ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

年末雑感「オアシス・タイム」

2018-12-24 08:01:03 | 日記


冬だからこそ行く植物園。今日は双眼鏡とカメラを持って近隣の植物園でバードウォッチング
です。園内の探鳥ポイントで木の枝に鳥の姿はないかと、目を凝らしましたが見つかりません。

目線を何気なく、地面におろして後ろを振り返ると、ここまで歩いてきた真っすぐな一本道が
林の中から足元まで続いています。

唐突なのですが、その道を見ながら、喜寿が近くになった年齢まで到達することができたのも、
歩いてきた過去に大きな災いが降りかかることもなく、又、自らも社会の道から大きく外すこ
ともなく、そして、好きな仕事で糧を得てきたことで、この道のように一本道の人生を歩んで
こられたと自分の人生を総括して良いのかなと思いました。

それでも、若いころを思い返してみると、一丁前に悩んだり、迷ったり、衝突したりの紆余曲
折のジグザグな道を歩んできはずなのです。でもそれも今は昔、今では忘却の彼方の出来事で
あり、普段は思い出すこともありません。

こうして余暇を楽しんでいますが、今が特別な環境であり、言ってみれば人生の中のオアシス
・タイムの中にいると思うべきなのでしょうね。

だって、私を取り巻くあらゆる事象の先ゆきは不透明。「人間万事塞翁が馬」、生きている間
は先に何が待ち受けているのか分かりませんからね。

改めて、この一年間の無事に感謝して、新しい年を迎えたいと思います。

年内のブログ更新はこれが最後です。

皆さま良いお年をお迎えください。
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水戸の歴史探訪とアンコウ鍋

2018-12-17 07:44:32 | 日記


首都圏に住んでいる高校の同級生3人が古稀を迎えたことを契機に始めた歴史と文学の街歩き。
今回は徳川御三家の城下町であり、水戸黄門で有名な茨城県水戸市の歴史散歩です。でも予約
したアンコウ鍋の時間を気にしながらの慌ただしい街歩きだったようです。

ノブ:「今年の忘年会は本場でアンコウ鍋」だと言ったら、本当に水戸に来ちゃったよ。

ヤス: 良い専門店を知っているから紹介するよ。二人は水戸に来る機会は少ないだろうから、
    水戸駅周辺の史跡を歩いてからアンコウ鍋を囲もうと思う。

ヒデ:水戸には10年以上来ていない。歴史探訪とアンコウ鍋の組み合わせは良い考えだ。

水戸駅を出た一行が最初に向かったのは「水戸東照宮」です。御三家の城下町だから当然なの
でしょうが、水戸にも東照宮があったのですね。知りませんでした。

ヤス:水戸藩初代藩主徳川頼房(家康の11男で光圀の父)により、徳川家康を祀る神社として
   創建されている。戦前まで社殿は旧国宝に指定されていたけど、戦災で焼失して今ある
   のは昭和に造営された社殿だ。現在は徳川頼房も祀られている。境内には頼房奉納の銅
   灯籠,徳川光圀が造らせた常葉山時鐘,徳川斉昭の考案による、安神車(戦車)などが
   見られる。

ノブ:社殿は日光の陽明門を模したものだね。壁に天井に扉にと、どこを見ても綺麗だ。葵の
   紋が素晴らしい、それと虎やウグイスの絵が豪華絢爛さを強調している。

ヒデ:家康を祀る東照宮は全国にあるよね。その理由だけど、家光の時代に当時の大名が競っ
   て造営したように思われるけど、実は幕末から明治初期にかけて、先祖崇拝の象徴とし
   て造営されたものが多く、500社~700社ぐらいあったそうだ。廃仏毀釈などで淘汰さ
   れたけど、今でも全国には日光東照宮を筆頭に50社近くあるそうだよ。

次に向かうのは「常盤神社」。真っ赤に紅葉した大モミジが三人を迎えてくれました。

ヤス:ここには水戸黄門こと徳川光圀と徳川斉昭が祀られている。境内にある義烈館には光圀
   や斉昭の遺品そして水戸学関係資料が展示されており、小規模ながらも迫力のある博物
   館だから見ておこう。

