ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:生でよし、煮てもよし「牛久河童大根」をご賞味あれ!

2022-01-31 08:13:12 | 日記

 

オミクロン株の急激拡大に怯え、大寒の寒さに縮こまるこの時期は、自宅で熱々の鍋料理

をゆったりと味わうのが一番ですかね。今回紹介するのは、まっ白でシャリシャリとみず

みずしい、牛久(うしく)市が誇るブランド大根「牛久河童大根」です。平成15年度園芸

きらり産地コンクールで県知事賞を受賞し、現在は県の青果物銘柄推進産地指定を受けて

います。一般的な大根に比べて色が白くみずみずしいのが特徴で、サラダなどの生食に最

適な大根です。東京のほか、遠く沖縄まで出荷される牛久市の代表的なブランド野菜なの

です。牛久市そして、隣接する龍ケ崎市を統括するJA竜ケ崎大根生産部会の35軒の農家で

栽培しています。

 

<大根大国日本>

日本は大根大国ってご存知でしたか?日本の大根は何と、世界の生産量、消費量の約9割

を占めているそうです。日本人は根っから大根が大好きなのですね(笑って!)。日本の

大根は統計上、春だいこん・夏だいこん・秋冬だいこんの3つに区分され、全体の7割を秋

冬だいこんが占めます。日本では在来種として100種類以上の大根が確認されていますが、

現在は青首大根が作付面積の98%を占めています。大根は農水省でまとめている主要13野

菜(じゃがいも、だいこん、キャベツ、たまねぎ、白菜、トマト、にんじん、きゅうり、レ

タス、ねぎ、なす、さといも、ピーマン)の中で2番目に生産量が多いのです。又、大根は

葉物野菜に比べて長距離輸送に向いているので、産地がばらけているのも特徴です。生産

量1位の北海道(12.5%)、2位の千葉県(10.9%)、3位青森県(9.4%)の3道県あわせても、国

内生産量の約33%しかありません。茨城県は7位(4.4%)です(2020年)。

 

<大根の歴史と品種>

大根の起源は定かではないそうですが、その歴史は弥生時代にも遡り、「すずしろ」とい

う名前で春の七草にも入っているように、古くから日本人に親しまれてきました。「大根」

というと、スーパーで見かける上部が緑色の「青首大根」や「白大根」の他に、桜島大根

のように大きく育つもの(世界一大きい大根(世界最大種))、守口大根のように細長く

育つもの(世界最長の大根(世界最長種))、蕎麦の薬味に使用する辛味大根、色もの

根など様々な品種が日本では栽培されています。このように、各地に様々な地大根があり、

それに適した食べ方があります。生活の中に溶け込んだ大根は、おでんをはじめとした煮

物や漬物、おろしてそばや肉の薬味にするほかにも、地域の祭礼や寺のお供え物にも使わ

れますから、大根の食文化のすそ野は広いのです。

 

<美味しい大根の見分け方>

葉が鮮やかな緑色で、ハリのあるものを選びましょう。また、皮はキメが細かくツヤがあ

り、ひげ根が少ないものを選びましょう。持ってみて重量感のあるものは水分をたくさん

含んでいる新鮮な大根の証拠です。

 

<大根の豆知識>

1.大根の栄養価と効能

  デンプンの消化酵素であるジアスターゼを多く含み、整腸作用があります。また、ビ

  タミンCやB2にも富み、美肌効果があります。繊維質のリグニンが多く含まれてお

  り、焼き魚の焦げに含まれる発ガン性物質を分解するオキシターゼは、ガン抑制にも

  効果があります。焼き魚に大根おろしがつくのはこういうことからです。葉には根に

  はないビタミンA・Eが含まれ、ビタミンCは根の5倍多く含まれます。また、食物

  繊維などに富み、ガンや骨粗しょう症の予防、貧血の改善などに役立ちます。葉のた

  んぱく質にはアミノ酸のリジンも多く含まれています。干した葉を薬湯(湯舟)に入れ

  ると体があたたまり、冷え性、肩こりや腰痛の症状が緩和されます。大根には多くの

  効能があり、まさに健康野菜の代表選手ですね。

2.「大根」は捨てるところなし!

