本日から千里阪急で「職人の技展」がスタートである。大分から私と交代という形で「井和丸」さんが実演と販売をする。彼は家業が竹細工屋さんで今でも青竹で盛皿などを作って居られる。小さいときから竹には目と体で接しているので籠作りには抜群のセンスがある。まじめな青年で人間的にも信頼の置ける我が工房のホープである。
催事を一人で受け持つのはこの千里阪急が初めてで少々緊張しているようだが、きっと彼の誠実さはお客様の信頼を得ることだろう。私が伝えることは「絶対、押し売りしないこと。自信を持って作品を紹介してください!」これだけです。細かい事務的なことはそれぞれのデパートで違うのでもし判らないときは社員さんに聞けば良い。
もう一人、彼と同じような初々しい新人さんを見つけた。山 形県の「しな織り」の職人さん。いつもは「加納さん」が実演をされているのだが、今回は色白の女の人が実演していた。お話を聞いてみると「加納さんの変わりに今までしなの木の糸を紡いでいたのですが、実演に出るようになりました。」と恥ずかしそうに話している。「出張にでると家族の方が大変だね?」と聞くとまだ結婚されていないという。「しな織りと結婚したようなもんで、不器用なので他には目が行きません。」と。彼女もまじめで実に誠実な印象を受けた。頑張って欲しいですね。
千里阪急は梅田阪急のように人がたくさん来られる条件ではありません。万博跡地に開かれて住宅地を背景に広がった地域である。その頃住み始めた方々も子育ても終わり、余裕のある状態になり、良いお客様が多い地域になっている。忙しくてどうしようもない という感じはまったくなく、ゆったりとした時間が流れている。井和丸君や彼女のような新人さんに一人で勉強していただくには丁度良いデパートかも知れないね。お二人とも頑張って下さい。