ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

言葉のクリ拾い

2014-09-29 08:13:31 | 日記




秋。いつもの散歩途中にある栗林の前に佇む夫婦。
栗の木を見上げながら、話が弾んでいる様子です。

夫:緑色のイガイガがパックリと割れて、クリクリ坊主がヒョッコリと顔を出してるよ。
妻:ホントだ!可愛いね。

  緑のイガイガ パックリ割れて
  中からヒョッコリ クリクリ坊主

  イガの衣(ころも)を 脱いだ途端
  いきなり開けた 明るい世界
  
  冷たい空気が 頬なでて
  ビックリ シャックリ 止まらない

  おまけに ハッ ハッ ハクション
  大きなクシャミ 
  イガごと ポッタリ落っこちた

夫:フ~ン、即興の言葉遊びだね。
妻:・・・ックリとか・・・ッキリとかっていう言葉は結構あるよね。
夫:そうだね。歩きながら「言葉のクリ拾い」で遊んでみようか。
妻:いいわね。まずはクリ。ザックリ・ギックリ・ゴックリ・ソックリ・ガックリ。
夫:ユックリ、シックリ、信州の田舎料理にオヒョックリというのがあったと思うな。
妻:次はキリ。
夫:クッキリ・ドッキリ・カッキリ・スッキリ・テッキリ・メッキリ。結構あるね。
妻:ポッキリにシャッキリ。短い言葉で状況をストレートに表わせるから便利だわ。
夫:♪ コレッキリ、コレッキリ、これっきり~ですか~ ♪
妻:他にもグッタリ、ベッタリの「ッタリ」や、デッパリ、サッパリの「ッパリ」なんかも
  あるわね。
夫:そうだ!秋の夜長に言葉拾いをしてみるのも悪くないな。
妻:今夜はお月様を眺めながら、言葉遊びを楽しんでみましょうか。
夫:ヤッパリ、お茶と団子がなくっちゃね。シッカリ準備しといてね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「空気」を知ろう!

2014-09-22 09:17:59 | 日記



地球の空気は窒素が約78%、酸素が約21%。これだけで99%を構成し、残りの1%
のうちアルゴンが0.9%、二酸化炭素が0.03%です。この他にはネオン・一酸化炭素・
オゾン等がほんのわずかずつ含まれています。
今回はこの空気について考えてみました。

1.現在の空気の組成はどのようにして決まったのか?

地球が誕生した約46億年前の大気は現在とはかなり異なったもので、水蒸気、二酸化
炭素、窒素などが主成分でした。水蒸気は地球が冷えてくるにつれて水になり、海をつ
くりました。二酸化炭素は水と反応して石灰岩になりました。その結果、今の大気の主
成分である窒素が大量に地表に残ったのです。
酸素が現れたのは約20億年前です。地球上に誕生した生命体の中に、太陽の光を受
けて二酸化炭素を酸素に変える働きをするモノが生まれました。植物です。
酸素を生み出した植物の存在が現在の空気の組成を作り上げたのです。

2.空気はどうして地上に留まっていられるのか?

太陽や地球が勝手に飛散せずに均衡を保って、秩序ある宇宙を構成していられるの
は、ヒッグス粒子の存在によるものです。このヒッグス粒子は光以外の全てのものに
質量(重さ)を与えました。空気を構成する窒素や酸素などの全ての気体も質量を持
ちました。
そして質量があることによって、地球の引力の影響を受け、空気は地球から離れず
にいられるのです。更に、空気層を覆うオゾン層によるフタ効果も寄与しています。
これらのどれが欠けても空気は宇宙に飛散してしまいます。

3.空気組成が変化するとどうなるの?

