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日本の真の活性化を考える  吉川忠雄

「高速増殖炉」は「夢」は夢でも「悪夢」の原子炉

2011-11-21 13:11:15 | 日記
、「高速増殖炉」を核燃料サイクルを回せる「夢の原子炉」として2050年までに実用化する目標を立てた国の方針が事実上立ち消えになることを恐れ、「一度止めてしまうと、技術的経験の蓄積や人材の育成が断ち切られ、後から再び立て直すのは困難である」と主張する人たちがいます。

これまで推進して来た原子力研究機構、経産省、文科省、読売新聞社等々の一部の人たちです。 

しかし、これはとんでもない話しです。

液体金属ナトリウムというのは通常単体では存在できない極めて不安定な物質で、空気中の酸素とも反応して酸化してしまう・・・水と接触しただけで激しく反応して炎を上げて炎上する・・・とてつもなく危険な物質です。

もともと危険な原発に・・・冷却液として、不透明で扱いにくい上、危険きわまる液体金属ナトリウムを大量に使用する・・・などというのは正気の沙汰とは思えません。 

当初から危険が予測された「高速増殖炉」の研究をすでに40年と2兆円近くを掛けて来たが実験炉「もんじゅ」はトラブルのオンパレード。 

これは「技術が未熟な段階だから」だけではないのです。

 机上の理論では可能でも、トラブル防止や安全確保がどこまでも難しい・・・それを何とか実用化できると思うのは技術官僚らの驕りと野心と「原発村」からの期待+後押しのためでしょう。
 
もともとムリな技術なので、失敗続きというのは私にも当然予想された結果です。 

「もんじゅ」は維持費だけでも年間200億円ぐらい掛かります。

使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場を造るためにも19兆円も掛かると言います。

地震・津波大国の日本で危険すぎることも明らかです。

こんな「高速増殖炉」の「開発計画そのもの」を完全に中止しなければなりません。

今後さらに40年も掛け何兆円掛けて研究開発したら2050年ごろに実用化できるかも・・・と言っているが、たとえ可能になっても、地震津波大国の日本で、そんなものを受け入れる県も住民もいるはずがありません。

また、安全確保等々のための建設コストや維持コストが非常に高くなって、これからコストダウン可能な他の発電とその時点で比較して、コスト競争力もまるでないでしょう。

それより前に、たとえばメタンハイドレートからメタンガスだけを取り出して低コストで発電できているでしょう。

新材料低コストの太陽電池も蓄電池もできているでしょう。

深い所の地熱を利用した燃料費の掛からない安定した発電なども出来ているでしょう。

海流発電も、さらには海洋温度差発電も出来ているかもしれません。 

節電タイプの機器が普及し、電力使用量も頭打ちになっているでしょう。

みすみす何兆円もドブに捨てることになるのは灯を見るより明らかな事です。 そこに投入した技術者たちの人材もそれこそムダに浪費されることになる。

「これまで掛けた巨額な経費をムダに捨てたくない」とか「せっかく培った技術を失いたくない」などと言って、高速増殖炉の研究開発を続けることは・・・・・諫早湾干拓事業を「ここまで進めた以上は中断したくない」と未練がましくやり続けてしまい、さらなる大損害と住民同志の深刻な対立を生み出したパーターンとよく似ています。  

否、「人間の愚かさ」としてはそれ以上であり、最悪のレベルです。

「高速増殖炉」は「夢」は夢でも「悪夢」の原子炉です。

すぐに「もんじゅ」を廃炉にし、「高速増殖炉」の「開発計画そのもの」を完全に中止しなければなりません。