高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

新商品 革財布

2008年12月16日 13時57分01秒 | 作品紹介

1年掛りで、試作に試作を重ね、今月30日から始まる日本橋三越での「匠の技」展でお披露目することになった。12月30日から1月12日までの長丁場である。

以前から、竹のバッグだけでなく、それに合わす事の出来る、お財布や小銭入れ、携帯入れ、がま口、眼鏡入れ、キーホルダーなどの小物が作れたら?と竹で試作していたのだが、どうしても小さな物になればなるほど、竹だけで作るという事が難しく、出来上がっても高額な物になってしまう。

もう少し、お手頃な値段で提供できないか?と模索していると、シナ織りの石田さんの所で、いろんな小物を作っていた。

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20070706

印伝屋さんにも。財布など小物が沢山ある。石田さんに、革の業者を紹介してもらい、竹と革を組み合わせた物が出来るのか?試作することから始まった。まず、竹にミシンを掛けて編み目が割れないか?そこが一番心配であったが、形状によっては弾きが出るが、「工夫次第では充分行ける!」こととなった。

1120_0121 革の業者さんには、随分無理をお願いしている。我々も最初の試作が中々決まらなくて、形が決まるまで、2倍3倍の労力を使うものだ。それを何度も何度もやり直しをして頂いてやっと形が決まった。形と一緒に、使う革の質感や色など、納得行くものに仕上げるには、相当な時間と失敗の積み重ねが必要なのだ。

今まで、他の竹の業者が、中国で編ませた編地や籐の編地で作った財布などは見るのだが、国産真竹を職人が編み上げ、本皮に縫い合わせた物は見た事が無い。全部、国産で自分の所の工房で作っているのが、わが工房の強みであり。魅力なのだから、この部分を大切にもっと伸ばしていきたい。

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吸引

2008年12月15日 06時18分37秒 | 健康・病気

一昨日の夜は、素晴しい満月であった。朝?4時に起きてみると、家の外が驚くほど明るい。月光に照らされて庭の景色がはっきり見える。ところが、その満月が私の腕の中に???

何処で如何ひねったのか?当てたのか?解らないが、手首が痛い。手の平を付くとビリッと電気が走った様に痛いのだ。

こんな時は、以前にも紹介したことがあるが、別府の整骨院に行くと良い。ここは、今回のような、急性の怪我や捻挫には信じられないくらい効くのだ。

私の掌を、両手で挟み込み「ンッ」と力を入れると、その時は大変痛いのだが、翌日になると殆んど治ってしまう。それと、吸引でたいていの痛みは無くなるから面白い。今回も、痛いほうの腕に一箇所だけ吸引をしてもらった。

1211_009 血の流れの悪い時は、ザクロの実の様に真っ赤になる。まるで刺青をしている様だ。お陰さまで、手首の痛いのはあっという間に取れてしまった。

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無借金経営

2008年12月14日 10時38分35秒 | 工房

若い頃によく、「借金は財産のうち」とか「借金できなかったら大きくなれないぞ!」とよく言われた。なるほど、確かに大きな事をするには銀行からお金を借りて、大きな勝負をしなくては大きな発展は望めないかも知れない。しかし、その時は高度経済成長の時期であり、今のように社会が成熟して、人口もこれからは減っていく右肩下がりの経済になってくると、そうも言っておれない。

先日、今期の決算を終えた。私の所は税理士に頼んでいないので、自分で経理から決算までする。経理の記帳をしていないと、本当の意味での、自分の会社の問題点やプロポーションも解らないのである。

私は今住んでいる家を建てる時も、工房を興す時も、借金をしたことが無い。大体が、名古屋出身なので、「名古屋的な経営はトヨタで代表するように、無借金経営が目標なのだ。」

借り入れが無いので、売上が無い時も決まった金利や、元金返済などの固定されたお金が要らない、これは実に大きなことである。固定経費が少ないと経営的に安定している上に自由が利くのである。「いーや、そんな事は無い!」という人も沢山いるのだろうが、人それぞれで、私には「借金までして事業を大きくしたい!」という気は無い。「自分の身の丈に合った、しかし、自分の丈の内は精一杯」。これをモットーにしている。

はたして、これが吉と出るか?凶と出るか?

