オミクロン株の急激拡大に怯え、大寒の寒さに縮こまるこの時期は、自宅で熱々の鍋料理
をゆったりと味わうのが一番ですかね。今回紹介するのは、まっ白でシャリシャリとみず
みずしい、牛久(うしく)市が誇るブランド大根「牛久河童大根」です。平成15年度園芸
きらり産地コンクールで県知事賞を受賞し、現在は県の青果物銘柄推進産地指定を受けて
います。一般的な大根に比べて色が白くみずみずしいのが特徴で、サラダなどの生食に最
適な大根です。東京のほか、遠く沖縄まで出荷される牛久市の代表的なブランド野菜なの
です。牛久市そして、隣接する龍ケ崎市を統括するJA竜ケ崎大根生産部会の35軒の農家で
栽培しています。
<大根大国日本>
日本は大根大国ってご存知でしたか?日本の大根は何と、世界の生産量、消費量の約9割
を占めているそうです。日本人は根っから大根が大好きなのですね(笑って!)。日本の
大根は統計上、春だいこん・夏だいこん・秋冬だいこんの3つに区分され、全体の7割を秋
冬だいこんが占めます。日本では在来種として100種類以上の大根が確認されていますが、
現在は青首大根が作付面積の98%を占めています。大根は農水省でまとめている主要13野
菜(じゃがいも、だいこん、キャベツ、たまねぎ、白菜、トマト、にんじん、きゅうり、レ
タス、ねぎ、なす、さといも、ピーマン)の中で2番目に生産量が多いのです。又、大根は
葉物野菜に比べて長距離輸送に向いているので、産地がばらけているのも特徴です。生産
量1位の北海道(12.5%)、2位の千葉県(10.9%)、3位青森県(9.4%)の3道県あわせても、国
内生産量の約33%しかありません。茨城県は7位(4.4%)です(2020年)。
<大根の歴史と品種>
大根の起源は定かではないそうですが、その歴史は弥生時代にも遡り、「すずしろ」とい
う名前で春の七草にも入っているように、古くから日本人に親しまれてきました。「大根」
というと、スーパーで見かける上部が緑色の「青首大根」や「白大根」の他に、桜島大根
のように大きく育つもの(世界一大きい大根(世界最大種))、守口大根のように細長く
育つもの(世界最長の大根(世界最長種))、蕎麦の薬味に使用する辛味大根、色もの
根など様々な品種が日本では栽培されています。このように、各地に様々な地大根があり、
それに適した食べ方があります。生活の中に溶け込んだ大根は、おでんをはじめとした煮
物や漬物、おろしてそばや肉の薬味にするほかにも、地域の祭礼や寺のお供え物にも使わ
れますから、大根の食文化のすそ野は広いのです。
<美味しい大根の見分け方>
葉が鮮やかな緑色で、ハリのあるものを選びましょう。また、皮はキメが細かくツヤがあ
り、ひげ根が少ないものを選びましょう。持ってみて重量感のあるものは水分をたくさん
含んでいる新鮮な大根の証拠です。
<大根の豆知識>
1.大根の栄養価と効能
デンプンの消化酵素であるジアスターゼを多く含み、整腸作用があります。また、ビ
タミンCやB2にも富み、美肌効果があります。繊維質のリグニンが多く含まれてお
り、焼き魚の焦げに含まれる発ガン性物質を分解するオキシターゼは、ガン抑制にも
効果があります。焼き魚に大根おろしがつくのはこういうことからです。葉には根に
はないビタミンA・Eが含まれ、ビタミンCは根の5倍多く含まれます。また、食物
繊維などに富み、ガンや骨粗しょう症の予防、貧血の改善などに役立ちます。葉のた
んぱく質にはアミノ酸のリジンも多く含まれています。干した葉を薬湯(湯舟)に入れ
ると体があたたまり、冷え性、肩こりや腰痛の症状が緩和されます。大根には多くの
効能があり、まさに健康野菜の代表選手ですね。
2.「大根」は捨てるところなし!
(1)上部分は、みずみずしさと甘みを活かせる「大根おろし」がオススメ!
