ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:常磐ものの「さわら」は隠れた逸品、是非ご賞味あれ!

2022-04-25 11:23:11 | 日記

魚へんに春で「鰆(さわら)」。サバ科の回遊魚で、日本では1年を通して北海道南部

から沖縄の広い範囲で捕獲できますが、近年は日本海側で特に多く捕獲されています。

1m越えも多い大型魚ですが、ほっそり長い姿に柔らかな身が詰まっています。俳諧

では春の季語。ですから旬は春と思いきや、脂が乗った美味しさの旬は冬場なのです。

標識調査によりますと、日本列島沿岸のさわらは2つの回遊ルート群に分かれます。

1つ目のルートは東シナ海で5,6月ごろに孵化し成長します。ここで9 月頃までに 40

cm 程度に成長したさわらは、秋になって日本海に来遊し、翌々年の春まで滞在しま

す。ここで越冬した一部の群れは、1~3月頃、たっぷりと餌を食べて、脂を蓄えた姿

で津軽海峡を迂回して、茨城県沖まで南下してきます。茨城県ではこのさわらを捕獲

しています。日本海内に残ったさわら群はそのまま日本海内を回遊して、産卵の時期

になると東シナ海に戻っていきます。2つ目のルートは、東シナ海で孵化した稚魚が、

広い太平洋を回遊して成長し、4月、5月の春になると瀬戸内海に入ってきて産卵する

群れです。産卵は5月~6月で、生まれた稚魚は11月頃まで瀬戸内海で成長し、その後、

外海に出て東シナ海へ戻って成長して、翌春、再び瀬戸内海に帰ってきます。1990年

代までの日本のさわら漁といえばこの瀬戸内ルートだけでした。ですから、日本海側

ではほとんどさわらの漁獲はありませんでしたが、2000年になると、大きな変化が起

き、魚群の主流は日本海側に移りました。要因は瀬戸内海での乱獲とか日本海の海温

上昇などが考えられますがはっきりしていません。瀬戸内での捕獲は一時、最盛期の

1/10以下と大きく激減しましたが、近年は捕獲管理と稚魚放流の効果が出て回復の兆

しが顕著です。それでも現在のさわらの漁獲量は日本海側の漁獲量にはとても及びま

せん。冬の時期に漁獲されるさわらはどの地域でも「寒ざわら」と呼ばれますが、特

に茨城県沖で漁獲されるさわらは、ブランド名で「常磐ものの寒ざわら」と呼ばれ、

市場での評価が高く、高値で取引される隠れた逸品です。今回はこの春を告げる

「常磐もののさわら」の紹介です。尚、さわらの寿命は6年ほどだそうです。

 

<「さわら」の漁獲量ランキング>

2019年のさわらの全国漁獲量は15,924t。トップは福井県の1,815t(11.4%)、2位京都府

(10.2%)、3位石川県(7.0%の)で全て日本海側、瀬戸内側のトップの兵庫県はやっ

と10位(3.4%)です。そして、茨城県は更に少なく38位(5t)でした。茨城沖まで南下して

くるルートのさわらは多くはないのです。そして、太平洋側で回遊していたさわらが、

茨城県沖まで北上してくる数も多くはないのでしょうね。

 

<さわらの豆知識>

1.栄養素の豊富なさわら:タンパク質が豊富で、脂質も多からず少なからず適度

  にあります。良質なタンパク質には体力向上、疲労回復、代謝活動の促進、免

  疫力を向上させる働きがあります。脂質には高血圧を予防したり、LDL(悪

  玉)コレステロールを低下させるオレイン酸が100gあたり2300mg含まれます。

  また、血液サラサラ、抗血栓作用、認知症の予防改善効果があるオメガ3系の

  EPA、DHAもしっかり含まれます。カリウムの含有量が多いのも特徴です。

  カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるの

  で、高血圧の予防改善に役立ちます。サワラの身は柔らかく、消化もいいので

  子どもや高齢者にもお勧めです。
2.調理のポイント:水分が多く、やわらかなので、塩をふってしばらくおいた

   り、しょうゆや味噌に漬けてから焼くと、身がしまって焼きやすくなりま

   す。新鮮なさわらは刺身にできますが、寄生虫がいることがあるので、要

   注意です。塩焼き、照り焼き、オイル焼き、蒸しもの、ムニエル、フライ

   などの料理に適しています。身割れしやすいので扱いに注意して下さい。

3.さわらは出世魚:サワラはかなりのスピード出世。 極めて小さな卵から仔魚

   は孵化し、当初は4mmほどの小さな体ですが、生後4日目くらいには大き

   く裂けた口に鋭い歯が生えてきて、他の魚の仔魚や甲殻類などを旺盛に食

   していきます。 生後1ケ月で5cm、そこから更にスピードが増し、生後1カ

   月半では10㎝を越えてきます。 そして1年後には50cm、2年で70cm、3年

   で80cmと、イワシやイカナゴなどの小魚を食べながら猛烈なスピードで大

   きくなっていきます。大きくなるにつれて、サゴシ→ヤナギ→サワラと呼び

   名が変わっていきます。

4.地域で違う旬:岡山県では産卵時期を迎えた4月~5月に、瀬戸内海へ群れを成し

   て入ってくるため、春が旬となっていますが、関東では秋以降の「寒ざわら」

   が獲れる冬が旬とされています。

5.鰆の言われ:1990年ごろまでのさわらは春を迎えると岡山県当りの瀬戸内海に

   産卵のために外海から群をなして泳いできました。魚群が動く島のように見

   えた時期もありました。待ちかまえていた漁師が大漁に沸く。こうして春を

   告げる魚として「鰆」の字が生まれたそうです。

 

<さわらの美味しい食べ方>

 さわらの身は白く見えますが、マグロと同じ赤身です。身は柔らかく、生で食べ

 ればもっちり、サッと火を通せばふっくらとした食感を楽しめます。身の間の小

 骨もなく、青魚特有の臭みもないため、魚が苦手な人でも食べられます。

 

(1)王道の西京焼き:西京味噌は一般的な味噌よりも塩分が低いため、鰆本来の

    味を邪魔せずに美味しく食べられます。さわらを味噌に1晩つけておけば、

    あとは焼くだけで調理工程も少なく非常にかんたんです。焼けた味噌の香

    ばしさと甘味、そこへ加わったさわらのうまみ。ご飯をペロリと食べられ

    ますし、お酒のつまみにもってこいの一皿です。

(2)もっちり食感のお刺身:さわらのお刺身は、「刺身の王様」と呼ばれるほど

    の絶品です。関東では、あまりさわらを生で食べる習慣はありませんが、

    名産地の岡山では漁師めしとして、刺身やたたきが食べられてきました。

    さわらのお刺身はマグロの中とろに匹敵します。新鮮なさわらでしか味わ

    えませんが、鮮度がよいものが手に入ったら迷わず食べてもらいたい逸品

    です。しっかり血抜きして温度管理したさわらは1週間たっても美味しい

    ので比較的日持ちのする魚なのです。2週間はお刺し身で食べられる程の

    鮮度が落ちにくい魚です。(しっかり処理と管理した場合のみ)

(3)ふっくら白身の塩焼き:料理に使う調味料は塩、そしてさわらだけというシ

    ンプルさですが、さわらの本当の美味しさが味わえます。鮭やサバのよう

    に身の間に小骨がないため、柔らかでふっくらとした身を大口で食べられ

    るのがさわらの魅力。塩を軽めに焼き上げれば、後から味を変えて、大根

    おろしや醤油をかけても美味しく食べられます。焼く前にグリルを空焼き

    し油を塗っておけば、皮が網に張り付いて身がボロボロにすることなく、

    きれいに焼き上げられます。特に脂がのっている寒鰆は、身崩れしやすい

    ので要注意です。

 その他、照り焼き、天ぷら、ムニエルも王道の食べ方です。

 

<さわら漁について>

1.流しさし網漁業: 近世はじめから続く伝統漁法です。高さ25m、幅800mの長さ

   のカーテン状の網を海中に仕掛け、勢いよく泳いできたサワラが刺さって獲れ

   る仕組みです。その時に体に首輪のような1本の線が入り、これが流しさし網

   で漁獲された証となります。 

2.つり漁・ひき縄漁: 一本釣りのほか、疑似餌を付けた縄を流すひき縄もつり漁業

   の一種です。漁獲する魚の量は少ないですが、漁獲物を一尾ずつ丁寧に扱うの

   で高値で取引されます。

3.禁漁期間:日本海側、瀬戸内海側の流しさし網漁、ひき縄漁は共に禁漁期間の設

   定、漁具規制を行い、瀬戸内では更に稚魚の放流で漁獲量の管理をしています。

 

<茨城県のさわら漁の特徴>

茨城沖ではひき縄漁と定置さし網魚で捕獲されていますが、高値で取引されるひき縄漁

が中心です。ひき縄漁とは漁船の左右から出した大きな竿の先端と中間から仕掛けの釣

り糸を流してゆっくりと船を進ませながら、かかる「さわら」を釣り上げる漁法です。

天候や気温、時期、時間などなど様々な条件から、長年の経験を駆使して、仕掛けや餌、

流す(引く)水深などを選びます。

1.ひき縄漁

(1) 釣れる時間:操業は、夜明けに漁場に着くように出港し、昼過ぎまでです。

    漁場に到着すると、魚の遊泳水深を意識しながら、竿を両舷から一本づつ出し、

    通常、4~4.5ノットで曳く。魚が掛かると、竿がしなりさらにゴムチュー

    ブが伸びる。魚が掛かった幹糸を船尾中央の「縄釣機」を使って巻き揚げ、

    その間、もう一方の漁具に魚が掛かった場合、そちらは手でたぐり寄せます。

(2)餌:餌は、生餌あるいは擬餌針を使用します。生餌は、鮮度のいい全長

       30cm程度のサンマの魚体内に、ステンレスの針金20番を連結した釣針を

    2本又は1本装着し、頭部をステンレスの針金26番でしばり、それを冷凍

    する。釣針は、ステンレス製ひき縄針20号及び17号である。擬餌針は、

    弓角9~11cmを使用します。

(3)処理:船内のイケスで生かすことができない魚なので釣ったら即、絞めて血抜

    き、そして氷しめです。ずーっと水の中に入れておくと曲がって死後硬直し

    たりするので、30分程氷水で冷やしたら箱に並べてパーチをして氷でとめて

    おきます。そうする事でまっすぐにしっかり固まった綺麗なサワラになり値

    段があがります。曲がったサワラを伸ばしたりした物はさばいた時に身割れ

    するのでよくありません。サワラの良さ=まっすぐ堅く硬直している事です。

(4)鮮度管理:ひき縄で釣ったさわらは、タモ網を使わず、ギャフを使って取り込

    み、魚体には絶対に触りません。船の上で血抜きをする際、スポンジマット

    の上においてサワラに傷がつかないように注意し、海水氷で冷やし込みをす

    る。魚を箱詰めしたりする際にも、尻尾を片手でぶらさげるように持ったり

    することはせず、両手で丁寧に扱い、傷物や、前日の魚には、サワランジャ

    ーシールは貼らないという徹底ぶり。小さなサワラが釣れた場合は、もちろ

    ん触らずにリリースします。

2.定置さし網漁

定置さし網は沿岸域にサワラを誘導する網と迷い込んだサワラが入る箱状の網で主に

構成され、回遊してきたサワラを漁獲します。漁獲したサワラは、鮮度を保つため船

の上で直ちに絞めたり、海水の氷に入れて冷却するなどしています。

 

<美味しい「さわら」が食べられるお店>

1.はまや鮮魚店:日立市大みか町。茨城近海の鮮魚専門店です。創業は昭和25年。

   今では希少となっている「昔ながらの近所のお魚屋さん」です。こちらの名物

   となっているのが、お魚屋さんのお魚ランチ。店内を抜けた奥間と2階のお座

   敷でランチを頂けます。

2.魚いちず:水戸市。ワンコインで定食が食べられる、セルフサービスの海鮮料理

   店として知られています。 600円で食べられるマグロとさわらの定食は価格で

   想像される量を超えるボリュームで、 那珂湊の市場以上に価値あり!と口コミ

   されています。

3.魚よし本店:地元の龍ケ崎市のお店。常磐線龍ケ崎市駅から5分ほどのところにあ

   ります。居酒屋なのですが、定食もあります。ボリュウーム満点のお店です。

 

1体1体、丁寧に取り扱う「常磐もののさわら」を是非ご賞味あれ!

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茨城味自慢:日本一の生産地、露地物エシャレットは春が旬

2022-04-14 08:07:12 | 日記

エシャレットは静岡県西部地区で昭和 30 年ごろに漬物用に栽培していたラッキョウ

を生食 用として早採りのラッキョウ栽培に挑戦したことが起源です。当初「根ラッ

キョウ」の名で市場に出しましたが広まらず、イメージアップを図るために、フラン

スの 野菜「エシャロット」に似ていることから「エシャレット」と名付けたところ、

これが料理関係者などに注目されて広まりました。ですからエシャレットとは品種

名ではなく、早採りラッキョウの商品名で日本生まれの名称です。早採りでやわら

かいので上部まで食べられますし、ラッキョウと比べてクセも辛みも少ないので、

生のまま味噌やマヨネーズを付けて食べる定番以外にも、天ぷらや炒め物などにし

てもおいしいです。茨城県のエシャレット栽培は後発組です。それでも、まだ全国

で馴染みのなかった昭和の終わりごろから栽培が始まりました。現在では収穫量の

日本一は茨城県(76.4%)で断トツの1位、2位は発祥の地、静岡県(21,2%)で合

わせて2県だけで約98%を占めています。県内では霞ヶ浦と北浦に挟まれた行方台

地が栽培の中心地で、県の銘柄産地指定を受けています。現在、エシャレットのハ

ウス栽培ものは、通年で安定して出荷され市場に出回っています。露地栽培ものは

2月頃から5月頃までは葉が青く柔らかいので、葉も食べられますが、夏に入ると

葉が衰え、枯れ始めるので、最も美味しい旬の時期はやはり春、3月~5月頃まで

といわれています。今回は茨城県の露地栽培のエシャレットを紹介します。

 

<後発組がエシャット生産量、日本一となった背景>

日本にラッキョウが中国から伝わったのが平安時代、最初は薬用として使われてい

たそうです。今のように野菜として食べられるようになったのは江戸時代に入って

からのことです。とても丈夫な野菜で、砂丘や開墾地など、痩せた土地でも栽培で

きるのが特徴。エシャレット発祥の地は、静岡県浜松市にある日本三大砂丘のひと

つ中田島砂丘がある浜松遠州灘です。ラッキョウは丈夫で手間いらずの野菜ですか

ら、こうした水はけの良さしか利点のない土壌でも栽培の適地でした。この場所で、

ラッキョウの早採りの着想が生まれ、そして栽培が始まったのです。後発組の茨城

県では行方地区・玉造地区の赤土台地で栽培しています。この地区の赤土は適度に

栄養があり水はけが良くエシャレット栽培に向いていました。結局、如何に丈夫な

野菜といっても、砂地と赤土では生産量に差が出るのでしょうね。現在は後発組の

茨城県が断トツの日本一の生産地となっています。

 

<エシャレットの豆知識>

1.エシャレットとエシャロットの違い

     エシャレットとエシャロットは名前が似ていてややこしいのでよく間違えら

    れますが、見た目がまったく違います。エシャロットは小型のタマネギで

    す。フランス料理には欠かせない素材ですが全て輸入ものです。紫たまねぎ

    の超小型版のような見た目で、強い刺激臭を持っています。名前が似ている

    だけでラッキョウではありません。(写真参照)

2.エシャレットと島ラッキョウの違い

    エシャレットと姿、形がよく似ているのが沖縄の「島ラッキョウ」です。見

    た目が良く似ていて、なにが違うの?とよく混同されがちなこの二つです

    が、もちろん、全く別ものです。島ラッキョウは一般的なラッキョウよりも

    辛みが強く小ぶりな沖縄県の伝統野菜です。対してエシャレットは早採りを

    したラッキョウなので、辛みが控えめです。見た目は似ていますが、味は

    まったく異なります。(写真参照)

3.エシャレットの「ちょんまげ結い」

    行方ではエシャレットを4月~7月にかけて1年分を収穫します。その内、4月

    ~5月に収穫したエシャレットは、本葉と呼ばれる本物の葉の付いたものを出

    荷します。その時期のものは、葉から根まで全部食べられます。葉も甘くて

    美味しいのです。この春収穫エシャレットは 7 ~8 本を束ね、葉を独特な縛り

    方「ちょんまげ結い」にして出荷されます。春以降は冷蔵庫で保存するため葉

    を切り落とします。ちょんまげ結いはエシャレットの白色がより綺麗に見える

    ように考えた装飾結いなのです。ひと手間かけた出荷の演出は発祥の地、静岡

    からの伝統を引き継いだものです。生産者の「売る為の工夫」が見える工程で

    すね。尚、貯蔵品もわざわざ麦の葉(本葉の代わり)を添え葉にして手間をか

    けて出荷しています。「島田結い」と呼ぶところもあります。

4.栄養価と効能

    結論として、①免疫力アップ ②血液サラサラ効果 ③便秘の改善 ④疲

    労回復が期待できるとても優れた野菜です。。

 

  (1)水溶性食物繊維が野菜類の中でトップクラス;水溶性食物繊維は胆汁酸

      を包み込んで、腸内で胆汁酸が吸収されないように防ぎ、大腸の働き

      を活発化させて、ほどよく水分を含んだ便を形成してくれます。その

      ため、便秘の改善や予防に効果的です。

(2)アリシンが豊富:エシャレットの辛味の香り成分。高い殺菌効果があ

    り、特にO-157に効果絶大で、夏場の食中毒を防いでくれる。又、糖

    質代謝に必要なビタミンB1の吸収も助けるので、肉類、大豆製品、卵

    などと一緒にとるのがおススめ。血液サラサラ効果も報告されている。

(3)カリウムも多い:体内の余分なナトリウム(塩分)とくっつき、尿と一緒

    に体外に排出してくれる働きがあります。これによって、体内の塩分

    量を調節してくれるのです。

(4)硫化アリルを含む:抗酸化作用や抗がん作用があるにんにくやねぎ類の

    ツンとする香り成分です。抗菌作用も持ち体内に入った細菌の駆除効

    果だけではなく、血中のコレステロールの低下や肝臓の解毒補助を担

    う栄養素です。

(5)その他:カリウムやビタミンCも多く含みます。

 

5.生だとちょっと辛いと感じる方は

  生だとやはり少し辛いと感じる方、その場合はオリーブオイルでさっと他の

  野菜と一緒に炒めると良いです。さっと火を通すだけでも甘味が出て、食感

  も残っていますので美味しいです。もう少し加熱するとトロッとした食感と

  甘みが出てきますので、てんぷらやギョウザに入れたりもできます。

 

<おすすめの食べ方と保存方法>

さわやかな辛みが、脳内を刺激し、まさに暑い時季のための野菜だと納得する味。

とはいえ、味噌をつけてそのままぽりぽりとかじるのが定番で、食べ方のバリエ

ーションが多くないと思われがちなのが残念なところです。でもひと手間加える

と違う食感が味わえます。

 

1.おすすめの食べ方:

①定番は生で味噌をつけて食べたり、細かく切って薬味のような使い方です。辛

  味が気になる方は塩もみした後にさっと水で洗うか、炒めて食べてください。

②天ぷら:カラリと揚げた天ぷらは、エシャレットの香りと食感を味わうのに

  ぴったり!余計な味が入らないことで、エシャレット本来のおいしさが引き

  出されます。何本でも食べられちゃいます。おススメです!

③エシャレット入り卵チャーハン:ねぎの代わりにエシャレットを使ったチャー

  ハン。エシャレットの味と食感がよいアクセントになっています。

  いつものチャーハンに飽きたときに、ぜひ作ってみてください。

④エシャレットのベーコン揚げ:まるでフライドチキン?ユーモアたっぷりの

  見た目もかわいいエシャレットのベーコン揚げ。ベーコンの旨みとエシャ

  レットの辛みが相まって最高なんです!おもてなし料理にもぴったりです。

⑤エシャレットの和風バター醤油パスタ:にんにく香る、エシャレットの和風

  パスタ。エシャレットを斜めに切ることで形が崩れず、より食感を楽しめ

  ます。コク旨のバター醤油にエシャレットのさわやかさをプラスした、一

  味違ったパスタです。

➅エシャレットのお手軽チヂミ:フライパンで簡単!お手軽チヂミ。エシャ

  レットをチヂミの具にすることで辛みが和らぎ、苦手な方でもおいしく食

  べられちゃうレシピです。


  尚、生で食べる場合には水道水で表面の汚れなどを洗い流してください。

2、保存方法:冷蔵庫の野菜室で保存し、早めに食してください。

 

<エシャレットの栽培>

エシャレットの栽培は土壌づくりに機械の手を借りても、栽培作業の植え付けから

収穫までほとんどが手作業です。そして、一般的なラッキョウ作りとは栽培方法が

少し違い、深植えをして白い部分をできるだけ多くつくります。白い部分が7cm以

上のものだけを「エシャレット」として出荷します。茨城県の露地栽培では、耕し

た畑に9月ごろ種球を植え付け、収穫までの間に四回ほど土を根元に寄せることで、

白くて柔らかい部分を増やしていきます。収穫は翌年の4月~8月で、出荷時期は

5月下旬~8月で初夏から夏にかけて出回ります。

行方市の農家・島田さんは「こだわりは土作りですね。作物はそれぞれ、作った土

から出る味があると思うんです。力強い土からは、力強い味が出る。いくらキレイ

な形をしていても、やっぱり食べ物は「味」。毎年、種を撒く前の年から畑に完熟

たい肥や緑肥を入れて土作りをしています」といっています。

 

<JAなめがたしおさいのエシャレット部会>

部会員は180名を超えます。日本トップの産地として、作り手も多い中で、島田さん

をはじめ生産者は、品質や味のバラつきが起こることを懸念しています。そのため、

JAなめがたしおさいでは、栽培技術委員会を立ち上げ、行方市内の北浦地区・麻生地

区・玉造(たまつくり)地区の各地区ごとに、定期的に目揃え会(※)や栽培講習会を

実施し、産地のブランドを守っているそうです。また、平成26年からは種球(たねだ

ま)をお湯で消毒する「温湯消毒」による減農薬栽培も実践しています。島田さんは

「毎年全員の畑を土壌診断して、施肥設計を行い、土作りをしっかりとしてから生産

に入ります」といっています。


※目揃え会とは…ブランドを守るため、生産者が成果物を持ちより、サイズ・品質

 ・選別基準等を話し合い、出荷規格の統一を図るもの。

 

エシャレットは味噌につけるだけで酒の肴になります。肴は炙ったイカだけではな

いのです。肴は味噌ったエシャレットもいけるんです。それに、暑くなると食欲不

振になりがちですが、さっぱり食べられるエシャレットを食べれば、元気に夏を乗

り切れますよ。

 

是非、行方のエシャレットをご賞味あれ!

 

 

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茨城味自慢:「しらす干し」は、茨城県を代表する水産加工品

2022-04-04 08:16:16 | 日記

「しらす干し」は、茨城県を代表する水産加工品です。船上でしっかり冷やされ、水揚げ

されたしらすを温度管理しながら工場に運び込み、すぐに加工。その日のしらすの大きさ

や質に応じて水洗い、釜炊き、選別、乾燥等、一連の工程を丁寧に行い高品質な製品に仕

上げます。しらすは県内のすべての漁協で水揚げされていますが、北茨城市、日立市、大

洗町、鹿嶋市の漁獲量が多いです。特に大洗町では秋にしらす祭りが開催されて、盛り上

がります。茨城県のしらすの旬の時期は2回、4月~6月の 春に水揚げされるのが「春しら

す(マイワシの稚魚)」、8~10月に水揚げされるのが「秋しらす(カタクチイワシの稚魚)」

と呼ばれます。特に秋がもっとも脂ののった美味しいしらすが楽しめるということで有名

です。尚、茨城県では1月~3月までが禁漁期間です。生しらす丼が食べたいなと観光で来る

場合はこの期間を外してくださいね。今回は茨城県の「しらす干し」を紹介します。

 

<しらすとは>

しらすとはいわし類の稚仔(=ちし)魚であって、35mm以下程度のもの(混獲されたいわ

し類以外の稚仔魚を含む。)と定義されていますが、実際には体長1~2㎝程で、色素をもた

ず体が透き通っている稚魚を「しらす」と呼んでいるようです。私達が通年スーパーで購入

しているしらすは主にいわし類の中の「マイワシ」と「カタクチイワシ」の稚魚であること

がほとんどです。ちなみに、しらすの名前の由来は、茹でると白くなるから「白子(しらす)」

と呼ばれるようになったといわれています。しらすにはその地域ごとに旬の時期があります

から、産地を訪ねてその土地の旬なしらすを味わってみるのも良いです。

 

<しらすの漁獲量ランキング(2019年)>

しらすの漁獲量日本一は愛知県の11,433tで、シェアでは19.1%となっています。2位は静岡県

で8.3%、3位は大阪で6.2%のシェア。茨城県は4位で5.7%でした。数年前は兵庫県が1位だっ

たはず、特に淡路島の「生しらす丼」は有名ですね。でもその兵庫県の名前がありません。

獲れなくなったのかな?

 

<しらす干し生産量としらす干し消費量のランキング>

  しらすを原料として一番量が多く加工されている製品が「しらす干し」です。

(1)加工品の「しらす干し」生産量ランキング(2018年)

    1位は静岡県の4,455t(14.9%)、2位は兵庫県で(13.4%)、3位は愛知県(13.1%)、茨城

    県は6位(7.4%)でした。何故か漁獲量でランキングしていない兵庫県が入っています。

    この点はよくわかりません。

(2)しらす干し消費量ランキング(2020年)

    しらす干しの1年間の消費量を47都道府県別に量と金額でまとめたデータを見ますと、

    だいぶ顔ぶれが変わってきます。1位静岡県、2位高知県、3位和歌山県・・・7位茨城

    県・・・11位兵庫県・・・47位宮崎県でした。1位の静岡県と47位の宮崎県では約10倍

    の消費量の差があります。九州各県の消費量は押しなべて少ないのですが、特に宮崎県

    の方は年間を通して、ほとんどしらす干しを食べていないことがわかります。しらす干

    しを食べるか、食べないかには県民性に差がありますね。

 

<しらすの豆知識>

1.しらすの栄養価と効能

  カルシウムが豊富に含まれており、しらす100gあたりには成人の1日のカルシウム目標摂取

  量分約500mgが含まれています。さらに、魚の脂肪酸であるDHAやEPAも豊富。体にとても

  良い魚です。その効果はさまざまで、高血圧や動脈硬化の原因となる血中のコレステロール

  を減らすこと、血液の凝固を防ぎ、血栓を予防すること、血液中の中性脂肪値を低くするこ

  となどがあります。さらに、老人性痴呆症や頭の働きを良くする効果があるといわれています。

2.しらすの製品

(1)しらす干し:薄い塩水でゆでて、七分乾きまで、天日干しや乾燥機で乾燥したもの。

         水分率65~72%。

(2)釜揚げしらす:茹でて水切りした程度で乾燥させない。水分率:75~88%。

(3)ちりめんじゃこ:硬くなるまで干し上げたもの。水分率:35~50%。

(4)たたみいわし:生のまま薄い板状に敷いて干したもの

(5)生しらす:鮮度低下が早く、生食用として流通することは難しい問題でしたが、茨城県で

        は新たな技術を開発し、生食用の生産もしています。

 

 しらすは「しらす干し」や「釜揚げしらす」に加工されるのが主ですが、獲れたての新鮮な

 生しらすは「生しらす丼」でいただくのが一番。プリプリとした食感が絶妙です。

3.しらすの保存方法

   毎日食べるなら、冷蔵庫で密封せずに保存。表面だけが乾きやすく、下の方が傷みやすい

   ので毎日軽く混ぜること。タッパのフタを閉めたり、ラップをかぶせると蒸れて逆に保存

   性が悪くなる。冷凍保存する場合は小分けしてアルミホイルに包み、フリーザーパックに

   いれる。半日前に冷蔵庫内で解凍する。冬場は常温での自然解凍でよい。

4.風邪で食欲がないときは、シラス干しを入れたおかゆがオススメ。大さじ2盛り入れれば、

  体組織作りに欠かせない成分が摂れるし、なにより食べやすい。体が弱っている時に脂っぽ

  いサバやアジなどを食べるより、体にもやさしいです。

 

<茨城沖のしらす漁は1艘引きが特徴>

伊豆から房総付近で産卵された卵が黒潮に乗り、ふ化して茨城県沿岸に運ばれてきます。漁獲量

は産卵量と海流、生き残りの環境などが大きく影響を与えます。茨城県の漁法は主流である船曳

網漁業です。茨城らしさの特徴は、全国的にも珍しい1艘曳きであることです。1艘の船が魚群の

周りに網を入れ、群れをまいて獲る漁法です。1回の網入れ時間が短いため魚の傷みが少なく生き

たまま漁獲されます。そして、漁獲した直後に氷で活け締めするので、極めて弱い魚であるしらす

を鮮度良く水揚げすることができます。ですから、獲れたてのプリプリの食感を残したまま市場に

提供することができるのです。漁獲量上位の地域では2艘曳きが漁獲法の主体です。この漁法では

しらすを引っ張りながら30分~1時間以上網を引くため、最初に入ったしらすの鮮度が落ちてしま

います。

 

<茨城県が開発した凍結生しらす>

生しらすはプリプリとした食感で大人気。しかし、すぐに鮮度が落ちてしまい、本来のおいしさを

味わうことは、水揚げする漁港の近く、しかも漁期でないと難しいとされてきました。そんな課題

を解決するべく立ち上がったのが、茨城県のしらす漁師たちです。まず着手したのは、茨城県水産

試験場が開発した鮮度管理技術の導入と、漁獲から船上処理、原料選定、洗浄まで一連の工程の精

度とスピードの向上。そして、徹底した品質へのこだわりから生しらすを冷凍した「海の輝き」と

「ひたち浜漬け」の商品化にこぎつけました。いずれも冷凍品で保存性・可搬性に優れているのが

何よりの魅力。解凍後もほとんど型くずれがなく、いつでも獲れたての食感と透明感を楽しめます。

 

(1)冷凍パッケージされた生しらす「海の輝き」:港に帰る前の最後の一網。そのしらすに特別

     鮮度管理技術を施して生まれたのが「海の輝き」生しらす。漁師が船上で手間と時間を

     掛け、これまでにない高鮮度のしらすを港に運びます。そのしらすを冷凍パッケージする

     ことで、これまで漁港近くでしか味わえなかった生しらすの美味しさが、料理店や家庭で

     も味わえるようになりました。天然のほのかな甘味があり、身がしっかりしまっています。

     生はもちろん釜揚げにするのも贅沢な食し方です。

(2)飴色に輝く「ひたち浜漬け」:新鮮なものを味付けすると、ひと味違ったものになるとの発想

     から生まれたのが「ひたち浜漬け」です。「海の輝き」の味わいを生かし白醤油にじっくり

     と漬け込んで加工し、急速冷凍処理で仕上げます。深い味わいと飴色に輝く美しさが魅力で

     す。流水解凍するだけでそのまま食べられ、鮮度と食味がよみがえります。

 

<しらすが食べられるお店>

① 大洗町漁協かあちゃんの店:大洗町漁協の女性部が切り盛りするかあちゃんの店。生シラスを使っ

    た丼や御膳は定番の人気メニュー。ここで「海の輝き」生シラスが使われている(その日にシ

    ラスの水揚げがあった場合は、獲れたての生シラスを使用)。お勧めは、生シラスと釜揚げシ

    ラスが贅沢に盛られた2色丼定食。生シラス特有の旨味と、釜揚げシラスのふわりとした食感

    が一度に味わえる逸品だ。

② 久慈サンピア日立・レストランパステル(日立市):海の輝きを使ったお勧めメニューは『釜揚げ

    &しらす丼』。久慈漁港にほど近く、海沿いを走る国道245号線沿いに立地している。

③ としまや月浜の湯・料亭魚ぐん探ちき(北茨城市):お勧めメニューは「生しらす御膳」。生しら

    す御膳は、生しらす丼、刺身、しらすのかき揚げ、吸い物など、しらすが様々な料理で提供さ

    れており、しらすを堪能するにはもってこいの御膳だ。

 

生しらすの「海の輝き」そして、白醤油漬けの「ひたち浜漬け」は共に、旨味たっぷり!御飯にピッタリ!

みんなに愛される茨城県のしらすです。

 

是非ご賞味あれ!

 

 

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