それも解らないほどの経済混乱の今である。

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カタログ撮影

2008年12月13日 04時47分58秒 | 工房

別府の竹問屋の中でも、1・2を争う問屋さんに「竹苑」さんがある。どうも、最近の問屋さんは、自分の所では在庫を抱えずに、生産者に在庫を持たせ、自分ではリスクを抱えようとしない。そんな中、確実に在庫を抱え、真っ当な商いをしている数少ない問屋さんである。その「竹苑」さんが、だんだんと衰退している竹業界の中で、また新たな切り口の展開をし始めた。

今までの、既存のルートでは、1次卸し、2次卸しと掛けて商売をしていると、どうしても間に沢山の業者が入り、高い品物になって行く。今度は、取引の数量は少なくても、直接小売店へ卸すルートで、「本物だけを扱ったカタログを作りたい!」と言ってみえた。「作品だけのカタログではなく、作者や背景が判るカタログにしなくては!」と言う事で、プロのカメラマンを連れて取材にやって来た。

1211_0101この写真はデザイナーの女の人と、カメラマンが私の道具を撮っている所である。この前に、私の作業風景の撮影があったのだが、竹苑の社長がカメラマンに注文をつけたのが、「一枚はイケメンに見える様に格好良く、もう一枚は人間国宝の様に見える様に、重々しく!」という事であった。

1211_0141 当の本人は何をしているのか?というと、事務所にいた妻に「茶碗回し」を教えていた。

何故か?鞄の中に茶碗とお箸、それから、手品道具等が入っている。いつも、ひょうきんな人なのだが、必ず、何か芸を見せてくれる。ここまで人を楽しませる事に徹しているからこそ、この不況といわれる中でも前向きに企画が出せるのだろう。いつもこの社長の回りには笑いが耐えない!

今度、私も何処かの宴会でこの「茶碗回し」を披露してみようと密かに思っている。ムフフ!

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ミラノチーム集合!

2008年12月12日 10時00分40秒 | 海外事業展開グループ

昨日は1年前に海外事業展開グループとして、ミラノで展示会をしたチームがほぼ勢揃い。別府からは油布さん、大橋君、浜名さんの3名、臼杵から毛利一家が全員参加の5名、あと私達夫婦の総勢10名。京都の楓ちゃん、東京の那須さんはメッセージで参加である。

1211_0351_2 やはり、共通体験をした仲間。第1回目のヨーロッパ視察旅行の時や、ミラノでの出来事で話が弾む。油布さんがエッフェル塔の下で漏らしそうになった事や、迷子になった事など、面白いエピソードには必ず油布さんが絡んでいる。

久しぶりの大人数での食事なので、悦子が腕に拠りを掛けて料理を作った。1211_0291 1211_0281

テーブルに所狭しと並べられた料理と飲み物、最後に空瓶を数えてみたら、飲み手が8人で(二人は運転手で飲めない)ワインが7本に焼酎が1本空いていた。

7時から始まり、お開きにしたのは、もう12時前になっていた。飲んで騒いで、実に楽しい時間であった。全員がミラノに向けて、一つのことをやり遂げた集まりだからこそ、気持ちが一つに成れたんだね。

また、集まりましょう!

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予行演習?

2008年12月11日 05時26分49秒 | 海外事業展開グループ

先日、用事があって、「竹工芸訓練支援センター」に行って来た。其処の職員である浜名さんと話していると、ひょこり大橋君がやって来た。「ミラノの展示会から、もう一年経つんだよね!」「じゃあ今度、油布さんを呼んで家で一杯やろうか?」と話が簡単に決まった。

当初は、別府に住む、油布・大橋・浜名の3人を呼んで、こじんまりと食事でも一緒にしようか?と思っていたのだ。もう一人のメンバーの毛利さんは、私のところから地理的に離れており、高速を使っても1時間半くらいかかるのだ。だが、「ミラノのメンバーが揃うのに、一応、声をかけてみよう」と言う事で電話してみると、「家族5人で行くわ!」と返事が来た。毛利さんの家族は全員がヨーロッパ視察の時や、展示会の時に参加しているのだ。

