く、またマアナゴより味が落ちると言われているため、食べられる

   ことが少ないです。皮も固いため、主に魚肉練り製品の材料として利用されていま

   す。でも、骨切りするなど、しっかり料理すれば、美味しく食べられる魚です。

3.ギンアナゴ:銀白色の体色で、マアナゴより沖合に生息。分布域は北海道以南から東

   シナ海と広いです。あっさり目の味で、天ぷら、干物、練り製品などに利用されます。

4.イラコアナゴ:見たことのない深海魚のような怪魚ですが、実はスーパーで蒲焼きと

   してパックで売られていて、回転寿司のネタにもなるリーズナブルさが魅力。三陸沖

   など、東北地方の太平洋沿岸や北海道で獲れます。性格はかなりどう猛です。

5.ノレソレ:レプトケファルスのこと。高知県では新春のシラス漁の網で獲れます。透明

   で体長5cm~8cm程の細長い形状からか、淡路島ではハナタレ(鼻垂れ)とも呼ばれ

   ます。

  

<アナゴの漁獲方法>

アナゴ類は一般的に延縄、籠網(筒網)、底曳網、釣り等多様な方法で漁獲されますが、

これは地方で漁法が違うことに由来しており面白いです。

(1)小型底びき網漁(板びき網):日本各地で広範に使われているのが底びき網です。

    ランキング1位の島根県はこの漁法が主力です。底びき網で獲れるアナゴは野

    ジメといって沖合でそのまま死んでしまうため、水揚げされたときにはすでに

    鮮度が落ちてしまいます。また、網の中でかき回されることにより穴子自体に

    傷がつきやすくなるのも底びき網のデメリットです。

(2)「かご漁(あなご筒漁)」:アナゴだけを狙った専用漁法です。江戸前のアナゴ

    は筒を使った漁でとられています。狭い穴の中を好むアナゴの習性を利用して

    漁獲します。筒の中にイワシなどの餌を入れて、海底に仕掛けておきます。筒に

    は「返し」と呼ばれる中が狭くなっているふたがついています。餌の匂いにつ

    られて筒に入ったアナゴはこの「返し」に邪魔されて外にでることができなく

    なります。かって、大阪湾ではかご網漁が盛んでした。現在は東京湾や対馬での

    主力漁法です。餌でおびきよせる点では籠も筒も同じです。一籠ずつ丁寧に穴子

    を取り出すので魚体に傷がつかず、新鮮なまま水揚げされます。

(3)延縄漁:瀬戸内海で多い漁法です。延縄漁業とは、一本の幹縄にたくさんの枝縄

    (延縄)をつけて、延縄の先端に釣り針をつけた漁具で行われる漁法です。

    昔から行われた漁法で、延縄を漁場に仕掛けて、しばらくの時間放置してから

    回収します。網を使った漁法よりも魚を傷つけないので、魚の価値を高めます。

    幹縄の長さは10mから1000mくらいです。

 

漁協が取り組むマアナゴ養殖

2015年から大阪府では近畿大学と漁協が協力してマアナゴの養殖に取り組んでいます。

毎年3月ごろに地元の漁師が獲ってきた稚魚を水槽に入れ、エサを与えながら育てます。

水槽の海水は井戸から汲み上げて、フィルターで不純物をろ過した上で使用。マアナゴ

は水温が26℃以上になると弱りはじめるため、25℃以下に保ちながら育てています。

年々、水槽に入れた稚魚の生き残る率が上がっており、今年度は80%を超えたそうです。

成魚の出荷時期は8月から年末いっぱいまでで、ふるさと納税の返礼品や、漁協の直売所

で販売。市内小中学校の給食用にも提供したそうです。でも、採算面では現時点で厳しい

状況のようですが、天然マアナゴの漁獲量が減って価格が上がっているので、養殖でも採

算をある程度合わせることは可能で、稚魚さえ確保できれば、産業として成り立つ可能性

は十分ありと見ています。現在は卵から人工ふ化させたマアナゴを成魚に育て、その成魚

から採った卵をまた人工ふ化させる、という完全養殖の研究にも取り組んでいます。完全

養殖技術が確立すれば、天然の稚魚に頼らない養殖が可能になります。

 