(1)上部分は、みずみずしさと甘みを活かせる「大根おろし」がオススメ!

   葉に近い上部分は、水分が多くみずみずしいのが特徴。他の部位に比べて甘みも

   強いので、大根おろしやサラダなど、生で食べるのがオススメです。

(2)中央部は、形が崩れにくいので「煮込み料理」にオススメ!

   大根の中央部は、甘さと辛みがちょうどよく、バランスのとれた部位。上部に比

   べると少し固く、煮込んでも形が崩れにくいため、おでんやふろふき大根などの

   煮込み料理におすすめしたい。

(3)下部分は、辛みと食感を活かせる「漬物」がオススメ!

   大根の下部分の特徴は、他の部位に比べて辛みが強いことと、歯ごたえが良いこと。

   漬物にすれば、大根の下部分ならではのパリッとした食感を活かすことができる。

   ちなみに、大根おろしは葉に近い上部分がオススメと言いましたが、ソバなどの薬

   味として使用する場合は辛いほうがよいため、下部分が適しています。

(4)捨てないで、大根の葉は「緑黄色野菜」!

   大根の葉は、塩もみして刻んでご飯に混ぜたり(おにぎりにする場合は、水分が出る

   のでサッと湯がいたものがおすすめ)、おみそ汁の具にしたりと、いろいろな使い方

   があります。生で食べられるので、ごま油と塩であえてシンプルなサラダにしても

   よいですね。

3.大根の本当の色は白ではない!

   大根の本当の色は白ではなく、無色透明です。大根の表面には無数の小さな穴が開

   いていて、その穴の 1 つ 1 つがデコボコしていてここに光が当たると乱反射が起こ

   り、人の目に届くまでに白い色として見えています。

4.カイワレ大根は育つと大根になる?

   カイワレ大根は、あの立派な大根の芽であることは事実です。だから育てば見慣れ

   た大根に変身します。

5.[切り干し大根は栄養の宝庫]なんとカルシウムは大根の20倍。

   大根を細切りにして乾燥させたのが「切り干し大根」。乾燥させることで甘みが増し、

   カルシウム・カリウム・葉酸・植物繊維が大幅に増えます。

 

<牛久のマスコット かっぱの「キューちゃん」が目印の「牛久河童大根」>

牛久市は茨城県の南部に位置し、東京から50キロメートル圏内にありながら、牛久沼に面し

た筑波山を臨める風光明媚な地域です。この地の台畑地帯において、JA竜ケ崎大根生産部

会により、「牛久河童大根」が生産されています。大根栽培は「スイカ」(ブランド名:牛

久河童西瓜)の裏作として1986年に始まりました。1992年から「牛久河童大根」のブランド

名で出荷するようになり35年の歴史を有します。2005年には大根では県内で初めて、銘柄推

進産地の指定を受けました。その後、出荷量が需要に追いつかない状態が続いたため、2012

年に共同洗浄選別施設を導入して、出荷調整作業に費やしていた労力を栽培規模の拡大に向

けることにしました。栽培面積は大幅に拡大、多くの人々に愛される、牛久の名産品になり

ました。部会員は「たかが大根、されど大根。でも、このされどが大事なんだ」が合言葉で、

安心・安全は当たり前の時代に、いかに鮮度と品質の良い大根を消費者に提供できるかを常

に部会全体で共有し実践しています。収穫期は10月から霜の降りる前の12月上旬まで続きま

す。収穫の最盛期には、毎日2,500~3,000本の大根を収穫しています。


(美味しい食べ方)

「牛久河童大根」は、生で食感がよく、煮ても味のしみ込みが早いのが特徴です。そのため、

料理時間も短縮できて主婦には有りがたい逸品です。サラダで美味しいものは、おでん種と

しても最高で、つゆがしっかりしみ込んだ大根は何よりのごちそうです。今夜は熱々おでん

で、「牛久河童大根」を是非味わってみてください。

 

牛久河童大根は甘くやわらかいから、スッテックにして、マヨネ-ズ、味噌で食べると甘

い~、これ大根とは思えないフル-ツのようです。

 

真っ白でシャリシャリと瑞々しく、牛久のマスコット「かっぱの「キューちゃん」」が目

印の「牛久河童大根」を是非ご賞味あれ!