(1)まず、地球上の生物が必要とする酸素(現在は空気の約21%)が減るとどうなる
   のか、人間を例にとって説明します。

    ・18%では いわゆる酸欠の状態
    ・16%では 脈拍/呼吸数増加、集中力の低下、頭痛、耳鳴り
    ・12%では 立っていられない、めまい
    ・10%では 意識不明、嘔吐(おうと)
    ・8%では 昏睡(こんすい)状態
    ・6%なら 瞬時に失神、呼吸停止

     ちなみに、15%を下回るとろうそくの炎が消えます。

    逆に増えたらどうなるか? 病気やけがの治療、美容をうたった「酸素カプセル」
    が存在するぐらいだから健康に良さそうに思えますが、空気中の酸素が50%以
    上の環境で長時間過ごすと肺や気道に障害が起きるといいます。
    医療用に用いる場合でも、100%なら6時間以内、80%では12時間以内が安全
    だというデータもありますから、多くても少なくても健康を害してしまうということで
    す。

(2)たった0.03%しかない二酸化炭素が地球温暖化対策で論じられる理由

    温室効果をもたらすガスには二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロンなどがあ
    ります。その中で地球温暖化への影響力が一番大きいのは約60%という最大の
    構成比をもつ二酸化炭素です。ですから、二酸化炭素の排出量をコントロールす
    ることがとても重要なのです。

4.オゾン層はなぜ落ちてこないのか?

   オゾン層とは成層圏の上部で地表から上昇してきた酸素と太陽からの紫外線
   (240nm以下)によって作られたオゾンの密度が高い層のことです。オゾンは酸素
   より重いので地球の引力に引かれて落下しますが、落下途中で波長の異なる紫
   外線(320nm以下)によって分解されて酸素に戻ります。
   オゾン層ではオゾンがたくさん存在していると同時に、オゾンは常に生成・分解し
   ています。
   このため、成層圏にあるオゾンは酸素より重くても、地表には落ちてこないのです。

5.空気にはどうして色がないのか?

   人間が色を認識する方法は二つです。一つは太陽光などの光源が直接目の網膜
   に刺激を与えて色を認識する場合。もう一つは、物体に当たった光源のうち、物体
   に吸収されずに、跳ね返ってきた反射光が、網膜に刺激を与えた場合です。
   どちらにしても、人間の網膜が色として認識できるのは380nm(紫)~780nm
   (赤)の波長が網膜を刺激した時だけです。現在の空気を構成している気体は、こ
   の波長幅の中では電磁波を出しません。
   このために、私たちの目には色がないと映るのです。

<まとめ>

 酸素が後から作られたように、空気中の気体の種類や比率は変化しながら、今日の
 組成比になりました。今、地上に生きているものは現在の空気環境下で命を営んでい
 ます。
 恐竜の絶滅要因として、巨大隕石の衝突が挙げられていますが、もしかすると、同時
 に空気中の気体の組成比が一時的に変化したことが影響したのかもしれません。
 地球の誕生以降、生き物は常に地球の空気環境に合わせて体を進化させてきまし
 た。
 しかし今は、地球環境が変化するスピードが早く、体をそれに合わせて進化できる時
 代ではなくなりました。何とか現在の環境を維持するしか生き延びるすべはありませ
 ん。
 ある報告では1年に4ppmの酸素が減少しているので、このまま減り続けると7,500
 年後にはいわゆる「酸欠」状態になると警告しています。

 日常はその存在を意識することがほとんどありませんが、大切な、大切な空気です。
 できるだけ汚さないように心がけようと思います。

 ※ ヒッグス粒子・私の理解度  (当ブログの2013年11月3日記事参照)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

敬老の日 妻からのプレゼント

2014-09-15 08:39:45 | 日記




妻:オハヨ~、また「敬老の日」がやってきたわね。

夫:歳をとるにつれて、一年があっという間に過ぎて行くように感じるよ。
  アレッ、去年も同じことを言ったかな?

妻:ウン、言った、言った。ハイ、今年のプレゼントはこれよ。

夫:ワ~、ボディーバッグじゃないか!若者の間で流行っているよね。
  このあいだから、ミシンで何かを作っていると思ったら、僕へのプレゼントだったの
   か。嬉しいな。

妻:去年はまだお勤めをしていたから、A4版の書類が入るようにと、大きめのショルダー
  バッグを作ってプレゼントしたけど、リタイヤしてからは、お散歩が日課になった
  でしよ。だから、小さめのボディーバッグが便利かな?と思ったのよ。

夫:どれどれ、こういうふうに肩から斜め掛けにするんだよね。

妻:そうそう、なかなかイイじゃないの。歳をとるとつまずきやすいでしょ。
  転びそうになった時のために、両手が自由に使えるようにしておくのが一番よ。

夫:ハイハイ、転ぶ時のことまで配慮してくれて、アリガトウ。
  布製のバッグは軽いし、体にフィットするからいいよね。
  ネエ、これって昔の人が旅に出かけるときに、荷物を風呂敷でくるんで背負った格好
  に似ていないかい?

