難波高島屋での催事も無事おわりました。この「私の手作り展」は77回目、もう20年ほど続く難波高島屋の名物催事だそうだ。5年ほど前から担当者に出店の申し込みを頂いていたのだが、なかなかスケジュールが合わないのと、「手作り展」という括りが私の作品と少し合わないのではないか?と思いお断りしていた。しかし、一昨年わざわざ九州の工房まで担当者の方に来られ、出店することになった。
この催事は独特の雰囲気があり「女の戦い」のようなものが伝わってくる。お客様も自分の先生だったり、贔屓の作家にしか目中にない。一直線である、他のお店には目もくれない。そんな雰囲気である。普段出店している職人展などでは工芸が好きな人があれもこれもと回遊するのであるが、どうもこの手作り展は勝手が違う。私はここでは新参者、ただひたすら、あり地獄のように身を済ませて、お客様の来るのを待つ。そんな心境である。今年は昨年ファンになってくれた方が来て頂いた分売り上げもお客様も増えた。
そんな中、大阪の友人が遊びに来てくれた。白神さん夫婦。奥さんとはもう25年のお付き合いだ。いつも元気で回りをぱっと明るくしてくれる。御主人も気さくな方で家族ぐるみのお付き合いをさせて貰っています。御主人は昨年、心筋梗塞で倒れ、危うくあちらの世界に行くところであった。地下鉄に乗っているときに発作が起きたそうだが、自力で改札まで行き、名詞を見せ「心筋梗塞だと思う、救急車を呼んでくれ」と苦しい胸を押さえながら頼んだそうだ。「凄い!」 「私はお祖父さんも親父も心筋梗塞なので、生粋の心筋梗塞家系なんです」と笑って言ってらっしゃる。「アイ シャル リターン」あの世に行きかけて戻ってきたのだ。
大阪に来たらお好み焼でしょう。本屋で「大阪の上手いもの」という本を立ち読みして難波近辺のお好みやを探した。難波花月の近くだが「福太郎」というお店があった。何回か入ってみようと思い行って見たのだが、いつも店の外までお客さんが並んでいる。やっと、日曜日に入ることが出来た。大分から一緒に行っている山口さんを連れて、カウンターしかないお店で20人くらいで一杯になってしまうくらいのお店だ。私は生ビールにお好み焼きミックスとトンペイ焼。彼女は生ビールにお好み焼の豚、イカ。しっかりと時間をかけて焼いてくる。表面はよく焼きこんでぱりぱりしているのに中はジューシーだ。驚いた。豚肉、イカの甘さが口の中に広がる。これは旨い。お店の雰囲気も元気があり、庶民的な雰囲気も好きだ。カウンターしかないので彼女とゆっくりお話をするという店ではないが、難波のお奨めスポットである。
アルコールを持つと嬉しそうな顔をする山口さん。今回は初めてのデパートでの販売。心底疲れたようだが、これからの職人は「いい作品は作れて当たり前、デザイン力と販売力の三つを持っていないと生き残っていけないぞ」と教育する。
でも、仕事の後のビールはおいしいでしょ!
今年、難波には新しいお店の開発が2軒出来た。法善寺横町の「インデアンカレー」とお好み焼きの「福太郎」また、来年行きますよ。
竹工房オンセ