話が段々大げさになってきた。

「それじゃー、通訳の楓子にも声を掛けよう」と思ったのだが、さすがに京都に住む楓子を呼び出す訳にはいかない。そこで、「楓子のお父さん(私の30年来の親友の恵文さん)のソーセージやハムを参加させよう」と注文した。

本日、注文した荷物が届いたので開けてみると、山の様に沢山のソーセージに、特大のベーコンの塊、トントロスモーク、蒸し豚、ミートソース、パウンドケーキと注文の5倍くらいの品物が送られてきた。「恵文ちゃん、ありがとう」。それにそれに、楓子からのメッセージが添えられていた。これは、ちゃんと乾杯の時に詠ませて貰います。

1211_0071 あまりにも、美味しそうなので、今日は予行演習ということで、早速、蒸し豚を切って、イタリアワインを開けて、いただきまーす。

そうか、後、参加していないのはミラノ在住の村山さんは無理にしても、東京の那須さんには連絡だけしてみよう。http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20071128   

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20071129

どんどん、話は大げさに大げさになって行く。大変なのは、料理を作る悦子である。「いつも、すみません!」 こんな事になっても気持ち良く、楽しんでやってくれている悦子に感謝である。  

竹工房オンセ

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後継者育成事業 8  心の通った6日間

2008年12月10日 07時56分01秒 | 後継者育成

最終日、作業を終えた後、全員で別府の居酒屋で打ち上げである。別府駅前から、少し入った所にある「うれしや」。日曜日というのに満席だある。ここのシステムは、ケースに並んだ、おかずの皿を自分で持ってきて食べる。温かい揚げ物などは、注文すると揚げたてを持ってきてくれる。出てきた料理はどれを食べても家庭的な美味しい物ばかりである。特に煮魚が美味しかったな!値段は、びっくりするほど安い。3時間以上、飲んで食べて騒いで、いざ、お勘定の時に、一人3000円であった。

飲みながら、この6日間を振り返る。最初にみんなからプレゼントを頂いた。

Pim0090 実に心のこもったプレゼントだ。この寄せ書きは大事に大事にしますね!

話を聞いていると、この1ヶ月間を振り返り、みんな、「朝方5時くらいまで、家でヒゴ取りをしていた」とか、「夜、興奮して眠れなかった」とか、本当に苦労して私の授業について来たのだ。苦労に苦労を積み重ね、完成できたバッグである。今日の乾杯のビールがどれほど美味しい事か!

私もこの寄せ書きを見て、思わず涙が出そうになってしまった。

「全員の一生懸命の気持ちが伝わってきたので、こちらも課題以上の事を教えてあげたい!」と思わされる6日間であった。心と心が繋がった6日間であった。

打ち上げで、6日間のみんなの感じた事、これからの将来の事、……たくさん聞かせてもらいました。最後に、「物を作ることの楽しさを教えて頂きました。」と言われたときは、私のこの1ヶ月に渡る苦戦が、すべて解けて無くなってしまいました。

こちらの方こそ

「ありがとうございました!」

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後継者育成事業 7 最終日

2008年12月09日 08時36分20秒 | 後継者育成

長いようで短く、あっと言う間の6日間であった。最終日は、前日の土曜日に夜8時近くまで、仕事を追っていたので、比較的、余裕を持って心にゆとりもあり、全員が和やかな笑いの耐えない一日になった。朝も、ゆっくりと10時に集合。残念ながら、木崎君は風邪の為、欠席である。

まずは、昨日塗った漆の下地の確認。塗っているときは殆んど解らない塗り斑が、乾いてみるとはっきりと解る。やはり、本格的な下塗りと仕上げの2段階に分けて塗らせたのは正解であった。塗り忘れがあったり、溜まりがあったり、濃い所、薄い所と実に斑に塗ってある。少し削って、修正をした後、全員が完全防備の用意をする。

127_004 とても、竹の実習とは思えない格好だ。何処ぞのメンテナンス会社の掃除婦さんのようだ。

漆に負けない様に細心の防備をして、仕上げの漆と蝋付け作業を行った。午前中で、課題作のすべての作業は完成。これで私も最低限のノルマは指導でき一安心である。

「ここに、辿り着くまで、どれほどの山あり、谷あり、であったであろうか?私も、夜な夜なうなされる日が随分続いたものだ。

午後からの講義は、もう一つづつ、余分に作っているバッグの完成を目指して作業に励む。規定の作業以上の事なので、私は至って気が楽になっている。夕方5時まで、みんなで頑張り、ほぼ、完成に近いところまで作り上げた。出来なかった人は宿題だ。この後の漆の作業は、特別延長授業ということで、日を改めて行う事にした。本日は5時で切り上げ、全員で別府の居酒屋での打ち上げだ!