 

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茨城味自慢:絶妙な脂の乗りと身の締り、茨城常磐の「マサバ」をご賞味あれ!

2022-01-20 08:49:23 | 日記

サバの旬は晩秋〜2月頃といわれ、秋に獲れたサバを「秋鯖」、冬に獲れた鯖を「寒鯖」と呼びます。

サバの旬が秋〜冬になるのは、産卵期を4〜6月に終え、痩せ細ったサバが再び餌をたくさん食べて

脂肪を蓄えるからです。「秋鯖は嫁に食わすな」という言葉がありますが、秋から冬にかけての鯖

は脂肪分が約20%にもなり、非常に美味しい時期を迎えます。でもこれはサバの種類の中の「マサ

バ」の話で、他の種類では旬は異なります。私はサバ類の漁獲量は「茨城県が日本一」だと思い込

んでいました。しかし、直近の2019年の漁獲量は1位が長崎県(15.9%)、2位は茨城県(15.6%)、

そして3位は三重県(11.1%)でした。茨城県は2018年まで、10年以上も漁獲量1位でしたが、わず

かな差でトップを陥落していました。それでも国内では、この3県だけでサバの漁獲量の半分近く

を占める構図は長年変わりません。尚、国別のさば漁獲量世界1位は日本です。そして、2位は中国、

3位はインドネシアでした。

 

<日本の食卓に上がるサバの種類>

市場に出ているサバ類は主に3種類です。日本の200海里以内で水揚げされる「マサバ」 、「ゴマ

サバ 」、そして主にノルウェイから輸入される「大西洋サバ(ノルウェーサバ)」です。尚、サバ

の漁獲量はマサバとゴマサバが、同時に水揚げされることが多く、まとめてサバ類として表示され

ます。ご承知のように、サバには地域ブランドがありますね。マサバでは豊後水道関さば・岬さ

ば(はなさば)、三浦市松輪の松輪サバ、そして、ゴマサバでは屋久島首折れ鯖土佐清水市

清水サバなどです。これもサバ市場の特徴ですね。尚、大西洋サバは、80年代頃より日本に出回る

ようになりました。サバの加工品や冷凍食品のほとんどに使われ、現在もっとも多く日本の食卓に

並ぶサバです。その理由ですが、ノルウェーでは厳しい漁獲規制のもと、脂が乗った旬の時期に漁

船ごとに一定量の決められた量しか漁獲できないようになっており、このために常に高い品質が維

持されているからです。回転寿司のさばや、スーパー等で売っている、切り身、また締めさばやフ

ライ物など加工品の多くは、この大西洋サバです。加工された状態で冷凍輸入されていますが、決

して味が落ちることはなく、さらに価格の面からも利用しやすいものです。それに対して、国内漁

獲の場合、獲れるならいつでも獲れるだけ獲るというのに近い状態のため、品質や価格が常に不安

定となりがちです。

 

<サバの栄養価>

マサバには、EPA・DHAが豊富。青魚の中でも群を抜いて多く含まれています。他にもビタミンA、

ビタミンB2、ビタミンD、鉄、ナイアシンなど健康に役立つ栄養が豊富です。ガンや血栓症、痴呆

症の防止、高血圧や肝臓病などの成人病予防にも効果的と言われています。他にも健康な爪や皮膚

をつくり炎症を防ぐ、骨や歯の発育を促す、口内炎や口角炎を防ぐ、とり目やかすみ目を防ぐとい

われるなど、良いこと尽くめの魚です。

 