葉に近い上部分は、水分が多くみずみずしいのが特徴。他の部位に比べて甘みも
強いので、大根おろしやサラダなど、生で食べるのがオススメです。
(2)中央部は、形が崩れにくいので「煮込み料理」にオススメ!
大根の中央部は、甘さと辛みがちょうどよく、バランスのとれた部位。上部に比
べると少し固く、煮込んでも形が崩れにくいため、おでんやふろふき大根などの
煮込み料理におすすめしたい。
(3)下部分は、辛みと食感を活かせる「漬物」がオススメ!
大根の下部分の特徴は、他の部位に比べて辛みが強いことと、歯ごたえが良いこと。
漬物にすれば、大根の下部分ならではのパリッとした食感を活かすことができる。
ちなみに、大根おろしは葉に近い上部分がオススメと言いましたが、ソバなどの薬
味として使用する場合は辛いほうがよいため、下部分が適しています。
(4)捨てないで、大根の葉は「緑黄色野菜」!
大根の葉は、塩もみして刻んでご飯に混ぜたり(おにぎりにする場合は、水分が出る
のでサッと湯がいたものがおすすめ)、おみそ汁の具にしたりと、いろいろな使い方
があります。生で食べられるので、ごま油と塩であえてシンプルなサラダにしても
よいですね。
3.大根の本当の色は白ではない!
大根の本当の色は白ではなく、無色透明です。大根の表面には無数の小さな穴が開
いていて、その穴の 1 つ 1 つがデコボコしていてここに光が当たると乱反射が起こ
り、人の目に届くまでに白い色として見えています。
4.カイワレ大根は育つと大根になる?
カイワレ大根は、あの立派な大根の芽であることは事実です。だから育てば見慣れ
た大根に変身します。
5.[切り干し大根は栄養の宝庫]なんとカルシウムは大根の20倍。
大根を細切りにして乾燥させたのが「切り干し大根」。乾燥させることで甘みが増し、
カルシウム・カリウム・葉酸・植物繊維が大幅に増えます。
<牛久のマスコット かっぱの「キューちゃん」が目印の「牛久河童大根」>
牛久市は茨城県の南部に位置し、東京から50キロメートル圏内にありながら、牛久沼に面し
た筑波山を臨める風光明媚な地域です。この地の台畑地帯において、JA竜ケ崎大根生産部
会により、「牛久河童大根」が生産されています。大根栽培は「スイカ」(ブランド名:牛
久河童西瓜)の裏作として1986年に始まりました。1992年から「牛久河童大根」のブランド
名で出荷するようになり35年の歴史を有します。2005年には大根では県内で初めて、銘柄推
進産地の指定を受けました。その後、出荷量が需要に追いつかない状態が続いたため、2012
年に共同洗浄選別施設を導入して、出荷調整作業に費やしていた労力を栽培規模の拡大に向
けることにしました。栽培面積は大幅に拡大、多くの人々に愛される、牛久の名産品になり
ました。部会員は「たかが大根、されど大根。でも、このされどが大事なんだ」が合言葉で、
安心・安全は当たり前の時代に、いかに鮮度と品質の良い大根を消費者に提供できるかを常
に部会全体で共有し実践しています。収穫期は10月から霜の降りる前の12月上旬まで続きま
す。収穫の最盛期には、毎日2,500~3,000本の大根を収穫しています。
(美味しい食べ方)
「牛久河童大根」は、生で食感がよく、煮ても味のしみ込みが早いのが特徴です。そのため、
料理時間も短縮できて主婦には有りがたい逸品です。サラダで美味しいものは、おでん種と
しても最高で、つゆがしっかりしみ込んだ大根は何よりのごちそうです。今夜は熱々おでん
で、「牛久河童大根」を是非味わってみてください。
牛久河童大根は甘くやわらかいから、スッテックにして、マヨネ-ズ、味噌で食べると甘
い~、これ大根とは思えないフル-ツのようです。
真っ白でシャリシャリと瑞々しく、牛久のマスコット「かっぱの「キューちゃん」」が目
印の「牛久河童大根」を是非ご賞味あれ!