127_006 出来上がったバッグを持って記念撮影!パチリ。

「んっ、あれっ、あれだけ完全防備の格好で漆塗りをしたのに、まだ、生乾きのバッグをみんな素手で持っているぞ???大丈夫かなー?」

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後継者育成事業 6 メンバー紹介2

2008年12月08日 17時19分11秒 | 後継者育成

Photo アルマイニ豊田  

「青春だね」「青春だね」が口癖で、近所のおばさんが集まった時の様な、人のゴシップ話が大好き。

作業中に「アッ」とか「キャッ」と、いつも奇声を発している。「何があったのか?」と見てみると大したことは無い、口癖なのだ。「そんな事は有るまいに!」の思いからアルマイニと名付けた。作業は奇声を発しながらも、何とか付いて来ている。私もついつい手助けしたくなるが、手を出し過ぎるとまた意味が無いので、我慢我慢である。

「頬杖をついている息子の姿を見るだけでうっとり」と家庭的な可愛いキャラクターである。

1115_0161 グラッツェ宮本   

歌を歌わせたらプロ級、テレビのCMソングを録音したことがあるそうだ。

今回一番、やる気満々。以前に工房見学に来た時から、バッグを作れることに並々ならぬ情熱を燃やしている。

仕事にも勢いがある。最初に竹磨きをさせた時は、男の人以上に頑張るので、最後には「足ががくがくしている」と言っていたのが印象的だ。全体に段取りの良い仕事ぶりは、一番手が掛からなかった。「段取りが良い」と言う事が職人には一番大切である。

言葉は少な目であるが、細かい所に気が付く。優しそうな彼氏と一緒にパルコの実演場にやって来た、「こんな娘は良い嫁さんになるぞ!」

Photo_2セニョリーナ 松田

物静かで殆んど喋らない大和撫子という感じだ。話を聞いてみると、何とこの娘は、私が竹の学校の生徒の時、教えて頂いた恩師の「松田先生」の姪御さんになるらしい、世の中狭いものだ。

言葉が少ない分、丁寧な仕事を淡々とこなして行く。焦ることも無く、のんびりしてる事も無く、自分のペースなのだ。でも、宿題を出すと必ず其処まではやって来ている。恐らく、人に見えない所で努力しているのだろう。以前は広告代理店で、チラシの構成や撮影などをしていたそうだ、おとなしくいつも無口な彼女が、お酒が入ると少しずつ本音を出してくる。明日の、打ち上げが楽しみだ。

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後継者育成事業 5 メンバー紹介1

2008年12月08日 15時09分45秒 | 後継者育成

後継者育成事業とは、別府竹細工の組合の事業として行っている。竹の技術を若い後継者たちにつなぐ為、伝統工芸士が交代で講座を開いている。一般のまったくの素人には教えない、ある程度、竹の割り剥ぎや基礎技術が付いている竹の学校の生徒や、次の学校の竹の試験所の生徒に教える授業である。

一人の講師が、5から6人の生徒に教える。3週間の土・日を使って、合計6日間である。今回、私の講座に参加したメンバーを紹介しよう。

1130_012ゴルゴンゾーラ鈴木    静岡出身

大きなタッパのお弁当が印象的だ。頭の形が良く坊主頭が実に良く似合う。頭の中身は?サーファーで相撲好き。

元気の良い青年で、体を動かす事が大好きで、竹を割ったり、ヒゴ取りをするときは生き生きしていた。しかし、一転して、籠を編み出すと急に意気消沈、うつむき加減で中々進まない。また、最後の漆塗りになると、実に手つき良く丁寧に塗っている。「手つきが良いねー」と褒めると、「サーフィンのボードにオイルを塗るときと一緒なんですよ!」とニコッと笑う。

