ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城のリゾート(里蔵都)、桜川市真壁にて

2016-02-29 08:25:28 | 日記


筑波山麓にある桜川市真壁は良質な御影石が産出される石材の里で、土蔵などが残る風情豊か
なところだ。寒い中、真壁に来てくれた人をもてなそうと始まった「真壁のひなまつり」は
今年、第14回を迎える一大イベントで、160軒を越える家が自前の雛人形を飾り、間近で見せ
てくれる。展示されるひな人形は江戸時代から現代までのものや石で作った変り種などで、来
訪者を飽きさせない。パンフレットには「いばらきの里蔵都(リゾート)桜川市」と紹介され
ていた。うまいキャッチフレーズだ。

夫: 先日、「石の芽」のブログの中で御影石の産地として真壁の町に触れたけど、こんなに
   早くここに来るとは思わなかったよ。ブログに書いたことで呼ばれたのかな?

妻: それはどうかしら?車でこの街に入ってから、たくさんの石材店を目にしたわね。周り
   の山肌には削られている箇所が見受けられるから、今でも採掘しているみたいよ。

夫: 筑波山・加波山周辺で採掘されている御影石は「真壁石」というブランド名で市場に出
   ているんだってさ。機会があれば採掘現場の近くに行ってみたいね。

妻: 会場への駐車場案内が出ているわよ。2012年に来た時は東日本大震災による被害で、崩
   れた蔵の壁や屋根が目立っていたけど、今はどのくらい復興しているのかな?

ひなまつり会場となっているエリアを散策し始めた二人。蔵の復旧は進んでいたが、白い土壁
が木の壁に変わっているところがあり、修復にかかる費用の多大なことや職人さん不足などが
理由かもしれないと思った。平日なので混雑はなく、ゆっくりとひな飾りを観賞できそうだ。

妻: これは江戸時代のお雛様ですってよ。ひな飾りの風習は江戸時代からあったということね。
   ただ愛らしいだけじゃなくて、女の子の健やかな成長を願う親の思いが伝統の儀式となっ
   て今日まで続いていることを改めて実感するわ。

夫: ひな祭りは室町時代に紙で作った人形を川に流した「流し雛」が始まりで、戦国時代にな
   って人形を作る技術が確立し、流すのはもったいないからと飾るようになったらしい。
   江戸時代になって3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句が決まってから、今のひな壇
   飾りが定着したそうだ。つるし雛は、ひな壇飾りが庶民には高価で高嶺の花だったことか
   ら、江戸後期に庶民の知恵として生まれたと聞いた事があるよ。

会場地図を片手に、一軒一軒、丁寧にひな飾りを見てまわっている二人に、ひな壇を飾る店舗
では、そこのご主人たちがいろいろと説明をしてくださった。

主人A: ここに飾ってある左右2セットのお雛様ですが、左側が京雛です。男雛は公家さんの
     衣装で刀を差さず、頭には烏帽子を被っています。一方、右側は江戸雛で男雛は殿様。
     武士ですから刀を差しています。大きな違いですね。

主人B: これはお雛様が屏風の前ではなく、御殿の中に座っています。御殿飾り雛といいます。
     主に関西を中心に江戸末期から昭和の初期まで飾られていました。京都の御所を模し
     たものでしょうね。今では、ほとんど作られなくなった形式です。

主人C: 関東では、男雛が右(向かって左)。これは右が上位という考えなんですね。
     「(私の)右腕」「右に出るものはいない」「左遷(位を下げる)」など、今もその
     考えが残っています。体の左側に差している刀を抜くときに右側に誰かが座っている
     と不都合ですしね。関西では逆に男雛が左(向かって右)です。これは公家さんの立
     ち位置に合わせていると聞きました。でも今では、どちらでも良いようですよ。

こうして回っているうちに、明治初期の内裏雛を含め3世代のひな人形が飾られている店の女主人
とお話をする機会がありました。

妻: 以前、訪れた時には浄瑠璃人形が飾ってあったと思うのですが・・・

女主人:あれは着物が日焼けしてしまいまして、今年は飾っていないのです。こちらにある初・
    茶々・江の3姫の人形はペットボトルを利用した私の作品です。

夫: 素敵ですね。人形浄瑠璃は真壁の街とつながりがあるのですか?

