ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

2月の散歩は 撮り鳥(トリドリ)見鳥(ミドリ)

2015-02-23 08:10:35 | 日記





散歩の途中で たくさんの 可愛い鳥に 出会ったよ

孤独を愛するモズ ツグミ 
ジョウビタキとカワセミも ひとりでいるのが好きみたい
縄張り意識が強いのか それとも 付き合い下手なのか

一度 見かけたエリアでは 再会できるチャンス有り
明日も ここらを歩いてみよう

片や 群れ飛ぶシジュウカラ
コゲラ ヤマガラ巻き込んで 枝から枝へと 集団移動
みんなで飛べば 安心だよね

せっかく出会った鳥だけど いつもほとんど 見てるだけ
シャッターチャンスは 滅多に来ない
それでも たまには撮れるんだ
記録に残れば それでいい

おやおや あそこの電線に とまっているのは二羽のモズ 
微妙な距離で並んでる 
恋人探しを始めたのかな?

僕の好みのジョウビタキ
赤茶の胸色 背中の紋が バッチリ決まったジョビー君
少し離れた場所にいる ジョビリンちゃんに 近づいて 
まもなく 家族になるだろう

季節は巡り もうすぐ 春だ
みんな みんなが 待ち望む
春だ 春だよ 春が来る
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しもやけ・ジンジン !

2015-02-16 08:22:23 | 日記



「しもやけ」って、できた人しか分からないと思うけど、痛がゆくってつらいんですよね。
毎年、しもやけに悩まされている永さんが公園のベンチで靴を脱ぎ、足のカカトをさす
りながら鼻歌を歌っています。♪雪やこんこ、あられやこんこ♪の唱歌のようですが・・・

永 :♪ ゆびさき ジンジン  カカトも ジンジン
          しもやけ あかぎれ かゆくて いたい
               おいらの願いは たったのひとつ
                    は~るよ さっさと 来ておくれ ♪

美井:ハッハッハ、聞いちゃいましたよ。しもやけソングですな。

永 :いやはや、お恥ずかしいところを見られてしまいましたな。痒いし痛いんですよ。
    血行をよくしようと、さすっているんですが、ヤケッパチの替え歌です。
    今年は両手だけでなく、足までしもやけができましたよ。特にカカトは腫れて、
    固くなっているので、靴を履く時や第一歩を踏み出すのが痛くてネ、難儀なん
    ですよ。

美井:かなり日常生活に支障をきたしているようですね。イライラするのを紛らわすた
     めにヤケクソの歌でも歌いたくなる気持ちはわかります。
     私も子供のころは悩まされましたよ。今、小学生の孫がしもやけで困ってい
     るので、何かアドバイスをしてあげたいと思っているんです。

永 :しもやけの治し方についての知識はいろいろと仕入れていて、いくつかの方法
    を実行していますが、根絶やしにできずに今年も悪戦苦闘中です。
    体質や遺伝も関係しているらしいので、これからも長い付き合いになりそうです。

美井:孫に教えたいので、これまでに蓄えた知識を聞かせてくださいよ。

永 :寒さのために血行不良が生じて起こる炎症だから、冬の季節病ですよね。
    ですから、基本的には体を温めて血流を良くすれば治るんです。
    夏場にしもやけで悩む人はいませんからね。

美井:なってしまったら、どんな治療法があるのですか?

永 :初期の軽いものならビタミンEを多く含む食品を食べて、血液をサラサラにするの
    がよくて、症状が進んだときは血管拡張剤を服用します。血の巡りを良くする
    方法としてはマッサージとか運動ですね。
    その他には、お風呂で体を温めるとか、手袋や靴下などで寒さから保護するこ
    とだと思います。頑固なしもやけには湿布薬などがありますが、早く治したい方
    は病院へ行って塗り薬を処方してもらうのがいいですね。

美井:それだけの知識を持って実践していても「しもやけ」はできちゃうんですね。

永 :そうなんですよ。おそらく、私の場合は加齢とともに冷え症体質になっているのだ
    と思っているんです。美井さんも来年あたりは悩まされるかもしれませんよ。

美井:確かに他人事ではありませんね。私も常日頃から血行をよくすることを心がけま
    すよ。

永 :私は冷え体質を改善しようと思っているんです。まだ効果が出てきていませんが
    ね。マッサージとお風呂は即効性があり、運動は持続的効果があると実感して
    いるので、できるだけ散歩するようにしているんです。
    それにしても、しもやけの痛がゆさをジンジンと表現した先人はえらいと思います
    よ。お風呂に入った時にしもやけ部位に感じるのは、まさにこのジンジンですから
    ね。さっきの替え歌はお風呂でも歌っているんです。
    ゆっくり歌いながら、もんでいると楽になるから、私のおまじないソングですな。

そこへ志位さんが通りかかり、「しもやけ話」に加わりました。

志位:ちょっと前の話ですがね。私の右耳の上端が急にジクジクしてきたのを見つけた
     妻が「皮膚がんかもしれないから、専門医に見てもらいなさい。」と言うんですよ。
     もともとガン体質の家系だと認識している私は、すっかり皮膚ガンになったと思
     い込んで、慌てて皮膚科に行きました。
     すると、医者が「あなたは戸外で過ごすことが多いですか?」と聞くので「まあ、
     健康のために寒い時でも夜の散歩は欠かしませんし、ゴルフにもよく出かけま
     す。」と答えたら、「なるほどね、これはしもやけですよ。」と言われて軟膏を処
     方されましたよ。「三日ほど塗れば治るはずですが、治らないようでしたら、もう
     一度来てください。」と言われたのですが、なんと二日間で治りました。
     どれだけホッとしたことか・・・

永 :ハッハッハ、しもやけでしたか。しかし、ガンじゃなくて良かったですね。

志位:ホントに笑い話で済んで良かったですよ。一時的ではありますが、お先真っ暗
     な気分になりましたからね。

美井:そうでしょうとも。しもやけで良かった、良かった。

志位:実は単身赴任中にしもやけで悩んだことはあったのです。でもその時は、赤く腫
     れて痒かったので、しもやけとはそういうものだと思っていたんですね。
     だから、「ジクジクのしもやけ」があるなんて思いもしなかったのですよ。

永 :単身赴任中のしもやけには、どのような対応をしたのですか?

志位:ベテランの女性社員が私のしもやけを見つけて、「慣れない台所仕事が原因で
     しょ。水仕事のあとはしっかりと水気を拭いて、保湿クリームを塗り、手袋をは
     めて寝るといいですよ。その調子だと、足にもしもやけができているでしょ。
     足にもクリームを塗って、厚手の靴下を履いて寝なさいね。」と教えてくれたん
     です。それで、すっかり治りました。
     単身赴任が終わった今でも、この習慣を続けていますよ。

永 :保湿クリームですね。良いことを聞きました。おまじないソング付きマッサージと
    合わせて、暖かい春が来るのを待ちますよ。

志位:エッ、「おまじないソング」って何ですか?

美井:唱歌の「雪」を替え歌にして、痒い患部をさすっているんだそうですよ。

志位:どんな歌ですか?

永 :モ~、恥ずかしいから、勘弁してくださいよ。
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冷たい風には負けないぞ

2015-02-09 08:36:38 | 日記




夫:節分の恒例行事を無事に済ませたから、今年も無病息災で過ごせそうだね。

妻:「福は内、鬼は外」と言いながら豆まきをして、今年の恵方だという西南西の方角
   を向いて巻き寿司を食べたけど、昔は「恵方巻き」なんて聞いたこともなかったわね。

夫:バレンタインデーだって、僕たちが子供だった頃には無かったよ。

妻:年中行事として定着すれば、チョコレートは売上倍増だものね。商魂たくましいわ。

夫:本当だね。でも、みんなが楽しい気分になるのであれば、こういう行事は増えても
   いいと思うよ。

妻:フフフ、今年もいくつかの義理チョコを期待してるんでしょ。

夫:バレたか。チョコレートは僕の大好物だから、多ければ多いほど嬉しいね。

妻:ところで、最近は近場の散歩ばかりよ。今日は風が冷たいけど、お天気は良さそう
   だからドライブに出かけてみない?

夫:そうだね。出かけてみるか。

まずはレンコンの産地として有名な稲敷市浮島に向かいます。霞ヶ浦の南岸東端で、
水郷筑波国定公園に指定されている場所です。車を停めた公園は冬枯れの佇まい。
湖岸を歩き始めると、いろんな鳥を目にします。風の冷たさに負けて、家に引きこもって
いては体験できない水鳥撮影のチャンスです。

夫:ホラ、小さな鳥が水の中に潜ったよ。どこに出てくるのかな?

妻:アッ!あそこに出たわよ。カイツブリかしら?

夫:砂浜が広がっているよ。あれは鳥たちの足跡だよね。大きな足跡はサギの仲間
   かな?

妻:他にもカワイイ足跡がいっぱいあるわよ。足跡を見て鳥の名前が判るほどの知識
   を持ち合わせていないのが残念だわ。

夫:本当にそうだ。日本最大の湖は琵琶湖で、霞ヶ浦は二番目だね。でも、日本で一番
   のものがあるんだよ。それがレンコン。霞ヶ浦湖畔で収穫されるレンコンは質・量共
   に日本一だ。そして、もうひとつ。将来、日本一となるはずの企画が進んでいるん
   だ。

妻:何かしら?

夫:2016年度に総距離216kmの日本一長いサイクリングロードができるんだよ。筑波
   山と霞ヶ浦を巡るコースで、筑波山の麓にある既存の「つくばりんりんロード」と
   「霞ヶ浦湖畔周遊のサイクリングロード」を繋げるそうだ。テレビニュースの受け売
   りだけどね。

妻:フ~ン、サイクリングブームだから利用者は多いでしょうし、私たちもいつかは利用
   したいものだわ。この周辺には霞ヶ浦で捕れた小魚やシジミを佃煮にしたり、近
   隣で採れた野菜を漬物にする加工場があるから、今日は何か買って帰りましょうよ。

二人は加工場を見つけてシジミの佃煮を購入し、次の目的地である「霞ヶ浦総合公園」
に向かいました。夕焼けが木々を赤く染める時刻に到着した二人は湖畔を散策しながら、
イルミネーションの輝きが増すのを待ちました。

夫:「水郷桜イルミネーション」と書いてあるよ。最近は青色を中心にしたイルミネーション
   が多いけど、ここはピンクと赤が目立ってるね。最終日は2月28日だってさ。

妻:光に彩られた大きな風車の羽根がゆっくりと回転しているわ。あの風車の上に行ける
   みたいだから、あそこから全体を見ましょうよ。

夫:こじんまりしているけど、個性的なイルミネーションだね。あれは花火かな?土浦の花
   火大会は有名だもんね。それをイメージしているんだな。

妻:「帆曳き船」みたいなのもあるわ。霞ヶ浦といえば帆曳き船。あそこの水の上にはハス
   の花のイルミネーションが浮かんでいるわよ。土浦名物のオンパレードね。

夫:地方色が出ていて、なかなかいいんじゃないかい?

妻:ちょっと気になり始めたんだけど、どうして赤色や黄色のLEDを発明した人はノーベル
   賞を貰えなかったのに、青色LEDの発明者はノーベル賞を貰えたのかしら。

夫:光の3原色の中で青色は最も波長が短くて、人工的に作り出すことがとても難しかっ
   たってこともあるけど。でもね、青色LEDの発見そのものよりも、青色LEDを用いて
   完全な白色を作り出したことが重要なんだよ。フィラメントの発熱による電球よりも
   長命で効率的な光源を手に入れたことが、石炭から石油へのエネルギー革命に
   匹敵すると評価されたのだと思うよ。中村修二氏はLEDの光への転換率は今の
   ところ60%台だから、もっと向上できると述べているね。我々の生活に多大な貢献
   をもたらした発明だってことだ。

妻:話は飛ぶけど、日本で初めてイルミネーションが登場したのは、いつ頃のことなの?

夫:1903年に大阪で開催された博覧会だそうだよ。翌年には銀座の明治屋が12月15
   日からクリスマスまで毎晩、イルミネーションを点灯して人々の話題になったらし
   いね。街路樹を大規模にライトアップするようになったのは1966年に仙台で始まっ
   た「光のページェント」が最初で、表参道のライトアップは1991年からだよ。

妻:今では全国にイルミネーションの名所ができたけど、クリスマスシーズンだけじゃな
   くて3月まで開催しているところもあるようね。今朝、話題になったバレンタインデー
   じゃないけど、現代人は楽しみ方を工夫するのが上手になったってことかな?

夫:冬でも冷たい風なんかに負けないで、こうして出かけて楽しめるっていうのは本当
   に幸せなことだと思うよ。元気なればこそだ。
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ヤドリギと動物村の仲良し3人組

2015-02-02 08:45:54 | 日記





動物村の仲良し3人組は玉蹴りや玉転がしが大好きです。今日も枯れ草を丸めて
作った玉を蹴って遊んでいるのですが、なんとなく投げやりな様子です。

ポン吉:また、バラバラになっちゃったよ。こんなに壊れてばかりじゃ、つまんないな。

コン太:しょうがないだろ。冬は枯れ草しかないんだから、スカスカの玉しか作れないよ。

ポン吉:アレッ、長老が向こうから来るよ。大きな丸い玉を抱えていないかい?

コン太:本当だ!あれは何だ?僕たちに持ってきてくれたのかな。

ミミ :大きな玉ね。

長老 :オ~イ、面白いものを見つけたから、持ってきてやったぞ。この塊はヤドリギ
     といってな、大きな高い木の枝に根を下ろし、その木から養分をもらって成
     長する変わった植物じゃ。冬でもこんなにみずみずしくて、しっかりしているん
     だぞ。

ミミ :ヤドリギ?初めて見るけど、丸くて大きいのね。どこで見つけたの?

長老 :ホレ、わしがやって来た方向を見てごらん。大きな木があるじゃろ。あの木の
     上の方にいくつか丸い塊があるのが見えるかい?あれがヤドリギじゃ。

コン太:見える、見える。だけど、ここから見ると大きな鳥の巣みたいだね。

ポン吉:でも、あんな高い所にくっついてるモノを、長老はどうやって手に入れたの?

長老 :ハハハ、これはな、あの木の下に落ちていたんじゃよ。珍しいものじゃから、
     お前たちに見せてやろうと思って、大事に抱えて持ってきてやったんじゃ。

コン太:長老、ありがとう。こんなに大きくて丸い玉を見たのは初めてだ。

長老 :ヤドリギのことを教えてやりたいが、ワシはこれから村の寄り合いに出るので、
     先を急がねばならん。これで好きなように遊んでいいぞ。それじゃ~な。

長老が残していったヤドリギの大玉を囲んで、3人組は相談を始めました。そして、玉
蹴りに使うには軟らかすぎるようだから、広場にある緩やかな丘の上から転がして遊
ぶことに意見がまとまりました。そこで、丘の上まで大玉を転がして移動させようと手
を添えたその瞬間、大玉から「ちょっと待って!」と大きな声がしたのです。
3人組はビックリ仰天、その場にひっくり返ってしまいました。

花の精:脅かしてゴメン。でも、お願いだから転がさないでくれないか。高い木の上か
      ら落っこちて少なくなってしまった大切な実が、これ以上、地面に落ちてしま
      うと困るんだよ。君たちは仲良し3人組だろ。君たちの言葉が理解できたから、
      すぐにわかったよ。僕は花の精なんだ。知ってるよね。

ミミ :花の精ですって?音楽隊の花の精とはお友だちだけど、あなたはどこにいるの?
    あなたの声は聞こえるけれど、姿が見えないわよ。どうして?

花の精:僕はヤドリギの実の中にいるんだ。だから、今は姿を見せることができないのさ。
      声だけで話しかけても、君たちなら僕の存在をわかってくれるよね。このヤドリ
      ギの実はこれ以上傷まないうちに、早く鳥に食べてもらう必要があるんだよ。
      手伝ってもらえないかな。

コン太:どうして食べられたいの?食べられたらダメなんじゃないの?

花の精:あのね、実を食べた鳥が落葉樹の高い木の枝にとまって糞をすると、実の中に
      ある種は消化されないで一緒に出てくるんだ。ヤドリギの種はとてもネバネバ
      しているから、木の枝に引っかかって落ちないのさ。
      木の枝にくっついた種は、そこに根を張り、太陽の光を浴びて芽を伸ばし、花
      を咲かせ、実をつけて子孫を残すことができるんだ。だから、鳥たちが食べた
      いと感じる新鮮なうちに、実を食べてもらう必要があるのさ。わかった?

ポン吉:フ~ン、そうなのか。だったら協力するよ。僕たちはどうすればいいの?

花の精:これ以上、実が傷んだり、地面に落ちない方法で、ヒヨドリや冬の渡り鳥のヒレ
      ンジャクがたくさん集まる場所に連れてって欲しいんだ。絶対に転がさないで
      ね。

コン太:わかった。この広場の端に大きな椿の木があるんだ。そこにはヒヨドリがたくさん
     来るから、そこまで持って行ってあげるよ。

花の精:ありがとう。このヤドリギはくっついていた木の枝がポッキリと折れちゃって地面
      に落ちてしまったんだ。今なら、まだ実が新鮮だから子孫を残せるんだよ。

ミミ :わかった。とにかく鳥さんに食べてもらえる場所まで持って行けばいいのね。

コン太:そうは言っても、転がさずにどうやって運ぶんだよ。抱えるには大きすぎるし。

ミミ :ウ~ン、確かに大きいけれど、軽そうだわ。だからヤッパリ、担架よ。枝で担架
    を作って、その上に乗せて運ぶの。あなたたちが前と後を持って、私は落ちな
    いように手を添えて支えるわ。大椿までは平らな道だから、きっとうまくいくわよ。

ポン吉:それはいい考えだ。きっとうまくいくよ。頑丈な枝を二本、探してくるね。

3人組が作った担架に乗せられて、ヤドリギの大玉は椿の木の下まで運ばれました。
すると、椿の花の蜜を吸っていた鳥たちが一斉に集まって来て、ヤドリギの実をついば
み始め、たちどころに食べ尽くして飛び去って行ったのです。
鳥たちが飛び去った後、大玉の内側にひとつだけ実が残っていました。

花の精:君たちのおかげで僕はヤドリギの命をつなぐことができたよ。これも僕の仕事
      のひとつなんだ。みんなには感謝の気持ちでいっぱいだ。ありがとう。

ミミ :お役に立てて嬉しいわ。ところで、実がなくなったこの大玉はどうなるの?

花の精:君たちは玉転がしをしたかったんだよね。このヤドリギにはもう実がないから
      転がして、大いに遊んでくれたまえ。

コン太:本当にこれで遊んでもいいんだね。やった~!

ミミ :だけど、あなたがここに残っていたら、転がすわけにはいかないわ。

花の精:僕の仕事は終わった。最後の実と一緒に土に帰るんだ。これで仲良し3人組
      とはお別れだ。また、会う機会もあるだろう。元気でナ!

ポン吉:ウン、君の本当の姿を見ることができなかったのが心残りだけど・・・サヨナラ。

3人組の目の前で、最後まで残っていた実がポトンと地面に落ちました。その実をジッ
と見つめたミミは、やさしくソッと拾いあげて、上向きに咲いている椿の花芯の上に置き
ました。すると間髪を入れず、一羽のヒヨドリがそれを飲み込み、大きな木の方へ飛び
去りました。
それを見届けた3人組は安心して、ヤドリギの大玉をゆっくりと転がし始めました。最初
のうちは丁寧に扱っていましたが、すぐに力いっぱい転がし始め、そのうち、夢中になっ
た3人組の楽しそうな笑い声が冬空に響き渡りました。
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