出来上がったバッグを、「来年成人式の妹と、もう一つ出来たら母に贈る」と可愛い事を言う。

1130_011セリオ 木崎

几帳面で真面目な青年だ。言葉少な目の中に秘めた闘志が燃え上がる。無口で、ひたすら真面目に作業を進める、自分の世界に入り込んでいるようだ。

「2週目までに全員ヒゴを作って用意してくること!」と宿題を出して置いたら、1本1本のヒゴをテープで止め、柿渋を塗ってきた。他の生徒たちから「木崎ワールドだ!」と感嘆の声が湧き上がっていた。しかし、作業が進むに連れ、柿渋が段々剥がれたり、どうも失敗したようだ。第3週の講義の時は、それまでの無理が祟って寝込んでしまった。

今回のバッグは愛を込めて、彼女にプレゼントするようだ。

122_011_2

ボンジュール鶴岡   フランス在住

ソムリエの資格を持つという、変り種の生徒である。几帳面な作業だが、ヒゴ取りは大の苦手。しかし、編む事になると、俄然頭が冴える。ゴルゴンゾーラ鈴木とは好対照である。

技術は遅々として進まないが、おしゃれな感性で、課題のバッグの他に、小さな上品なポシェットを作っている。

来年はまた、フランスに住むそうだ。将来はフランスの金持ちに竹籠を売り込んで一儲けを企んでいる。その後、フランスから世界へとますます夢は膨らむばかりだ。 竹籠による世界征服の野望を持っている。

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後継者育成事業 4

2008年12月07日 05時33分47秒 | 後継者育成

いよいよ、後継者育成事業の方も最後の週になった。前回まで少し遅れ気味であるが、何とか今日中に漆の下塗りまでやってしまいたいと、切に切に、希望している。が、朝、起きてみると、家の回りは雪で真っ白である。    アッチャー!   昨日の天気予報では寒波が来ると言っていたが、その通り、夜中の間に雪が降り出したのだ。めったに当たらない天気予報がこんな時ばかり、ピタリと当たるのである。

122_008 朝、6人が車に乗り合わせ、近くまでやって来た。私も国道まで迎えに行き、先導しながら工房に全員集合。 彼らにとっても、一生の内忘れられない、シチュエーションになる事だろう。

122_009 9時から作業開始、みんなの目の中にメラメラと燃え上がる炎が見える。「全員やる気満々である。」真剣な眼差しで、作業に取り組んでいる。

午前中に何とか縁の仮留めまで進んだ。午後からは、仮留めを籐に締め直し、四隅の足を取り付ければ、最後の漆の塗装まで出来る。

しかし、あまりにも過酷な作業に一人倒れ、二人倒れ、壮絶な痕跡を残している。「ここは戦場だ!屍を乗り越えてでも、目標の作業まで辿り着くのだー。」と、全員に激が飛び、竹の鞭がしなる。

みんなの熱い希望で、残業をすることになった。下地漆を塗り終わった時は、辺りはすっかり闇に包まれれ、8時近くまで掛かってしまった。

全員、無事帰る事が出来たのだろうか?

竹工房オンセ

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地価評価額

2008年12月06日 04時38分34秒 | 安心院

昨日の記事につづいて、道の拡張工事に当たり、私の土地も少し削られる事になったのだが、事前に村の世話役から、「印鑑証明書と実印、お金を振り込む銀行通帳を持って集まってくれ!」と連絡があった。わざわざ遠い役場まで印鑑証明書を取りに行き、指定の時間に各々が集まった。」

県の担当者から、拡張工事のあらましが説明され、その道に掛かる土地の値段が通知された。私の所は24㎡ほど引っかかるらしい。24㎡と言えば約8坪、16畳にもなる。都会の人が考えれば、これで一財産になるかも知れない?

