生物の形-ポリ亭のマクロ・顕微鏡写真-

 身近な動植物のマクロ写真や顕微鏡を用いて撮るミクロ写真を載せていきます。「生物の形」を気楽に楽しんでいきたいものです。

ニシンののろこ(5)A領域の偏光顕微鏡写真

2007-05-14 22:22:58 | Weblog
 前回と同場所の偏光顕微鏡写真です。偏光子と検光子を直交させた状態で1λの検板が挿入してあります。縞々構造が空青色に変化しています。したがって,縞々構造に沿って高分子鎖(タンパク質繊維:コラーゲン)が配向していることは明らかです。縞々構造は凹凸構造に対応しています。うろこ全体を厚くすればうろこは重くなります。そこで凹凸構造にすることによって軽さと強さを両立させているのだと思います。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:Yahoo!ブログ ”高分子-ミクロの世界-”

ニシンのうろこ(4)A領域の顕微鏡写真

2007-05-14 22:06:18 | Weblog
 ニシンのうろこのA領域の写真です。50μmのスケールバーが書き込まれています。縁があり,そこには縞々構造はありません。内部の縞は縁にほぼ平行ですが,その平行性はかなり乱れています。この写真を撮影する時,縞々構造が右斜め上方向に向くように試料が置いてあります。この場合,高分子(タンパク質)鎖が縞に沿って配向していると,1λの検板を光路に挿入したとき,島の部分が空青色に変化します。この点を確かめたのが次の記事です。
ミクロラボ Π

 ニシンのうろこ(3)中央部のパノラマ写真

2007-05-14 21:47:43 | Weblog
 単純な形のニシンのうろこの中央部のパノラマ写真です。全体が約10mmです。左端はAで示した部位,右端がEの部位です。左側には縞々構造があり不透明ですが,急に縞々構造がなくなり透明になります。縞々構造については後の記事で説明します。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照 Yahoo!ブログ ”高分子-ミクロの世界-” 

ニシンうろこ(2)う写真撮影場所

2007-05-14 21:37:36 | Weblog
 図は比較的単純な形のニシンのうろこの簡単なスケッチと撮影場所,A~Eを示しています。今後の写真のA~Eに対応しています。下の部分には襞が入っていますがほぼ透明です。偏光顕微鏡で見てもはっきりした筋模様は見えません。上の部分には幅が20μmくらいの周期的構造があり,以後の記事で示すように高分子鎖(タンパク質)がその方向に配向しており,うろこの強度を向上させています。
ミクロラボ Π(パイ) 参照 Yahoo!ブログ ”高分子-ミクロの世界-”

ニシンのうろこ(1)うろこの形はいろいろ

2007-05-14 21:28:40 | Weblog
 写真はニシンのうろこです。ニシンのうろこは場所によって形がいろいろです。一部が尖っているもの,比較的円形にちかいものなどがあります。大きさはおよそ10mmくらいです。
ミクロラボ Π(パイ) 参照 Yahoo!ブログ ”高分子-ミクロの世界-”

かぼちゃのつる

2007-05-13 23:40:05 | Weblog
 カレイの腹ひれから次の話題(ニシンのうろこ)に移る前に,一休みということで,かぼちゃのつるの写真を載せます。かぼちゃのつるは下のほうでは右巻きですが,上のほうでは左巻きになっています。隣から別の蔓が絡んでくると,巻き方を変えるようです。らせんの性質(右巻き,左巻きなど)については次のブログを参照してください。現在,ちょうどらせん構造に関する記事を載せています。なお,本ブログはこれまで顕微鏡写真を主に載せてきましたが,今後はマクロの写真も含めて乗せていくつもりです。
ミクロラボ Π(パイ)  参照 → Yahoo!ブログ "高分子-ミクロの世界-" 

カレイの腹ひれ(10)ひれ(その5)

2007-05-12 20:57:32 | Weblog
 "ひれ"から引き出された細長いフィブリルの写真です。ひれからタンパク質を除くため擦った際,引き出されたものです。このフィブリルは節と節の間の距離より長いので,節の部分を貫通していたものなのでしょう。偏光顕微鏡測定の結果,フィブリルの長さ方向に高分子(コラーゲン)鎖が配向していることが確かめられました。
ミクロラボ Π(パイ)  参照 → Yahoo!ブログ ”高分子-ミクロの世界-”

カレイの腹ひれ(9)ひれ(その4)

2007-05-12 18:02:40 | Weblog
 ”ひれ”先端部の偏光顕微鏡写真です。前回の落射照明写真と同じ部位です。偏光子と検光子が直交している状態です。長さ方向を右斜め上方向において撮影しました。強い複屈折を示しています。ここでは示しませんが,1λの検板を光路に挿入すると空青色になりますので,高分子鎖(コラーゲン)が長さ方向に高度に配向していることが分かります。節の部分は,先のブログでも述べましたが,タンパク質により連結している領域です。光学的には等方的ですから暗くなっています。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照→Yahoo!ブログ 高分子-ミクロの世界-

カレイの腹ひれ(8)ひれ(その4)

2007-05-12 17:52:18 | Weblog
 ”ひれ”の先端部の落射照明写真です。先端は微妙に曲がっています。生のままでも曲がっていたのか,周囲のタンパク質を除いて乾燥した時に曲がったのかは分かりませんが,”ひれ”の繊細な動きに寄与しているようです。”ひれ”の断面は丸いというより平板状です。この形は”ひれ”の動きと関係がありそうです。断面が丸であれば前後左右どちらでも同じように動くはずですが,断面が平たいので平たい面を左右に曲げるように動くと思われます。”ひれ”は平たい面が体に平行になるよう”ひれすじ”に結合しているのではないでしょうか。
ミクロラボ Π(パイ) 参照:Yahoo!ブログ→高分子-ミクロの世界-

カレイの腹ひれ(7)ひれ(その3)

2007-05-12 11:36:49 | Weblog
 前回載せた"ひれ"中央部のやや拡大した偏光顕微鏡写真です。偏光子と検光子が直交した状態で撮影した写真ですから,試料のない場所は暗黒です。試料がある場所,すなわち光学的に異方性がある場所では屈折率が方向により異なるので,試料中を光が進む速度が方向により異なるため光路差が生じ,それに対応した色が現れます。"ひれ"の周辺では黒灰色ですが中央に近づくと茶色になるのは厚さが異なるためです。厚さが異なると光路差も大になるわけです。節の部分は光学的に異方性がないかまたは非常に小であるので,暗くなっています。節でない部分ではタンパク質(コラーゲン)の分子鎖が長さ方向に配向していることが,1λの検板を光路に挿入することにより確認されます。なお,上方の細長いフィブリルはひれから取り出されたものです。
ミクロラボ Π(パイ) 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)