高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

竹工芸課 修了作品展

2009年03月02日 06時05分01秒 | 竹細工

32_006 昨日は、別府市内の「別府トキハ」というデパートの1階ホールにて行われていた竹の学校の「竹工芸課 修了作品展」を見に行ってきた。一般の市民の方々に、竹の学校の存在を知っていただくため毎年行行っている。職員も生徒も揃いのジャンパーを着て頑張っていた。

「どんな活動をしているのか?」「どんな物を作っているのか?」「1年間でこんな物が作れる様になりました。」などなど…、広報活動と一緒に展示即売会も催している。これは、利益を出すというより、市民の方に竹に馴染んで貰うため格安のお値段で奉仕しているという感覚である。値段を見るとどの作品も驚くほど安い。およそ、市価の5分の1から10分の1と言った所だ。

32_007 各生徒が1品づつ出している修了作品は全て完売である。竹業界の中には「安く売りすぎる!」と批判もあるが、全体のレベルの統一されていない生徒の作品を販売するということは難しい。どの作品も、時間を掛け丁寧に作られた作品ばかりである。しかし、それは「売る事を前提としない!」というオマケつきで考えるとである。とても、この竹の材料代だけの値段で販売できるのか?といえば、無理である。この値段に自分の工賃をプラスして、販売経費をプラスして、小売店などの取り分もプラスして……、市価で換算して作品を見ていくと、竹職人を生業にしていくことは生半可な事ではできないのだ。

しかし、卒業はもう目前だ。今度は「売る事を前提として!」作品つくりをしていかなければならない。同じ市価の条件で、他の物よりお客様を引き付ける魅力ある作品を作らなければ売れない!自己満足の作品でなく、相手であるお客様が納得できる作品を作って行かなければ、職人として続けて行くことは出来ない。職人として揉まれて揉まれて成長して行って下さい!

竹工房オンセ

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