蓋を開けてみると自民党の完勝に終わった今回の衆院選は、5年近くにわたる安倍晋三政権の信任を問うものだった。ただ、国民はそれだけでなく、野党やマスメディアの姿勢もまた、問うていたのではないか。
7月の東京都議選で「神通力」を発揮した小池百合子知事が代表に就任し、一時は政権交代もあり得るかと思わせた希望の党は、あれよあれよという間に失速していき、希望は失望へと変わった。
「きつい言葉だった。傷つけるつもりはなかった」
小池氏がこう反省を示す「排除発言」が、国民の反感を買ったとされるが、失敗はそれにとどまらない。選挙戦で、小池氏が森友・加計学園問題を連呼しだしたことで新味が薄れ、「これでは旧来の民進党や共産党と変わらない」とがっかりされた部分も大きい。
主要メンバーの顔ぶれがほとんど菅直人内閣と重なる立憲民主党のほうが、左派色が明確なだけ分かりやすく、反自民票の受け皿として選ばれたのだろう。
そしてより深刻な惨状を呈したのが、メディア報道のあり方だった。事の軽重も優先順位もあったものではなく、ひたすら「モリカケ」「モリカケ」と一つ覚えのように粘着する姿はグロテスクだった。
せっかく民意を国政に届ける機会なのに、一部のメディアは安倍首相が「国難」として提示した北朝鮮危機も少子高齢化問題もそっちのけで、モリカケにこだわっていた。特に突出していた朝日新聞は、首相が衆院解散を表明した9月25日以降、解散の意味を矮(わい)小(しょう)化し続けた。
「森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意図は明らかだ」(26日付社説)
「『疑惑隠し』があからさまな今回の判断に、大義は見いだせない」(同日付根本清樹論説主幹コラム)
「首相の狙いは明白である。森友学園・加計学園の問題をめぐる野党の追及を消し去り、選挙準備が整っていない野党の隙を突く」(29日付社説)
「『疑惑隠し解散』との批判にどう反論するのか。(中略)説明責任に背を向ける首相の政治姿勢こそ、選挙の争点だ」(10月6日付社説)
「共産党の志位和夫委員長は首相に『森友、加計学園疑惑隠し。これ以外にない』とただした。その通りだろう」(9日付社説)
「選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問題の追及の場を消し去る」(11日付社説)
「大事な政策論議の前にまず、指摘しておかなければならないことがある。森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ」(12日付社説)
「この解散総選挙も、森友・加計疑惑を隠し、逃げるという本性において類似のもの」(18日付福島申二編集委員コラム)
「森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散−−」(23日付社説)
目についたものをざっと拾っただけだが、よくもこれだけ同じことを書き続けられるものだ。
だが、読者に特定の見方を刷り込み、言うことを聞かせようという底意がすでに国民に見透かされているのは、まさに今回の選挙結果が示す通りである。
野党も一部メディアも、国民をあまりにバカにしてはいないか。
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阿比留瑠比氏は産経新聞社政治部編集委員ですが、左翼思想の政党を批判する事が多いです。
殆どのテレビでは安倍政権批判ばかりですから、阿比留氏の記事を読むとホッとします。
その阿比留氏が朝日新聞の偏向ぶりを批判しているのですが、
的確な意見です。
それにしても朝日新聞がモリカケ問題にこだわっているのは予想できましたが、
具体的に記事を並べられると予想以上の執着心だとよくわかります。
衆議院選挙が終わり、自民党議員が過半数を占めたのは有権者に支持されている証拠なのに
投票率が低いから支持されていないと言っている人がいるのには驚きです。
それもテレビに出てコメントを言っている評論家達(自称?)も。
そんな事を言い出したらキリありませんし、何のための選挙かもわからなくなります。
選挙後も「まだモリカケ疑惑は終わっていない」とテレビで政党の幹部が言うのですから
国会の審議を聞いていなかったのかと思ってしまいます。
ところで希望の党が結党精神を忘れたのか、元々そんな精神がなかったのか
世論の声に流され保守政党だったのがいつの間にか左翼政党と同じことを言い出しましたが
小池百合子さんはどのような政党を目指していたのでしょう。
中山恭子さんが代表を務める政党を投げ出してでも行った政党です。
「拉致被害者を取り戻す、その為には安保法制を守り憲法改正するべきだ。」
そんな保守政党だと思っていました。
それが小池前原密談で民進党候補者全員を受け入れると言い出したところから
歯車が狂い出したのではないでしょうか。
小池氏の「排除する」との言葉がきつ過ぎたとか、不適切だと本人もマスコミも指摘していますが
結党精神と照らし合わせたら、憲法改正や安保法制反対者を受け入れること自体おかしなことです。
また安倍政権打倒を主目的に変更したのか、モリカケ問題の演説には失望しました。
本来の意思を貫き通して、自民党に対抗する野党となってもらいたかったです。
何かと言えば安倍政権を目の敵にし、何でも気に入らない、何でも反対の野党など不要なのです。
気に入らないからと審議拒否をする政党はあまりにもレベルが低すぎませんか?
気に入らないからと駄々をこねる幼児と同じじゃないですか。
今後前原氏と小池氏が話し合うのでしょう。
希望の党内でも議論するでしょう。
希望の党で当選した前民進党議員が民進党に戻るのか、
それとも支持率が低下していても希望の党に残るのか。
その判断によって、有権者を騙そうとしていたのかどうかが判明します。
また希望の党の失速で支持を伸ばした立憲民主党はどうするのか、
無所属で出馬した前民主党議員たちはどうするのか。
各政党、各々の議員個人の判断を注目したいです。
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