女主人: この家の裏にある真壁伝承館で人形浄瑠璃の公演をやっています。かつて真壁は人形
     浄瑠璃が盛んでしたが戦争の影響で、すたれてしまいました。それが文化庁の支援を
     得る事が出来て復活したのです。今年で10回目の公演です。私は浄瑠璃人形も作りま
     すが、ペットボトルと粘土を使った人形作りを小学校で教えています。
     真壁に人形浄瑠璃が復活したのが嬉しくて、お人形とその衣装作りでお手伝いをして
     います。

夫: それは素晴らしい!

女主人: 人形浄瑠璃は東京でも千代田区の国立劇場で定期公演されていますよ。真壁も伝承館が
     できて復活に弾みがつきました。来月、3月13日(日)に行なう定期公演の案内チラシ
     を差し上げますから、是非見に来てくださいね。小学生も「こども三番叟」を演じま
     すよ。

妻: 「太夫の語り」「三味線」「三人で操る人形の動き」が一体となるのだとか。

女主人: そうです。今回の公演には一流の人たちも出演するので、見ごたえがありますよ。

夫: 一旦途絶えたものを復活させた真壁町の方たちの想いには感動しますね。

妻: 真壁といえば「石」と「ひなまつり」しか思い浮かばなかったけど、これからは「人形浄
   瑠璃」を付け加えなくちゃ。

女主人: 嬉しいですね。今年の公演日は筑波山の梅祭りと重なるので素敵な一日になりますよ。
     お待ちしています。ところで、真壁は「すいとん」も名物なんですよ。各店舗が工夫
     を凝らしていますから、ぜひ召し上がってみてくださいね。

地方の街で、伝統芸能の復活と継承に尽力しているグループがあることを知り、お内裏様とお雛
様の座り位置やいでたちについても教わり、思わぬ知識の拾い物をさせていただいた「真壁のひ
なまつり」だった。それにしても、地元の皆さんは説明がお上手!



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 ひと足 お先に!

2016-02-22 08:05:47 | 日記


蝋梅(ろうばい)に続き、紅梅・白梅の花が香り立つ頃になると
春の妖精たちへの想いが募り始める

ここ数年、お目にかかっていないセツブンソウ
どこに行けば会えるかな?

そうだ! 植物園へ行ってみよう
2月半ばだから、まだまだ寒いけど今日は上天気だ

早く会いたいと、はやる気持ちは空回りかも
まだまだ地面から顔を出すのをためらっている時期だよな

否定的な考えばかりが浮かぶ中、植物園に着いた
迎えてくれたのはシナマンサクの黄色い花

青空に伸び伸びと広げた枝には個性的な花がいっぱい咲いている
黄色い花は心を浮き立たせてくれるね

シナマンサクの枝に習って、思いっきり背伸びをしてみた
寒さなんか、吹き飛ばせ! ア~、いい気持ち

ところで、セツブンソウは?
いた、いた、居たよ、居ましたよ

たった10本ばかりだけれど
「ひと足 お先に」とばかり、可憐な姿を見せている

君はスプリング・エフェメラルのトップバッターだ
茎の長さはまだまだ3センチ程度
地面から顔を覗かせたばかりの初々しい姿

白い花のように見えるのは萼片(がくへん)なんだよね
いや、そんなことはどうでもいいんだ

こうして君に出会えた喜びだけを
しばし味わうことにしよう


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石の芽

2016-02-15 10:42:31 | 日記


寒い日が続く2月。日ごろの運動不足を解消しようと、霞ヶ浦湖畔にある土浦市・霞ヶ浦総合公園
にやってきた老夫婦が園内の広場で石のオブジェを見つけました。

夫: 「石の芽」って書いてあるよ。芽と言えば植物だよね。石だって芽が出てもおかしくないと
   考えたのかな?この発想はなかなか面白い。

妻: あら、芽が出るのは植物だけじゃないでしょ。人間だって“やっと芽が出た”なんて表現す
   る事があるわ。だけど、「石の芽」ってどういうこと?