<調理方法>

サバは、マグロやアジと並んで世界的に消費量が多い魚で、焼き魚、煮魚、寿司、しめサバとして

多く食べられています。缶詰めにされることも多い魚です。傷みが早いので生で食べることは少な

いですが、関サバなどのブランドサバで、なおかつ、獲りたて新鮮なものに限っては刺身で食され

ることもあります。マサバとゴマサバではマサバの方が脂が多く旨味も勝るといわれています。

サバは味噌煮や竜田揚げ、などでも食べますね。でも、旬で脂ののったマサバは塩焼きが絶品です。

 

<サバの豆知識>

(1)日本のサバの用途(2018年)は、大きく分けて生鮮食用向けが12%、食用加工(練り製品、

   缶詰)が43%、飼料や魚油向けなどの非食用向けで全体の45%を占めてい ます。大西洋サバ

   は99%が店頭に並ぶ食用向けとなっています。

(2)サバで気をつけなくてはならないのは、サバの生き腐れといわれ、体内に強い酵素があって

   自家消化が早く、生食すると中毒になる可能性があることです。また、もうひとつ怖いのが

   アニサキスと呼ばれる寄生虫がよくつくことですね。アニサキスは、家庭用の冷蔵庫ではダ

   メで、マイナス20度以上の冷凍庫で2~3日保管しないことには死滅しないといわれています。

   そして、酢締めにしても死なないという強靭な寄生虫です。アニサキスは体長2~3㎝ほどあ

   り、白色で少し太い糸のように見えます。白色なので、白身の中では見えにくいですが、目

   視で見える大きさです。

(3)保存にも調理にも便利で栄養価も高いサバ缶ですが、独特の臭みが苦手という声も多く聞き

   ます。サバは青魚独特の生臭さが特に強く、缶詰になってもその臭いが強烈に残っています。

   味噌煮などの味付けサバ缶ではそこまで気になりませんが、シンプルな水煮のサバ缶は生臭

   さがダイレクトに感じられてしまいます。このサバの生臭さのほとんどは「トリメチルアミ

   ン」という臭み物質によるもので、一般的な腐敗臭とは別のものです。サバに限らず収穫し

   た魚は時間が経つと、身の中の細菌が旨味成分である「トリメチルアミンオキサイド」をト

   リメチルアミンに変化させていきます。サバはこの変化するスピードが早いため、他の魚に

   比べて臭みが強くなってしまうのです。

 

<茨城沖の漁獲方法>

  マサバは1年を通して漁獲できますが、茨城沖では12月から3月下旬が漁期。12月から1月にピ

  ークを迎え北海道沖や三陸沖で餌を食べ、脂をたっぷりとため込み、南下してき たところを

  漁獲します。サバは鮮度低下が早い魚として知られていますが、漁獲直後から冷海水で一気に

  冷やし鮮度良く水揚げします。水揚げ後の市場ではサイズごとに仕分けられ、鮮魚や缶詰、

  干物などの加工用として流通します。茨城県内では大津、久慈町、大洗町、波崎の4漁協で主

  に水揚げされています。主な漁法は、沖合では「まき網漁業」、沿岸では「定置網漁業」の

  2種で漁獲されます。まき網の漁場は八戸から房総海域にかけて、北部太平洋海域の広範囲で

  漁獲されますが、常磐沖で獲れるマサバは漁場も近いため、非常に鮮度がよいです。まき網

  漁業では、魚群探知機でマサバの群れを探し、長さ1,000m~1,800m程度の網を素早く魚群

  を囲むように投網します。通常1船団は網船、魚探船、運搬船に役割分担され、連係プレー

  で漁を行います。昔は「サバを読む」という言葉があるくらい獲れましたが、今は漁獲量が

  減っています。定置網ではサバ以外にも雑多な魚が漁獲されます。

 