妻:そう言われれば、確かにそうだわ。「旅人さん、どちらまで?」なんちゃってね。
  掛け心地はいかが?

夫:大きさも色も、形もベリー・グッドだよ。早速、今日の散歩から使ってもいいかい?

妻:モチロン、いいわよ。両手をしっかり前後に振って歩けば、自然に歩幅が広く
  なるし、見た目も軽快になるわね、きっと。かなり遠くまで歩いて行けるかもしれな
  いわ。

夫:そうだね。今日は一万歩コースを目指そうか。

妻:そろそろ彼岸花が咲く頃だから、ちょっと遠出をしましょうよ。

夫:それがいいな。昼ごはんを食べたら、すぐに出かけようね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 恋するサギ草

2014-09-08 08:05:59 | 日記


夜ごと 見つめているうちに 月を恋したサギ草は
もっと お空に近づいて 胸の想いを伝えたい
だけど 動けぬサギ草は 虚しく夜空を 見上げるばかり

ある日の夕べ 激しい雨で あたり一面 水浸し
今夜は月に会えないと 意気消沈のサギ草は
地面にできた水たまり 虚ろな心で 見つめてた

ところが深夜に 雲が切れ 足もとに月が現れた
こんな近くに 恋しい月が
早く 告白したいのに

胸は高鳴り 体は震え なかなか言葉が出てこない
モジモジ 恥じらう そのうちに
風に吹かれたサギ草の 影が揺らめき 月にキス

もう それだけで十分と 
満足しながら 見上げた空に
月が もひとつ 浮かんでた
いつものように 高い場所

恋しい月が ふたつもあって
ちょっと 戸惑う サギ草は
首をかしげた そのあとで 
弾んだように うなずいた

足もとの月は 分身ね
私の想いに 気付いた月が 
オシャレな仕掛けをしたのだわ

私も いつか この翼 
精一杯に 羽ばたかせ 
あなたのお傍に 飛んで行く
夢でもいいから 飛んで行く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

六人の僧 お江戸でござるか? その2

2014-09-01 08:18:26 | 日記




カミナリの衝撃で、二十一世紀の映画ロケ施設「ワープステーション江戸」に忽然と現れ
た六人の僧。たまたま見学に来ていた子供たちとの会話から、時間と空間を飛び越えて
しまったらしいことに気付き始めましたが、今少し、状況が飲み込めていない様子です。

子供B : 元の時代に戻るには、お坊さんたちがこの施設の中で最初に居たと思う地点
      に立って、考えてみるのが一番いいんじゃないかと僕は思うよ。
子供A : 原点に戻るんだ。ドラマの「仁」でも、そうだったよね。
一の僧 : そういうものなのか?物知りな子供たちだな。
三の僧 : その前に、見慣れた長屋がすぐそこにあるから、ちょっと寄ってみましょう。
五の僧 : オ~、このドブ板。井戸も厠あるぞ。だけど、家の中には布団も茶碗もなくて、
       生活の匂いが全くしないな。コロリ(コレラ)でも流行って、逃げ出したのか
       な?
六の僧 : それはないと思うぞ。この子たちはみんなピンピンしているではないか。

自分たちが居る所は、本物の江戸ではなさそうだし、子供たちの話す内容も理解し難い
ので、六人の僧たちはすっかり混乱しています。長屋の井戸の前に集まって今後のこと
を話し合うことにしました。すると突然、そこへ数名の大人が駆け寄ってきたのです。

見学者A : お坊さんだ!今日は撮影が無いと、受付で言われたけど、リハーサルです
        か?
見学者B : 見事に本物っぽく扮装していますね。写真を一緒にお願いします。
一の僧 : オイオイ、袖を引っ張るなよ。強引な人たちだ。みんな笑顔だし危険は感じな
       いが、そんなに坊さんが珍しいのかな?それに「写真」って何だ?
見学者C : 10秒間、動かないでくださいよ。セルフタイマーですからね。
二の僧 : 無神経に体をぴったりと寄せてくるとは、いささか失礼ではないか。
三の僧 : 悪い人たちではなさそうなので、黙って付き合ってあげましょう。
見学者A : ハイッ、チーズ!どうもありがとうございました。
見学者B : 遠くから見学に来たのに、ガランとしたロケセットだけでは物足りないと思っ
        たけど、皆さんのお蔭で良い記念写真が撮れましたよ。ありがとうござい
        ます。