夫: 説明を読んでみなくちゃ、解らないな。え~っと、どれどれ。“誕生して7500万年の茨城産
   の御影石は地球の種でもある”オ~、「地球の種」ときたか。これも面白い表現だぞ。
   御影石というのは花崗岩のことで、もともとは六甲山の麓、神戸市御影町エリアで産出する
   良質な石材の名前なんだけど、今では産地に関係なく花崗岩からできた石材を御影石と言う
   らしいね。

妻: 墓石とか、建築資材として使われているあの石よね。御影石って、結構ヒトの生活に密着して
   いるんじゃないの?

夫: そうだね。例えば、瀬戸とか信楽のように焼き物で有名な街は、花崗岩が地表に出ている地域
   に存在していることを知っていたかい?

妻: 突然、焼き物の話になっちゃうのね。御影石の説明に焼き物が必要なの?

夫: まあ、聞きなよ。花崗岩はマグマが地下でゆっくり冷えて固まってできた深成岩の一つで、変
   成岩とともに陸地を構成している重要な岩石だ。主成分は石英と長石で、他に10%程度の黒
   雲母などの有色鉱物を含んでいる。英名はGraniteだ。語源はラテン語のgranumで、種子と
   か穀粒を意味するらしいよ。

妻: 今、granite って言った?確か、a man of granite は頑固な男っていう意味だと英語の授
   業で習った覚えがあるわよ。40数年も前の話だから自信はないけどね。

夫: 英語の話は置いといて、御影石について言えば、その特徴は「緻密で硬いこと」「耐久性があ
   る」「風化に強い」「研磨して光沢を出せてスベスベにできる」ことだね。だから、墓石な
   どに使われるのさ。でも、これは石材となった御影石の話で、石材にならないような花崗岩
   は熱の変化には弱くて、風化しやすいんだ。理由は結晶粒子が大きく、かつ、構成する鉱物
   結晶の膨張率がそれぞれ異なるため、温度差が激しいと粒子間の結合が弱まるからだ。
   もっと具体的に言うと、主成分の一つである石英は風化しにくいので、より風化しやすい長
   石や黒雲母の粒子と分離してバラバラになって、もろく崩れやすくなる。こうして花崗岩が
   風化して砂となったものの内、白色から黄土色の粗い砂を真砂土、単に真砂(マサ)と言っ
   ている。
   花崗岩地帯にはこの真砂が広く分布していて土砂崩れを起こしやすいんだ。だから注意を喚
   起するために砂防地帯に指定されているところが多い。付け加えになるけど、この真砂土が
   河川によって海まで運ばれると、風化に強い石英主体の砂となり、白い砂浜になるんだ。
   君の郷里・瀬戸内海の白砂青松(はくしゃせいしょう)や山陰の砂丘は中国山地の大量の花
   崗岩が元になっているんだよ。

妻: ヘ~ェ、そうだったの。でも、焼き物との関係がなかなか出てこないわよ。

夫: さっき、花崗岩中の石英以外の成分である長石や黒雲母は風化を受けやすいと言ったね。この
   内、長石の一種、斜長石が分解してできるカオリナイトは粘土鉱物で吸水性が高くヌルヌル
   しているんだ。この成分が多いほど高温に耐える磁器の材料になるんだ。だから、焼き物の
   街はカオリナイトが産出する花崗岩周辺に存在しているのさ。

妻: ようやく焼き物とつながったわね。そういえば、いつも身近に感じている筑波山の麓には、御
   影石が産出される石の街・真壁があるし、陶器の町として有名な笠間や益子があるわね。
   今でも採掘しているのかしら。

夫: さあ、どうかな?現在、国内で流通している御影石は福建省を中心とした中国産がほとんどら
   しい。これもついでだけど、高い強度と滑りやすさを要求されるカーリングのストーンはス
   コットランドのアルサク島の花崗岩で作られている。一方、国会議事堂の外装は全て日本国
   産の花崗岩でできているんだよ。

妻: フ~ン、それくらいのことは知っておいた方がいいかもね。教えてくれてありがとう。

夫: いえいえ、どういたしまして。

妻:「石の芽」や「地球の種」の話に戻るけど、花崗岩の語源が種子であるなら、種子から芽が出
   るのは自然の成り行きよね。製作者はそれを熟知した上で、このオブジェに「石の芽」とい
   うタイトルを付け、説明に「地球の種」という言葉を使ったのね。
   ようやく、その意図が納得できたわ。