<サバ漁は知恵比べ>

  まき網魚の漁師さんのお話ですが、「水深150~300メートルの海域がサバの通り道。その周

  辺をソナーで探索し、魚群を発見したら潮流や魚の進行方向などを計算しながら、素早く網

  で魚群を囲い込んで漁獲します。」「複数の船で連携しながら、長さ1キロメートル以上ある

  巨大な網を素早く沈めて群れを囲み、数百トンのサバを漁獲するんだ」「この大規模 でダイ

  ナミックなところがサバ漁の醍醐味だ」と語っていました。一方、サバ漁には数多くの難し

  さがあり、網を投入する際に潮流や魚群の動きを正確に読みとる技術、漁場内に混泳するイ

  ワシを避けて旬で市場価値が高いサバだけを漁獲する技術など、様々な技術が求められるそ

  うです。これらをこなすためには、最新設備の力だけではなく、長年の経験に基づく「勘」

  が不可欠とのこと。なお、相手のサバも年を重ねて成長するほど賢くなり、網の下をくぐり

  抜けて逃げるなど、獲りにくく、手強くなるのだそうですよ。

 

<茨城沖のマサバは旨味あふれる、上質の青魚>

  茨城沖のサバは「茨城常磐のマサバ」と呼ばれています。「青魚の王様」と呼ばれるほど栄

  養価が高いサバですが、中でも茨城常磐のマサバは絶妙な脂の乗りと身の締りが良く、分厚

  い身と質の良さ、豊かな旨味で、市場からの支持は絶大です。小骨が少なく、調理しやすい

  のも大きなポイント。みそ煮、しめさば、塩焼き、煮つけ、竜田揚げなど、調理法によって

  さまざまな食感と風味を楽しむことができます。一度冷凍したうえでの刺身もお勧めの一品

  ですよ。

 

サバは味のみならず、健康面と金銭面でも優れていますので、コロナ禍での料理への関心の高ま

りと共に人気が高まり、ちょっとした「サバブーム」になっているようです。皆さ んも日々の生

活で生じる悩みやストレスを解消するためにも、食事面からの健康改善に意識を向けてみましょう。


その時は、絶妙な脂の乗りと身の締りが良い、茨城常磐の「マサバ」をご賞味くださいね。

 

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茨城味自慢:おいしさ弾けるイチゴ「いばらキッス」をご賞味あれ!

2022-01-10 09:02:47 | 日記

日本人はイチゴが大好き。なんと生食での消費量は世界一なのです。冬場のビタミ

ン補給として最適なフルーツですね。2020年度のイチゴの国内収穫量ランキングは、

1位栃木県(14.3%)、2位福岡県(10.3%)、3位熊本県(7.7%)で、この上位3県は10年

以上順位固定です。茨城県は7位(5.5%)ですが、県の主要な園芸作物です。鉾田市、

行方市、筑西市などを中心に、県内全域で栽培されており、各地域では市場出荷か

ら直売、摘み取りも積極的に実施しています。イチゴはバラ科の多年草で流通して

いるものは、ほぼオランダイチゴ属です。本来は、多雨湿潤気候の日本ではイチゴ

栽培は向いていないのですが、品種改良とビニールハウスなどの栽培技術が普及し

て、今では全国で栽培されていますね。

 

