ご注文を頂き製作している「提藍」もほぼ完成に近づいてきた。本体部分が出来上がり、後は蓋になる部分を合わせて、仕上げの漆を塗る所まで来た。昨日は別府の「竹工芸訓練支援センター」に行き、底になる部分の板に竹の編地を貼り付ける作業である。板の両面に接着剤を付け、編地を裏表両方に張り、(編地で板をサンドするような形である)プレスにかける。
編地というのは、結構凸凹しているので、ただ単にボンドを付けるだけでは張り付か無いのだ。特殊な接着剤を調合し、薄く板に塗る。その上に編地を載せ、3㌧の圧力でプレスをかける。両面が一遍に出来るか?と思ったのだが、片方ずつしか出来ない。翌日、反対の面に貼り付け、もう一回プレスをかける。片面プレスをかけたあと、板に沿って編地をノミで丁寧に削って行く。手間のかかる作業であるが、出来上がりは綺麗である。
こういった特殊な機械や道具が使えるのも、この施設が在るおかげである。しかし、ここも行政機構改革の波に飲み込まれそうなのである。「竹業界自体は、産業の規模としては小さい、その小さな業界のためにこれだけの施設を維持管理していくのは如何なものか?」と。
はたして、「大分県で唯一の伝統工芸品」を市場の論理だけで切り捨てて行って良いのだろうか?