夫: 続けて書かれている「市民との触れ合う対話からは、石の芽が生まれる」って言うのがいまい
   ち理解できないけど。

妻: このゆったりした広場に市民が三々五々集まって、和やかに会話をすることで、新しい未来へ
   の芽吹きが生まれることを期待したのかな?地球を構成する岩石にも目を向けて欲しいとい
   うことかもね。

夫: そうかもしれないけど、まあ、これ以上の詮索はしないでおこう。

陶器産業だけではなく、灘などの有名な酒蔵も花崗岩の産地周辺に集まっています。理由は花崗岩
でろ過された清らかな水が美味しいお酒を作るからです。

偶然に見つけた御影石のオブジェを前に石について改めて想いを巡らしたひとときでした。石は奥
深い。もう少し掘り下げて学んでみたいと思いました。私にとってこのオブジェは石に関心を持つ
動機の芽となりました。石の芽からは、一体どんな花が咲き、どんな実を結ぶのでしょうね。
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 行ってみよう!「西新井大師」

2016-02-08 08:47:19 | 日記


初詣参拝客ランキングで全国18位、東京都内6位。今年も約54万人の参拝客で賑わった「西新井
大師」は地元の人たちから「お大師さん」と慕われている下町の古刹です。常々、参拝したいと
思いながらも、実行できなかった老夫婦ですが、年始の喧騒が一段落する時期を見計らって出か
けることにしました。

夫: 「東武大師線」って始発駅と終点駅しかないから、参拝者のためだけの電車なんだね。
   それだけここへ訪れる人が多いということだ。

妻: 今日も乗客が多かったわね。今、歩いている門前町の下町風情もなかなかのものね。
   名物の草だんごは「中田屋」と「清水屋」が有名だけど、どちらで買おうかしら。

夫: 先日、テレビで歌手の天童よしみさん似の店員さんが紹介されていたよ。いるかな?

妻: 顔を見れば分かるわね、きっと。草だんごの由来は弘法大師さんがヨモギをすり、病人を
   治したという故事からだというから、薬草だんごだったのね。
   でも、食べるのは後、まずは参拝!

夫: 江戸後期築と言われる山門が目の前だ。

西新井大師は天長3年(826年)、弘法大師(空海)の創建と伝えられています。悪疫流行に悩む
村人を救おうと弘法大師が祈祷を行なったところ、枯れ井戸から清らかな水が湧き、病が治まっ
たとの伝説がある。その井戸がお堂の西側にあったところから「西新井」との地名が生まれたそ
うです。現在は関東の三大厄除け大師(他に川崎大師・観福寺大師堂)の一つとされ、子どもの
初参り・七五三参りの場として親しまれています。
境内には名前の由来となった井戸跡や、塩を擦り付ける塩地蔵などがあります。また、ここは西
の長谷寺、東の西新井大師と言われる「牡丹の名所」でもあります。もう一つ、毎月21日はお大
師様の縁日があります。これも歴史を有する縁日です。
本堂での参拝を終えた二人が階段を下りてきました。

夫: 今日は日曜日だったね。初詣の喧騒はもうないと思って来たけれど、護摩祈願や御朱印長の
   受付はごった返しているよ。それに達磨などの土産品や飲食の露天も、お正月の3ヶ日と同
   じようにたくさん出ているね。落ち着いた雰囲気で参拝できるようになるのは、まだまだ先
   になりそうだ。

妻: お参りを終えたから、境内をゆっくり歩きましょう。見所がいっぱいありそうね。

二人は本堂の周りを時計回りで進むことにしました。最初に目に留まったのは・・・

夫: ここにある「四国八十八箇所霊場 同行二人お砂踏み巡礼所」は新しいもののようだね。

妻: 一周すると四国巡りと同じご利益があるというわけね。私たちも同行二人でこの周りを巡
   礼しましょう。

夫: 次は庭園巡りだ。冬は花がないのが残念だね。大きな弘法大師立像があるよ。手を合わせ
   たら庭園の奥の方に見える滝のところへ行って見よう。

妻: あら、十三重の塔があるわよ。関東ではあまり見かけなかったけど、珍しいわね。

夫: 滝、橋それに弁天堂があって素敵な撮影ポイントになっているようだね。

妻: 本堂の裏手に来たわね。ここには権現堂、如意輪堂(女人堂)、奥の院と社が並んでいるわ。
   一つ一つのお社を丁寧にお参りしましょう。お賽銭用の5円玉は十分用意してきたのよ。

夫: あそこはお稲荷さんだな。赤い鳥居が並んでる。出世稲荷だ。私にはもう関係ないな。

妻: ここから本堂前に戻る道は露店が左右にあるから道幅が狭くなって通り抜けるのが大変そ
   うね。でも、何か美味しそうなものがあったら食べましょうよ。

本堂を一周し露天のお店巡りを楽しんだ二人は、西新井の名称由来となった井戸や塩地蔵のある
方面に向かいましたが、その途中でピンクの花を満開に咲かせた樹木が目に入りました。

妻: 桜だと思うけど、こんな時期に満開になる桜って何だろう?アッ、寒桜って書いてあるわ。
   キレイね~。隣に白い梅の花も結構咲いている。まだ1月よ。今年は咲くのが早いわ。
   さて、私は寒桜を本堂や三匝堂を背景に撮影するから、先に行って井戸跡を探してて。

夫: やれやれ。なんだ、すぐ傍にあったよ。これが由来の井戸だな。「加持水」、「弘化4年」と
   書かれているから江戸時代のものだな。それにしても井戸がコンクリートで固められていて
   風情がないのが残念だな。

妻: 追いついたわ。これが井戸跡ね。「加持水」ってお大師さんの霊水と考えればいいのよね。
   ねえ、あそこに人が並んでいるわ。塩地蔵さんかな~?行きましょう。

夫: 間違いないね。それにしてもかなりの人が並んでいるよ。私たちも並ぼう。

妻: やっと順番が来たわ。御堂の中のお地蔵さんは塩に埋まっている感じね。みなさん、足元
   の塩をすくって、お地蔵さんの体にこすり付けているわ。自分の体の中で気になっている
   部分なんでしょうね。このお塩を持ち帰って患部に直接擦り付け、治ったら塩をここに2倍
   返しするって聞いた事があるのよ。
   それにしても並んでいるのは圧倒的に女性たちが多いわ。なぜかしら?

夫: 元々は、この塩をいただいてイボにつけるとイボが取れるということで、イボ取り地蔵とい
   われていたんだよ。ヒトの体重の60~70%は薄い塩水だ。大人では約200gの塩が体内にあっ
   て、筋肉を動かしたり、食べ物の消化などの働きを助けている。又、塩には殺菌効果もある
   から、こうした塩パワーを不思議に思う先人たちの気持ちが、現在に至るまで、この塩地蔵
   として皆さんの人気を集めているんだろうね。

妻: なんとなくわかったような、わからないような・・・

西新井大師の境内は特別に広くはありませんが、見所はまだまだあります。門前町の下町風情は魅
力的ですし、草だんご以外にも焼肉の美味しい店や、ショッピングも楽しめます。
草だんごは天道よしみ似のおばちゃんがいるお店でお土産として買って帰りました。もちろん、美
味しかったですよ。牡丹の季節には、再訪したいと思います。
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黄色いビルに「宇宙」を見た

2016-02-01 08:18:59 | 日記


JR・水道橋駅から歩くこと数分。東京ドームシティ内の黄色いビル6Fに「宇宙ミュージアムTeNQ
(テンキュー)」がある。2014年7月にオープンしたこの施設は、いろいろな視点から心地よく宇
宙を楽しめるエンタテイメント・ミュージアムで、コンセプトは「宇宙を感動する」。
興味を惹かれた私は、早速、見学に出かけた。

<エントランス>
 エントランス・ホールでは地球儀や模型、書籍など宇宙関連の展示により、早くも気分が宇宙へ
 誘われる。集まった人たちは15分間隔で、グループとなって入場する。

<はじまりの部屋>
 入場した途端、真っ暗闇。暗いトンネル内の空間に不思議な音が響く。この先に何があるのだろ
 う?期待しつつ進むと、幅20m高さ4.5mのプロジェクションマッピングによる映像を観賞する
 部屋に入った。ここでは古代から現代に至る人々の想いが映像としてキューブに現れる。
 映像は約5分間。キューブは凹凸しているため、かなり立体的な映像だ。

<シアター宙(そら)>
 次の部屋は宇宙を見下ろす新感覚円形シアターだ。周りを全員で「囲み、覗き込む」斬新なスタ
 イルで、直径11m、4K映像は大迫力。足元にまで映像が流れ込む浮遊感や臨場感に圧倒され
 る。美しい星空や景色そして宇宙ステーションから見た地球の映像で約10分間の「宇宙船の旅」
 を味わった。

<サイエンスの広場>
 次のエリア「サイエンス」には、なんと!実際の宇宙研究室、リサーチセンター(東京大学総合
 研究博物館TeNQ分室)が出現。大モニター画面には火星の最新映像が映し出される。
 研究者たちが提供するこの部屋では「オ~!」と驚く宇宙の謎が目白押し。「二酸化炭素の温室
 効果の発見は、金星探査がきっかけだった」「太陽からの距離だけでは、地球の温暖な気候は説
 明できない」などの謎をパネルで解説。「イトカワ」の2000分の1の縮小模型と解説。そして
 「火星地表の再現セット」に関心を持ったが、解説はもっと掘り下げた内容にして欲しい気がし
 た。現在、リサーチセンターでは火星の黒い斑点(ダークパッチ)を発見しようとしている姿を
 ガラス越しに見られる。「死に絶えた天体とされている火星が、実は活動的な天体だ」と考えて
 いる火星研究第一人者の宮本先生たちが、それをダークパッチの発見で証明しようとしているの
 だ。ダークパッチは火星の地下の水やガスが地上に飛び出すことで作られた穴だと考えており、
 ダークバッチがどのくらいあって、いつできたのかを探るという研究内容らしい。センター内で
 は5,6名の方がパソコンの画像とにらめっこで探していた。新しいダークパッチが次々と発見さ
 れれば、火星内部が活発に活動していると考えられることから、生物の存在も期待できるとか。
 探索はコンピューターよりも、人間の目で見つけることの方が優れているのだそうです。私も参
 加しましたが短い時間では当然のことながら、見つからなかった。

<イマジネーションの部屋>
 サイエンスの部屋を出ると、宇宙を想像できる楽しい空間の部屋が待っていた。ここは参加型の
 遊びコンテンツやアートそして映像を眺めながらくつろげるスペースだ。
 「宇宙自分診断」「アストロボール」「宇宙ギャラリー」「眺めルーム」「みんなで作る惑星パ
 ズル」など、子供でも楽しめる部屋となっている。アストロボールはボールを指先で発射台まで
 誘導できると、ロケットが飛び出すそうですが難しくてダメ。
 もう一つ、ここにあったQ&Aを紹介しておく。

  問1)宇宙で花火大会をしたらどうなるでしょうか?
     答)宇宙には酸素がないのですが、大きな花火には酸化剤が使われているので、燃焼す
       る事ができるのです。そして花火の火の粉は四方八方に真っ直ぐに飛び散り、まん
       丸で華やかな花火になるそうです。見てみたいですね。
  問2)濡れた雑巾は絞れるか?
     答)絞られた水がそのまま雑巾や手のまわりに、幕のようにまとわりついたり、いろい
       ろな方向に小さな水玉となって飛んで行き、ちゃんと絞れない。
  問3)サインペンは宇宙で使えるか?
     答)ぺんてるの「サインペン」は無重力空間でも、インク漏れせず安定して書けること
       から、NASAに認められて宇宙を旅しています。

<企画展示室>
  「宇宙のしごと人」をテーマにJAXAの宇宙飛行士・若田光一さんの寄せ書き、宇宙食などが展
  示されていた。

<つながる場所>
  ここはTeNQで体感した好奇心やわくわく感を記憶に定着させる場所だとか。壁面の映像を見な
  がら進むと、「私の足跡」「ちょっと宇宙でフォト」などの面白い撮影ポイントのコーナーが
  あった。

<TeNQ宇宙ストア>
  最後に誘導されるのは、定番のお土産品コーナー。TeNQオリジナルグッズ、宇宙食、雑貨そし
  て書籍など、購買心をそそられるものばかりだ。

施設の内容としては地球と火星を中心に「宇宙」について、さらっと解説した場所といった感があ
る。それでも宇宙についての知識を深めたり、宇宙の謎を考えてみたりと、遠かった宇宙が身近に
感じられて楽しい。
私が言うのも変ですが、夜の9時まで開館しているので、デートスポットとしても最適。
立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


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