大人の見学者たちは「よかったな~」と言いながら立ち去りました。そして、子供たちも帰
宅する時間が迫り、お坊さんたちのことを案じながら、親御さんの待つ場所に行ってしま
いました。子供たちを見送ったあと、改めて善後策を相談し始めた六人の僧は、子供た
ちの言葉に従って、原点だと思われる日本橋のたもとへやって来ました。

四の僧 : ここの人たちは皆、健康で幸せそうだから、ワシらの出る幕はなさそうだな。
三の僧 : 確かにそのようです。我々を必要としている村人たちの住む所に戻りましょう。
一の僧 : どうやって戻るかが問題なのじゃが、ワシはあることを思い出したぞ。

一の僧は、先輩の僧から聞いた話を詳細に語りました。その先輩僧は山奥で修行中、
天狗に出会ったのです。その天狗は何かのはずみで突然、別の世界へ移動してしまっ
たのですが、動物の子供たちに助けられて、無事に元の世界に戻ることができたとい
う話でした。

一の僧 : ワシはこの話が眉唾モノじゃと思うておったが、今、我らに起きていること
        を考えると、本当にそういうことが有り得るようじゃな。
六の僧 : 今の話では、動物たちが持っていた石に太陽の光が当たり、その反射光を
       浴びた祠が急にガタガタと動き出して、出入り口がぽっかり開いたので、
       そこから天狗は生還できたのじゃな。このあたりにも出入り口があるかもし
       れぬ。探してみよう!
二の僧 : ちょっと待て。気になっている場所があるのだ。先程行った城の堀に紫色の
       花が群生した一角があったのを覚えておるか?花が咲いていたのはあそ
       こだけだったし、花の数といい、美しさといい、何故か気にかかる。
       深い霧の中で知らぬ間に移動して、たまたま景色が見え始めたのが、こ
       の橋のたもとだったのかもしれぬぞ。もしかしたら原点はあの花の辺りだっ
       たかもしれぬ。行ってみようではないか?
三の僧 : あの廻船問屋の前に舟がつないである。あれに乗って行ってみましょう。
四の僧 : 6人が共に乗れるかどうか心配だが、皆がバラバラにならぬほうが良いな。

僧たちは6人で一緒に舟に乗り、紫色の花が群生している所にやって来ました。しかし、
出入り口らしいものは見つかりません。そこで、僧たちはこれまでの修行の成果を発揮
する時だとばかり、一心不乱に読経を始めました。しばらくすると紫色の美しい花たちが
一斉に舟の周りに集まってきて、芳香を放ち始めたではありませんか。その香りが最高
潮に達した時、六人の僧の姿は少しずつ、少しずつ薄くなり、やがて見えなくなりました。

施設職員 : さ~、今日も閉館時間になったぞ。お客さんは残っていないかな?
        あれ!なぜ、ホテイアオイの群落の中に舟があるんだ?この舟は今朝、
        僕が廻船問屋の前にしっかりとつないでおいたはずなんだけど。
        一体、誰が動かしたんだろう?

さて、六人の僧はいつの間にやら、再び強い雨と雷鳴の真っただ中にいました。

一の僧 : 大変な雷雨じゃ。こりゃ、なんとか急いで雨宿りする場所を探さんといかんな。
二の僧 : 先程の芳しい花と舟は一体どこへ消えたのじゃ?
三の僧 : どうやら、我々は元の世界に戻ることができたようですね。ヤレヤレ。
四の僧 : 何とも摩訶不思議な体験をしたものだ。
五の僧 : 我々は世間の人々よりも知恵があるとばかり思い込んでいたが、思い上がっ
       ておった。まだまだ知らぬ事が沢山あることを、あの子供たちに教えられま
       したな。
六の僧 : ホンに、ワシらも修行が足らぬということじゃ。もっと精進せねばならぬのう。
一の僧 : あの子たちは大切なことを気付かせてくれた恩人ですな。ありがたいことじゃ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする