すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

たんぽぽ先生の講義

2021-02-20 20:35:02 | ひとりごと
 何だかんだ忙しい月末。そして積雪や凍結があるほど急激な寒の戻り、そして急な暖かさ。若い者でも体調を崩しそうだ。ましてや高齢者。ここ数日、救急搬送だ、入院だ、緊急ショートステイだと、次々体調を崩す方が続き、スタッフと話をしていても、どの方の話だ?と一瞬考えるほどだった。やってもやっても追いつかないデスクワークをそっちのけで、とにかく対応に追われる時、自分の無力さを感じるとともに、わ~っと投げ出したくなる気分になる。
 そんな今日、オンラインで研修があった。いつもなら、この時期に?この月末に?とどんなにいい研修でも、必要な研修でもその時間に訪問したいなどと思ってしまう。
 しかし、1年待ちの今日の研修はとても素晴らしかった。
 それは、ゆうの森たんぽぽクリニックの永井先生の講義である。先生は45歳でわずか4人のスタッフとへき地医療から今のクリニックを始められたらしい。その取り組みは本当に素晴らしく、地域に根差し多職種協働で在宅医療、そして看取りを行われている。
 講義の中で実例として3例ほど動画があった。入院すると点滴になる事はごくごく普通の事だと思っていたし、食事を取れない時、身体に水分が入れば楽になるものだと信じて疑わなかった。しかし、過ぎる水分は食欲をそぎ、浮腫を起こし、決して良い物ではないと知った。
 父の時に点滴は必須だった。食事が摂れず、食事をする事が苦痛だと父は言った。苦痛だという父に食べて欲しいと懇願していた私である。もしかしたら、点滴を抜いていたら食べられたのかもしれない。
 動画の中で、食事が出来なかった人が美味しそうに食べる姿や、大好きなビールを飲む姿は胸に刺さり涙が止まらなかった。
 そして素晴らしいのは、食事出来なかった人を食べられるようにして在宅に返しましたというだけではなく、家に帰っても家族が困らないように、帰ってからも一丸となって最後まで一緒に寄り添うという所だ。
 簡単な事では無い。理想だけでも成り立たない。それを現実に行っている所があるという事に感動を覚えた。
 自分がケアマネとして、在宅の担当者様にこれほどに寄り添える自信はない。しかし、今後キヨちゃんを介護する時には、父の時よりももっともっとキヨちゃんに寄り添ってあげようと思った。感染症があって連れて帰れなかった後悔がある。キヨちゃんがもし介護が必要になったり、看取りが必要な時期が来たら、在宅で、キヨちゃんの大好きなこの家で過ごさせてあげたい。


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コメント (2)
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