<日本のイチゴ市場の変遷史>

日本にも野生の野いちごがあり、昔から食べられてきましたが、現在普及している

イチゴのルーツは18世紀のオランダで生まれた、南米チリ原産種と北米東部原産種

の交雑種です。これが江戸時代末期にオランダから観賞用として伝えられ、「オラ

ンダイチゴ」と呼ばれました。 明治になって改良されたフランス品種が伝わり、こ

れを更に改良して「福羽」が生まれました。日本イチゴの基礎を作った名品種です。

しかし、高級果実として扱われ大衆へは普及しませんでした。戦後になってアメリ

カから導入された「ダナー」品種は、当時としては甘み・酸味・香りがよく調和し

ていて、日持ちや輸送性も高く、長きにわたってイチゴの主流となりました。 大衆

が手ごろな値段でイチゴを食べられるようになったのは、このダナーが普及してか

らなのです。その後、ダナーに続けと、新品種が立て続けに発表され、「幸玉」、

「宝交早生」、「はるのか」などのスターが誕生しました。宝交早生は昭和50年代

にはいちご全体の6割の生産量を占めました。その後、日本イチゴ史にさん然と輝く

2大品種「女峰」、「豊の香」が1980年代半ばに登場しました。食味の良さ、粒の

大きさなどで他の品種を圧倒し、この2品種で全国の生産量の90%を占めるまでに

成長したのです。20年以上にわたってこの2大品種は女王の座にすわり続けました

が、消費量の拡大にともない次々と新しい品種が台頭、今やイチゴの品種は300種

類ほどあります。世界全体の品種の半分以上が日本生まれだという説もあるのです。

 

<イチゴ栽培の適地としての条件>

イチゴを育てる上で大切なことは、気温と日射量です。どちらもイチゴの株の生育

や収穫量、果実の味に大きな影響を与えるからです。 イチゴの生産量トップ5県の

内、1位の栃木県以外の県は温暖な地域(4位長崎県、5位静岡県)です。その理由

はイチゴを育てる時期が関係しています。一般的にイチゴは9月に苗を植え、11月

から収穫が始まり翌年の6月頃まで収穫します。気温が低い冬の時期に栽培するた

め、ビニールハウスが必須ですし、他にも内張りカーテンによる二重構造、ウォー

ターカーテンの利用、暖房機による加温などが必要です。冬の気温が低い地域では

この暖房コストが大きくなります。そのため、イチゴ栽培をするには温暖な地域の

方が有利なのです。なぜ栃木県が生産量1位なのか?栃木県は温暖な気候ではない

のに、イチゴの生産量で50年以上も1位の座を守り続けています。理由の一つに冬

の日照時間が長いことが挙げられます。栃木県の日照時間は夏よりも冬の方が多く

なるのです。そのため、イチゴの光合成量が大きくなり、果実の品質も収穫量も優

れます。ですから、冬の日照時間が短い日本海側の北陸、東北地方には大きなイチ

ゴ農家はありません。

 

<イチゴの豆知識>

1.イチゴ表面のツブツブが果実

  イチゴの表面にあるツブツブは種ではなく、ひとつひとつが果実です。それぞ
  れのツブツブの中に種が入っています。一粒のイチゴは、200個から300個の果
  実が集まった「集合果」。私たちが果実だと思って食べている甘い部分は、実
  際は茎の先端の花床(かしょう)が膨らんだ偽果(ぎか)です。

2.イチゴの栄養成分は?

  イチゴはビタミンCが豊富で、みかんやグレープフルーツの約2倍。ビタミンB
  群である葉酸も多く含まれています。また、ポリフェノールの一種であるアン
  トシアニンも豊富で、目の働きを高めたり、眼精疲労を予防したりする効果も
  期待できます。

3.イチゴの甘い部分はどこ?

  イチゴは先端部から熟していくため、ヘタの部分よりも先端のほうに糖が多く
  蓄積しています。ヘタよりも中央、中央よりも先端が甘いので、ヘタをカット
  して中央から食べ始めると、最後により甘く感じられます。

4.イチゴの保存方法

①生で食べるとき:パックから出し、重ならないようにポリエチレン袋などに
    入れて、冷蔵庫で保存。水洗いした場合は、カビが生える可能性があるの
    で水分を取ってから保冷。

②ジャムにするとき:いったん冷凍するのがおすすめ。生のいちごを使用する
    よりも、なめらかにできあがる。冷凍するときは、いちごを水洗いしてヘ
    タをとり、水分も取り除いてフリーザーバッグに入れて冷凍室へ。

 

<茨城県で栽培されているイチゴの品種>

県内には沢山のいちご狩りスポットやイチゴに関連するイベント開催がありますよ。

(1)「いばらキッス」:平成24年(2012年)に品種登録された茨城生まれのイチ

    ゴ。甘さと酸味のバランスが良く、濃厚でジューシーな味わいが特長です。

(2)「とちおとめ」:栃木生まれの定番品種、ここ茨城県でも最も多く栽培され

    ており、生産されるイチゴの90%近くを占めます。糖度が高く、ほど良く

    酸味がある。

(3)「ひたち姫」:平成20年(2008年)に品種登録された茨城生まれの品種です。

    糖度が高く、特に甘く感じられます。ひと粒でも大満足な食べ応えです。

(4)「バインベリー」:とちおとめの完熟収穫にこだわった、JA常陸のブランド

    イチゴ。つる(バイン)を付けたまま朝採りで収穫した後に素早く冷却し

    ている。

(5)「やよい姫」:平成17年(2005年)に品種登録された群馬県生まれのイチゴ。

    果実はオレンジ色がかった赤色。酸味が控えめで、甘みが強いイチゴです。

 

<茨城県オリジナルのイチゴ「いばらキッス」>

茨城県オリジナルの「いばらキッス」は、果肉がしっかりとした「とちおとめ」

(母親)に、甘くて大きい「レッドパール」と、酸味が少なく柔らかな「章姫」の

掛け合わせ(父親)を交配して誕生しました。開発にあたっては8年という長い歳

月をかけ、様々な交配の組合せから得られた1万種類の株のイチゴを、研究員がひ

とつひとつ色や形、おいしさなどを、全てについて実際に食べながら判定し、選

抜する作業を繰り返しました。


「いばらキッス」の最大の特長は、糖度が高く、酸味とのバランスも良く、食味が

濃厚なところです。さらに、適度な硬さを持ち、ジューシーな食感も特長です。形

はやや長めで、皮は濃い赤色で光沢があります。果肉は赤色です。収量も多く、特

に2Lサイズ(15グラム)以上の大きな果実が多く収穫できます。果実表面は光沢が

強く、濃い赤色で、形状が整っているのも特長です。旬な時期は1月~4月(ピーク

は2月~4月)。収量、食味、形状、輸送性を兼ね備えていることから、栽培してい

る農家が増えています。県内のいちごの摘み取りハウスに入りますと、どこでも

「いばらキッス」を食べることができます。それだけ普及している人気の品種なのです。

 

<実際に食べた食味>

地元のスーパーで入手したものですが、非常に赤色が濃いです。表面の艶が強く、形

はやや楔形の傾向が見られましたが、全体的には円錐に近い。食べると、果肉は歯触

りがしっかりとありながらとてもジューシーです。確かに糖度は高いですが、甘いだ

けでなく酸味も十分感じられ、全体としてバランスがとても良いと感じました。

 

<主な産地と生産量>

「いばらキッス」は茨城県内しか生産されていないようです。現在JA北つくば、JA茨城

旭村、JA水戸などを中心に栽培出荷されていますが、今後その生産量が増えてくると思

われます。地元のいばらキッスブランド研究会では、100個に1~2個しか採れない果形

の美しい30グラム以上の大粒を揃えた「特選いばらきキッス」づくりにも力を入れています。

 

<中村いちご園のみつばち交配>・・・私はこの園での摘み取り体験者です。

イチゴがきれいな大きな実をつけるためには大切な作業があります。それは花が咲いた

ら行う受粉作業です。確実に受粉ができていないと実ができなかったりいびつな形のイ

チゴができたりします。ハウスのなかで栽培しているイチゴには、その自然による受粉

交配はほぼ不可能です。受粉作業を人の代わりにより自然に近い形で行ってくれるのが

ミツバチです。ハウスの中に花から花へみつを吸うためにとびまわることで受粉交配を

行ってくれています。ミツバチは私たちの大切なパートナーです。

 

東京の方は銀座にある茨城県アンテナショップで購入できます。産地直送ならではの新鮮

でツヤツヤと輝く絶品の「いばらキッス」を是非ご賞味ください!

 

    


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