ノブ:なるほど、義烈館では「大日本史」「大きな陣太鼓」そして「大砲」が印象に残ったね。

ヒデ:その「大砲」だけど、斉昭が政権から追放された要因の一つと言われているね。お台場
   に設置して外国船に対抗する迎撃砲として、幕府に献上されたのだけど、奉納品以外に
   も裏で何砲造られているか分かったものではないと、幕閣に謀反の心を抱かれたらしい。

一行は茨城県立歴史館へやってきました。ここは、昭和49年の開館で、茨城県の歴史に関する
資料の展示や江戸時代の農家、明治時代の洋風の校舎などが移築され保存されています。茨城
の歴史を知るのには最適なスポット。常設展は茨城の歴史(原始・古代から現代まで)を13の
テーマに分けて展示してあるのでとても見やすいです。

ヤス:歴史博物館と文書館の機能を合わせ持つ施設で、広い敷地を歩いてきて分かったと思う
   けど、旧水戸農業高校本館や旧水海道小学校校舎などが保存され、規模の大きさ、展示
   物の豊富さから一度は立ち寄る価値がある施設だね。

ノブ:館内は学芸員さんに案内してもらったのでよく理解できたな。特に一橋徳川家から寄贈
   を受けた資料や美術品が印象的だった。歴史館の価値がよくわかったよ。

ヒデ:広い敷地は無料開放でいいな。ここのイチョウ並木の黄葉は素晴らしかっただろうね。
   もう少し早く来たかったな。

ヤス:「アンコウ鍋」の予約時間があるから、急がしたけど今度ゆっくり来てください。

最後の訪問地は水戸黄門生誕の地です。光圀は家臣三木家の屋敷で4歳まで三木家の子として身
分を隠し養育されました。現在、この地には水戸黄門神社が建てられています。

ヤス:大きな道路に挟まれた中洲のような場所にある小さい神社だけど、ここが生誕の地と言
   われている。

ヒデ:新しいね。石碑に昭和55年と書かれているから、付近の道路整備の時に作られたものだ
   ろうね。
ノブ:今回は4か所しか周っていないからいつもの半分だね。水戸の歴史と言えば、城跡や偕楽
   園の好文亭そして水戸の弘道館など、他にも名所旧跡があるけど、時間の制約もあるし、
   歴史館で展示品を見ながら概要を把握したからそれで良しとしよう。

今日の歴史探訪は終了、元祖アンコウ鍋店「山翠」に到着です。自然豊かな茨城県の四季の素
材をふんだんに取り入れた郷土料理を提供してくれる水戸の名店です。一行はアンコウ鍋を囲
みながら至福の時間を過ごしました。

ヤス:アンコウ鍋は、「東のアンコウ 西のフグ」と並び称される茨城県を代表する冬の味覚だ
   ね。つぶれたような平たい魚体、大きな頭、巨大な口には鋭い歯が並ぶグロテスクな魚
   だが、姿に合わずその味は淡白でコラーゲンたっぷり、肉は脂肪が少なく、低カロリー
   なため女性にも人気だ。特に肝が肥大する12月~2月が美味しい時期と言われているんだ。

ヒデ:茨城県内に130店以上もあるそうだね。お店や宿、それぞれに独自のこだわりや趣向を
   凝らしたお店が多いと聞いている。

ノブ:アンコウ鍋は「あん肝」をどのくらい使用しているかによって、コクや旨味、風味が大
   きく変わるんだ。そこが店のこだわりになっているんだよ。

三人はアンコウ鍋談義そして来年の計画などを話しながら、至福のひと時を過ごしました。個
室でしっかり腰が落ち着いてしまったら、もうこれ以上は歩けませんからね。
来年も頑張って歩いてください。
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品川~大崎間の企業ミュージアムめぐり

2018-12-10 07:43:01 | 日記


長い歴史を持つ企業の多くは企業ミュージアムを開設しています。内容としては自社の製品、
保有技術、専門知識を公開したものと創業者や最高責任者が個人的な趣味から収集した美術、
絵画、骨董を展示したものに大別されるようですが、いずれにせよ企業活動の成果が今の日
本人の生活・文化を創ってきたのは異論のないところです。企業ミュージアムには創業の精
神から創出された製品が展示されており、目指す未来の姿も開示しています。時代ごとの社
会情勢や自己の体験と重ね合わせて見学すると面白いです。

最近、品川区にある「ソニー歴史博物館」が今年12月末で閉館されることを知りました。
これが最後の機会だと懐かしき家電製品を見に、急ぎ品川へ向かいました。物は次いでと申
しますから、品川駅~大崎駅間にある他の企業ミュージアムにも立ち寄ってきました。

1.味の素「食とくらしの小さな博物館」

  品川駅から徒歩10分、プリンスホテル高輪の裏側にあります。日本人の食卓を彩ってき
  た味の素の100年に渡る歴史と将来に向けた活動が紹介されており、館内は懐かしいCM
  映像、歴代の商品、広告物、時代ごとの食卓風景の展示があって楽しいミュージアムです。
  味の素の志は「美味しく食べて健康づくり」。エピソードとしてチンドン屋による宣伝
  活動で、三郎が鰹節屋の前で「味の素があれば昆布や鰹節はいりません・・・」と大声
  を出して、店の主人に怒鳴られ、慌てた三郎は、とっさに「鰹節のだしに「味の素」を
  ほんの少し入れるだけでうま味が倍増、鰹節の味が格段に引き立ちます」と切り抜けた
  のですが、本当に50年後にうま味の相乗効果が証明されたと書かれていました。
  「うま味」とは?の疑問にズバリ答えてくれます。それにしても、大きな企業になった
  ものだなと事業領域の裾野の広さに驚きました。

2.物流博物館

  (1)から徒歩6分ほどです。開館20周年を迎えます。前身は日本通運本社内の「通運
  資料室」で、現在は「利用運送振興会」が運営している。電気・ガス・水道と同じよう
  に、私達の暮らしと産業に欠かせない「物流」を江戸時代から昭和までの発達の様子を
  パネルで、そして展示物コーナーでは航空、港、鉄道、トラックの各ターミナルの大き
  なジオラマ模型があって、物流に関するビデオ、クイズ、ゲームなどを通して、物流の
  仕組みを紹介しています。訪問した日の企画展は「トレーラーと牽引車(トラクター)」
  でした。写真と解説が充実していて、当時を知る私は見入りました。

3.ソニー歴史博物館

   (2)から徒歩5分ほどです。やはりソニーの展示品は魅力的でした。1946年に20名
   でスタートし、いかにして世界のトップ企業に成長できたのか。「人のやらないこと
   をやる」ソニー精神が生み出した歴代製品250点。ウォークマン一号機などの懐かしい
   姿やおひつの内部に電線を張り巡らしたような炊飯器の試作品一号機の失敗作など、
   くすっと笑ってしまう展示品もある。設立趣意書や源流となった創業時の製品にも目
   がいったが、何と言っても、カセットレコーダーだ。初めてレコーダーから流れてく
   る自分の声が分からずに、思わず「誰がしゃべっているの?」と友人に聞いたことを
   思い出しました。今後は本社ビルで展示されるそうだが、どのようにリニューアルさ
   れるのか楽しみだ。ここに来られて良かった。

4.容器文化ミュージアム

   (3)から歩いて10分ほどです。東洋製罐の展示場で容器包装の文化を発信する場と
   して開設された。巨大なジュース缶やシャンプー容器をかたどったパネルがとても楽
   しい。実際に触りながら、容器の製造方法や役割、容器の歴史やリサイクルの方法を
   知ることができる。入口にあ る100年以上前の「自動製缶機」は圧巻だ。昭和の末
   まで現役でした。これにより、製缶工程が半田ごての手作業から脱却し、缶詰製造業
   が大いに発展しました。缶、びん、ペットボトルなど、私達の周りにある容器につい
   て、見方が変わるかもしれません。

紹介した企業ミュージアムは品川~大崎間の短い距離(約2.5㎞)でめぐることができます。
興味を持った方は是非お立ち寄りください。
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