生物の形-ポリ亭のマクロ・顕微鏡写真-

 身近な動植物のマクロ写真や顕微鏡を用いて撮るミクロ写真を載せていきます。「生物の形」を気楽に楽しんでいきたいものです。

[#549] シロタエギク(12)葉-偏光顕微鏡写真-

2008-08-12 13:59:44 | Weblog
 試料の前後に2枚の偏光子の光を通過させる方向を直交させて置いたうえ、光路に1λの検光子(赤色石膏版)を挿入しました。赤色石膏版の屈折率の大きい方向は斜め右上方向です。詳しい説明は省略しますが、赤色石膏版の屈折率の大きい方向と試料の屈折率が大きい方向が一致すると「加色」が起こります。毛状構造が持っている薄黄色に赤色が加色されると空青色になります。
 長さ方向が右斜め上方向を向いている毛状構造が空青色になっていることが分かります。このことは毛状構造の長さ方向の屈折率がそれと垂直方向より大きいことを示しています。通常の高分子は長さ方向の屈折率がそれと垂直方向の屈折率より大きいことは分かっていることです。したがって、毛状構造の長さ方向にセルロース系の分子鎖が配向していることが分かります。シロタエギクの毛状構造では通常の繊維と同様に分子鎖が長さ方向に配向していると結論できます。
ミクロラボΠ(パイ) ポリ亭


[#548] シロタエギク(11)葉-偏光顕微鏡写真-

2008-08-12 13:38:36 | Weblog
 前回の写真と同じ場所の偏光顕微鏡写真です。ただし、試料の前後に置いてある偏光子の光を通過させる方向は直交させています。そのため試料の存在しない領域は真っ暗になります。
 この状態で毛状構造は明るく輝いています。この結果は毛状構造が光学的に異方性であることを示しています。細長い物質があっても内部で分子鎖が無配向ですと光学的には等方性で明るく輝きません。シロタエギクの毛状構造において分子鎖がどの方向に配向しているかは次回明らかにすることにします。
ミクロラボΠ(パイ) ポリ亭

[#547] シロタエギク(10)葉-超マクロ写真-

2008-08-12 13:21:39 | Weblog
 シロタエギクの表面をスパチュラーの縁でこすると葉表面の毛が生えている層を容易に剥がし取ることができます。その下からは緑色の層が現れます。剥がし取った層をスライドガラスとカバーガラスの間に挟み水を加えて偏光顕微鏡写真を撮りました。倍率は×40です。試料の前後に置いてある2枚の偏光子の光を通過させる方向は平行にして撮ったので、外観的には通常顕微鏡写真と同じです。
 毛状構造はセルロース系の高分子と考えられます。毛状構造はストレートではなく曲がりくねっています。らせん状の外観のものもあります。このような構造がシロタエギクの葉の柔らかさの原因です。
ミクロラボ(パイ) ポリ亭
 

[#546] シロタエギク(9)葉-超マクロ写真-

2008-08-12 12:59:08 | Weblog
 シロタエギクの葉の感触は柔らかく、ビロードのようタッチです。葉の表面の超マクロ写真を落射照明法で撮影しました。細い毛がもじゃもじゃと生えています。この毛が柔らかなタッチを与えています。
ミクロラボΠ(パイ) ポリ亭