お客様からのオーダーでいろんな事を頼まれる。明らかに竹では「そんなの出来ない!」と思われる物もある。が、果たして本当にそうだろうか?自分の頭の中での固定概念がそう思わせているだけでは無いだろうか?はたまた、今の自分の技量では出来ないだけでは無いだろうか?
先日の横浜高島屋での「柘植屋」さんの記事にアップしたが、昔ながらの「柘植の櫛」は現代の社会に合わなくなり、需要が減っている。柘植細工のブローチや彫刻などもあまり売れなくなっている。そんな中で「柘植のブラシ」を作ったことで柘植業界全体が浮かび上がって来たのだ。「柘植の滑らかさは髪に馴染む、又、彫刻技術でブラシに掘り込むことで高級ブラシとして!ブラシ一つで一日に驚くほどの売り上げを上げることが出来るのだ。」
実は私が竹のバッグを作り出して12~13年になるが、それより以前の20年ほど前に私の母の知人から「竹のハンドバッグを作ったらきっと売れるわ!」と言われた。その時はまだ技術も未熟で知識も無かったので、「そんなの出来ないよー!」と断っていたのだ。それから10年ほど経って竹のバッグを作り始めた時はこれほど竹の業界を変えてしまうほどの作品になっていくとは思ってもいなかった。
今の私の中での「そんなの出来ない!」は果たして本当に出来ないのだろうか?もう一度、深く考え直してみる価値はある。