<アナゴの豆知識>

1.血には“毒”あり:意外なことかもしれませんがアナゴには毒があります。正確には血液

   に毒があり「血清毒」と呼ばれ、血液程ではないものの体表のヌメリにも含まれてい

   ます。そのため経口摂取だけでだけでなく目や傷口に入らないよう気を付けなければ

   いけません。アナゴを刺身で食べる機会が少ないのはこのためです。摂取すると嘔吐

   や下痢を引き起こしますが、熱を通す(60℃5分以上) ことで毒が変性し無害になります。

2.栄養素と効果:ビタミンAがたっぷり!アナゴは眼の働きを助け皮膚を健康にするビタ

   ミンAが豊富で、その量はアナゴを100g食べれば一日のビタミンA必要量をほぼ満

   たすほど。さらに、アナゴの脂肪分は悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を防ぐ

   不飽和脂肪酸((EPA・DHA))を多く含んでいます。ウナギに比べて脂肪は半分、

   カロリーは2/3程度です。又、ビタミンB2は皮膚や消化器官などの粘膜を健康に保ち

   過酸化脂質の分解を助ける酵素の成分になります。アナゴはその栄養面の点から現

   代人に適した食品であると言えます。

3.「寿司通は光物とアナゴ」:昔から卵焼きとアナゴと光物を必ず注文するのが、江戸

   前寿司の通人とされてきました。この三つは、寿司屋で味付けしなければならず、

   その為、これらを食べるとのその店の職人の腕前がわかるというのがその理由です。

4. 関東と関西の食べ方の違い:「関東は煮アナゴが好き」そして「関西では焼きアナゴ

   が好まれる」傾向があります。これは関東と関西のアナゴの特徴が違うことが理由

   です。関東のアナゴは脂がのっていて大ぶりのものが多いです。ですから、煮て食

   べることによっていい感じに脂が落ちて、ふっくらと美味しくなります。一方、関西

   のアナゴは関東に比べると大きさが小ぶりで脂も少なめです。脂が少ないアナゴは煮

   ると硬くなってしまうため、煮るより焼くほうが美味しいのです。また、関西のアナ

   ゴは皮が多いですから、こんがり焼き上げたほうが、パリッとした食感を楽しめます。

5.関東と関西では開く箇所が違う!?:関東地方では背中から開くのに対し、関西地方

   ではお腹から開きます。これには、武士の町江戸では「腹を切る=切腹」をイメージ

   させて縁起が悪い。一方、商人の町、関西では「腹を割って話をしようや」という

   意味から腹開きになったと言われています。

6.マアナゴの中でも特に大きな(300g以上)特大アナゴの事を「伝助穴子」と言いま

  すが、全てメスです。

 

<常磐もののアナゴは大ぶりが特徴>

黒潮と親潮がぶつかり、えさとなるプランクトンが多く発生する豊かな漁場で水揚げされた

アナゴは大ぶりで質が良く美味しい魚と知られ、水産関係者の間でも高く評価されています。

常磐海域においてマアナゴは、底びき網漁業、筒漁業、かご漁業など漁師により異なる漁法

で漁獲されていますが、その水揚量、水揚金額は大きく、沿岸漁業に占める産業的ウエイト

は高いです。常磐もののアナゴの最大の特徴は90㎝クラスの大物の漁獲が圧倒的に多いこと

です。大物のあなごとは実はメスのアナゴのことです。マアナゴは1歳で全長30~45㎝、

2歳で40~60㎝、3歳で50~70㎝に成長しますがこれはメスの成長で、オスは40㎝ほどで

成長が止まります。資源調査によると、不思議なことに常磐海域には、雄はほとんど分布

していなかったのです。謎の多いマアナゴの生態ですが、こうした分布の偏りも不思議な

現象ですね。でも、お蔭で、常磐物のアナゴは大物が多いという特徴が生まれているのです。

 

現在、認知度が高いとは言えない「常磐もののアナゴ」ですが、これを機会に覚えて頂いて

ご賞味あれ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする