ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:茨城のアンコウ鍋をご賞味あれ!

2021-12-20 08:34:31 | 日記

 

アンコウ鍋の季節がやってきました。「東のアンコウ 西のフグ」と並び称される茨城県を

代表する冬の味覚です。つぶれたような平たい魚体、大きな頭、巨大な口には鋭い歯が並

ぶグロテスクな魚です。しかし、姿に合わずその味は淡白でコラーゲンたっぷり、肉は脂

肪が少なく、低カロリーなため、女性にも人気です。茨城のアンコウは11月~3月までが

時期ですが、特に肝が肥大する12月~2月が美味しい旬と言われています。茨城アンコウ

の魅力をご紹介します!

 

アンコウはアンコウ鍋、共酢あえ(とも和え)、どぶ汁(水を使わず野菜やあんこうの水

分だけの鍋)などに料理されます。特に茨城県と福島県の沿岸部では古くからアンコウ漁

が盛んで、表面がヌルヌルで大型のアンコウはまな板の上ではさばきづらく、独特の調理

法である「アンコウの吊るし切り」が有名です。親潮と黒潮が交わる茨城沖は、日本でも

有数の好漁場。 その茨城沖で漁獲された2kg以上のアンコウのうち、「アンコウのブラン

ド化推進委員会」が定める自主管理基準により取扱うものを「茨城アンコウ」と命名し、

アンコウの下あごにタグをつけて出荷しています。

 

<アンコウの豆知識>

1.アンコウの名は、アンゴウというヒキガエルの方言に由来し、外国でもフィッシング

  ・トード(釣りするヒキガエル)といわれ、どことなくヒキガエルに似たところがあ

  ります。ウロコのない体は、ブヨブヨと軟らかく、海底にへばりつく無精者で、泳ぎ

  の下手な魚です。動きが鈍く、英名でアングラーとも呼ばれるように、動かずしてエ

  サを釣りあげる妙手をもっています。

2.「アンコウの七つ道具」とは可食部分の7つを挙げて言います。

(1)肉(柳身):3枚におろした身の部分。プリッとした食感と上品な味の白身。

(2)肝:クリーミーな味わい。とも和えなど、料理の幅は広い。

(3)水袋(胃袋):つるし切りの際はここにたっぷり水がたまることから。

(4)布(卵巣):流通しているアンコウは全てメスなので必ず入っています。

(5)エラ:エラを食べられる魚は珍しい。唐揚げなどの揚げ物がおすすめです。

(6)ひれ:ゼラチン質とコリコリした食感がおいしい。骨を抜くと食べやすい。

(7)皮:プルっとしたゼラチン質でうまい。アンコウ鍋では主役級の部位です。

地域によって、尾ひれ・あご・ほお肉(柳肉)などを入れることもあります。アンコウは

骨と眼球以外、捨てるところがない、無駄のない魚です。

3.アンコウの栄養価

  栄養価は非常に高く、皮膚や骨、目の老化を防止するコラーゲンや免疫機能を維持す

  るビタミンAが多く含まれています。また、血圧やコレステロールの低下、心臓の機

  能強化や動脈硬化、脳卒中の予防するタウリンが多く含まれています。他にも、肝臓

  には老化現象の進行を抑制する働きがあるビタミンEが豊富に含まれています。

4.アンコウの種類

  アンコウは世界中に分布していますが、食用にするのは日本だけのようです。日本で

  は北海道以南の比較的深い海に生息し、体長1.5メートルに達します。食用にするのは

  キアンコウとクツアンコウという2種類です。一般的にアンコウと言えば口腔内に白い

  斑紋があるキアンコウのことで、本県で水揚げされるのはこの種類です。クツアンコ

  ウは口の中が黒いので区別することが出来ます。

5.アンコウの吊るし切り

  アンコウは身がヌルヌルしているため、まな板の上では、切ることが難しいのです。

(1)アンコウの下あごを鉤(かぎ)にかけ、縄で吊るします。

(2)口から水を入れて、重みで体を安定させます。

(3)胸びれをそぎおとし、あごの下から皮を裂きます。

(4)皮を剥ぎ取り、肉を裂き、肝と腸(わた)を取り出して切り離します。

(5)胃袋を取り出し、身をそぎ、身びれを切り落とします。


<アンコウ漁>

  もともと、アンコウは狙って獲る魚ではありません。主に平潟・大津・川尻・久慈

  町・那珂湊・波崎の6漁協に所属している、沖合底びき網漁業、小型機船底びき網

  漁業によってヒラメ、ホウボウ、ドンコなどの底魚と共に漁獲されます。底びき網

  漁業は、水深の約3倍の長さのワイヤーロープ2本の先にオッターボードと呼ばれ

  る金属製の大きな板を付けて、海中の漁網の位置をコントロールするとともに、網

  口を大きく開いて、中層~低層にいる魚を効率よく漁獲する漁法です。平成17年11月

  からは、特定の生産者(底びき網漁業者)によって茨城沖で漁獲されます。アンコウの

  漁は産卵を終えた7月・8月が禁漁となっています。以外は年を通じて漁が行なわれて

  いますが、秋口からシーズンとなり、冬の寒い時期にはアンコウ鍋の最盛期になりま

  す。また、初春から産卵の時期になりますので、産卵前の冬のアンコウの肝はよく肥

  えて、肝を味わうには最良の時期であるといえます。

 

<アンコウ鍋の発祥>

  アンコウ鍋は、水戸や平潟が有名ですが、これはもともとアンコウに商品価値 がなか

  った頃、漁師が漁船の上で作って食べた「どぶ汁」がスタートです。庶民料理の傑作

  です。どぶ汁は、あん肝をほぐしてとろ火で煮詰め、これにあり合わせの野菜とアン

  コウを入れて作る濃厚な鍋物ですが、あんこう鍋は、これをだし汁で割って作ります。

  味噌、肝汁をだし汁でのばし、あんこうの「7つ道具」と白菜、大根、しいたけ、春

  菊、ねぎなどの野菜を入れて煮込みます。7つ道具のそれぞれ違った歯ごたえ、味わ

  いもあんこう鍋の楽しみのひとつです。こうして作ったあんこう鍋は、二度炊きが

  美味しいです。汁が野菜によくしみ込んで、味に深みが出ます。煮過ぎかなと思う

  くらいの熱々の鍋をぜひ味わってみてください。

  この他には共酢和えがあります。これは、ゆでたアンコウを酢味噌でのばしたあん

  肝につけて食べるもので、淡泊な味わいです。

  低カロリーの身や他の部位を、たくさんの野菜と一緒に肝を溶かした出汁で煮て食

  べるというアンコウ鍋は、まさに理想の健康食であるといえます。

 

私の推奨店は水戸市の元祖あんこう鍋「 山翠」です。アンコウ鍋を茨城県内外に広めた立

役者のうちの一つといわれているお店で、昔ながらの吊るし切りで丁寧に下処理されたア

ンコウを、秘伝の焼き味噌で味付けしたお出汁でいただきます。あん肝と味噌を練り合わ

せた焼き味噌が、独特の香ばしい風味とコクを生み出しています。コロナ禍になる前にOB

仲間と共に水戸市内をウォーキングしていた時に予約して入ったお店です。

是非冬の茨城県に来たらアンコウ鍋をご賞味あれ!

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (西澤)
2021-12-21 09:40:02
鈴木さん
3年前の水戸、山翠を思い出しますね
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Unknown (鈴木)
2021-12-31 08:17:25
西澤さん:分かりましたね!
返信する

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