大阪に来ると必ず行く店がある。「インデアン・カレー」メニューにはカレーしか無い。今風のやれカツカレーだ、やれハンバーグカレーだ、とハイカラなメニューは一切無い。カレーの他にはルー大盛、ライス大盛、漬物大盛、生卵だけである。今回は昼ごはんにデパートを抜け出して、法膳寺横丁にあるお店に行った。カウンターしかない小さなお店である。
お客様と店員の間で会話はほとんど無い。みんな無言で食べている。食事はワイワイガヤガヤ、と楽しんで食事したほうが良いのだが、たまにはこういったムードも味わい深い。淡々としたムードである。口の中にほおり込んだ時はほんのりと甘さが漂う、その後から少しずつ辛さが込み上げて来て、額に汗がにじんで来る。これといって、特徴の無いカレーなのだが、やみ付きになってくるのだ。
「平凡の強さ」であり、「日常的な魅力」である。同じ味で、同じパターンで、何十年と続け、支持をいただいていく事は大したものである。