昔、武田鉄矢が主演した刑事物語と云うシリーズものの映画があった。
ハンガーをヌンチャク代わりに振り回すシーンが懐かしい。
私は金八先生なんかより、このシリーズが好きで、特にお気に入りは第2話の「りんごの詩」と第5話 「くろしおの詩」だ。
「くろしおの詩」は、高知が舞台で、エンディングでは恐ろしい程 橋脚の高い橋が画面いっぱいに写り、その下を豪華客船がゆっくりと進み港から出て行く姿が とても素晴らしくて今でもその映像が瞼から消えないで残っている。
その橋が高知にある浦戸大橋であることを知り、是非撮りたいと思ったのだがあいにくの大雨。

撮影を諦めて映画のエンディングで流れていた吉田拓郎の「唇をかみしめて」を車内に流し、心の中で涙を流しながら浦戸大橋を渡り高知市を後にした。
どこで宿を取っていたのか、雨の中を歩くお遍路さんを数人見た。

お遍路さんのことを心配しながらも 罰当たりな私が考えているのは昼食のこと。
鍋焼きラーメンの有名店「まゆみの店」をナビにセットした。
鍋焼きうどんの変形だろうと それ程期待はしていなかったのだが・・・これが旨い。私の口にはピッタリで、大盛りにしなかったことを後悔した。

黒潮町には、何度も逢い仲良くしてもらっているブログ友さんの実家がある。
「数日後には家のリホームの為に戻るから泊っていって」と云われていたのだが、私の日程とは少し合わなかった。
道の駅に泊まり、翌朝彼女の家はどの辺りなのだろうと思いながらゆっくり車を進めた。

幼い頃遊んだ松原を見て欲しいと云われていたので、海の方へハンドルを切った。
波打ち際で 近所の腕白共を引き連れて遊ぶ幼い頃の彼女の姿が見えた。

少し窓を開け潮の香りがする風を車内へ入れた。
一度大きく深呼吸をしてアクセルを踏むと、私のタイムマシンは徐々にスピードを上げ、黒潮の町を離れた。