木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

かむり風呂

2009年03月12日 | 江戸の風俗
コーヒーをちびちび飲むタイプの僕は蓋付きのコーヒーカップを愛用している。
やはり、蓋がないカップとは冷め方が断然、違う。
風呂も冬場などは、蓋を閉め忘れると、てきめんに冷めてしまう。
昔は、湯を焚くにも木を集めてこなければならなかったから、湯冷めしないために苦労をしたのであろう。
この「かむり風呂」というのも、そのうちのアイデアの一つ。
樽のような風呂桶に湯を張ったら、その上から竹で編んだ箱のようなものを被せる。
入浴している間も、被っていたのであろうか。
入っていないときだけ冷めないようにするだけなら、板でできた蓋を被せればよいから、むしろ、この箱は入浴している時に使っていたのだろう。
ちょっと前に顔やせサウナというのが売っていた。
養蜂所の人が被るような顔をすっぽりと覆う帽子型のものである。それは材質がビニールでできていたが、この竹でできた箱は適度に通気性もあって、なかなかいいように見える。
湯が冷めてしまうと、熱いお湯をつぎ足していかなければならない。
保温は大事な生活の知恵であった。


写真は蟹江歴史資料館にあったもの。

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