高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

天使と悪魔?

2009年03月01日 05時34分53秒 | ブログ

新潟から、キリスト教式の卒業式に参加して、皆さん穏かで「この世に悪い人は居ないのでは?」と思えるような良い人ばかりの集まりに浸って帰って来る途中、福岡空港から高速バスに乗ったとき、一番前の座席に座っていた中年の男の人が声を掛けてきた。この2月の真冬の寒い時期に、まるでハワイ帰りの様な半袖で元気のいい人だ。

「誰だろう?」と思い、顔を見てみると「H」さんであった。大分の家具屋さんで、以前はよく「九州物産展」などで一緒になったものだ。しかし、4年ほど前、商売が旨く行かず倒産してしまった。それから、催事で一緒になることはなかったのだが。

ところが、今はもう家具屋は辞めて、「鳥天屋」として全国の物産展などを回っているそうだ。鳥天というのは、大分独特の文化で、他の地域ではあまり見たことは無い。大分県は鳥の消費量が全国一だそうで、各町内に一軒や2軒は「からあげ屋」さんがある。から揚げだけの専門店がそこかしこにあるのだ。私も始めて大分にきた時はびっくりしたものだが、今は当たり前になってしまった。

「H」さんは、いつの間にか食品業者に代わって、今では以前の家具屋以上に活躍している。会社を倒産させたのだから、随分と辛酸を舐めてきたのだろうと思いきや?ぜんぜん、暗い所は無い。前より、丸々と太って恰幅が良くなっている。話を聞いていると痛快悪漢小説を読んでいるようである。ある意味、私には無い、いい加減さや図太さには感心させられる。世の中、これ位神経の太さが無いと、のし上がっていけないのかも知れない!この日も台湾での、食品催事に出展して帰って来たところだそうだ。  たくましい!

それまで、キリスト教の天使の様な人達と敬謙な卒業式の雰囲気を味わっていたのが、いっぺんに吹き飛んでしまった。

竹工房オンセ

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