木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

豆腐

2006年05月16日 | 江戸の味
豆腐の話から始めたい。
愛知県豆腐商工業協会のHPによると、豆腐の歴史は中国で初めて製造されたのが紀元前2世紀。日本には遣唐使により伝えられ、文献に登場するのは1183年の春日大社の神主の日記だと言う。しかし、永らくは高級食としての位置づけで、江戸中期までは庶民はなかなか口にできなかった。それが、江戸中期になると一大グルメブームが起こり、田沼意次のバブル期天明2年(1782年)には料理方法を書いたグルメ本である「豆腐百珍」が出版され、豆腐人気に火がつく(この「豆腐百珍」は現在でも新潮社刊の新書で入手可能)。この本はなかなか優れた本で現代でも通用するような豆腐料理が数多く紹介されている。「ふわふわ豆腐」「ぶっかけうどん豆腐」「雲かけ豆腐」などのネーミングも優れていて「どんなものだろう」と想像力をかき立てられる料理がずらっと並ぶ。特徴的なのは調理方法。現代だったら、変わり奴のような冷や奴にトッピングを加える料理も多いようだが、百珍では、煮るが55品、焼くが20品、揚げるが16品、生が2品、その他が7品という構成になっており、加熱加工が中心となっている。生ものを尊ぶ江戸の町人にあって、豆腐というのが極めて上品なものだったことが伺える。当時の大村益次郎も大好きだったという豆腐。暖かくなってきた最近、奴で一杯。今夜あたりいかがだろうか?

おまけ
おまけに酒の肴に超簡単、味噌豆腐の作り方。
①豆腐をキッチンペーパーで包み電子レンジで2分加熱。
②ペーパーを代え、よく水気を切る。
③全体に味噌を塗りつけ、ラップで包み、密閉容器に入れ、冷蔵庫に保管。
④2~3週間すると、あら不思議。おいしい味噌豆腐のできあがり。見た目はあまりよくないが酒の肴に最高です。




日本豆腐協会 http://www.tofu-as.jp/index.html
愛知県豆腐商工業協会 http://www.aiweb.or.jp/otoufu/
豆腐百珍の全て http://www.tofu-ya.com/t-hyakuchin/h-subete.htm
福田浩、杉本伸子、松藤庄平 『豆腐百珍』(新潮社、1998年)

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