「日本一、地価が高い銀座1丁目の鳩居堂の土地は1㎡、2496万円だ。24×2496万円なら5億9904万円になる。」などと、考えながら、「私の土地はいくらになったのだろう?」

県の職員から「えー、高江さんの所に支払いする金額はこちらです。」と示された数字は、何と6000円であった。 トホホ 。役場まで、往復1時間かけて、印鑑証明を取りに行って、この説明会に時間を取られて、ガソリン代と時間を考えたら……。

だが、考えてみれば、6000円も貰えて、家の前の道路が舗装され綺麗になるのだから、感謝しなくては、しかし、舗装する予算は我々の税金で作るのだから、胸を張っていても良いのだ。

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道の拡張工事

2008年12月05日 05時05分40秒 | 安心院

先日、我家の前の道が拡張されることになり、私の土地も少し削られる事になった。元々、この道は巾3メートル程の舗装などされていない農道であった。私が初めて、この土地を見つけた時には、雨が降るとぬかるんで、4輪駆動車で無いと入ってこれない道であった。当初は私も四駆のトラックを買い込み、建築資材を運び込んだものだ。

この地に家を建て10年ほどすると、「何時までも農道ではいけない!もしもの時に救急車も入れないのではダメだ!」という事で、町道にしてもらった。この時は、「生コンは町で出すが、人手は地元の集落から」と、この道を使う村の人たちが総出で巾4メートルのコンクリート道にした。

そうこうする内に、私の家の前に修道院が出来、人の行き来が多くなってきた。時たま、あんな凸凹で狭い道に観光バスまで入ってくる。

今回はもう少し道を広げてアスファルト舗装され、両脇には側溝も付く、本格的な道路にする為の工事だ。

私としては、便利になることはありがたいが、便利になりすぎて、回りの環境が変わってしまう事には抵抗もある。複雑な気持ちである。

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師走

2008年12月04日 08時25分01秒 | ブログ

12月に入ると、何故か忙しくなって来る。竹のシーズンとしては、オフシーズンなのでゆっくり出来る時期なのだが、そうも行かない。12月のカレンダーには、忘年会の予定で段々埋まってくる。

12月の初旬は決算書類の作成。これが、プリンターで打ち出してみると結構な枚数になる。厚さ5センチ程の紙の枚数だ。昨年まではインクジェットのプリンターで打ち出していたので、1.5~2時間掛かっていたが、今年からはレーザープリンターなので20~30分で印刷することが出来た。税務署・市役所・県税事務所、それぞれに提出する書類を揃える。毎年の事であるが、仕方が無い。

中旬は飲み事が目白押し、こんなに飲んでいる時では無いのに、お付き合いもあり仕方が無い。昨年までは、手作りの「家族通信」と「工房通信」の原稿作りと印刷をするところであるが、今年は年賀状のデザインを決め、印刷屋に原稿のCDを送った所だ。毎年3000通ほど出す。

後半は、工房と家の大掃除、餅つき、そして、29日からはもう出張だ。初めての年末年始の出張。家族の時間を大事にしたいと、今までは断ってきたが、子供もそれぞれ大きくなり、初めて仕事を入れた。

別に、どおって事は無いのだが、なんとなく気持ちが忙しくなってきたのだ。

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堤藍の試作品

2008年12月03日 13時01分25秒 | 作品紹介

お客様の注文でランの鉢を入れて持ち歩く籠を頼まれた。頂いた注文は「一番細かい編み目の波網代で作って欲しい」とのことだが、大きさも巾42センチ、マチ幅27センチ、高さ32センチという大きなものである。使い勝手も判らないので、取りあえず、もう少し簡単な編み目の物で試作して、データを割り出す事にした。

122_005 どんな作品でも、最初の試作が大変で思わぬ所に落とし穴がある。細かい編み目でこれだけの大きさの物を編むことも大変であるが、今回、一番苦労したのは、上下の縁である。

まず、巾20ミリ長さ160センチほどの縁を取ろうと思うとよほど直径の大きな竹で、真っ直ぐで、丁度曲げる四隅の位置に節が来ない竹を探し出すのだが、なかなかそんな竹は無い。

1128_0031 太い縁を熱を掛けて曲げていく。この火加減一つで形の良いものか?そうでないものか?決まってしまう。今回の試作品にも、大きな落とし穴があった。

底の部分に板をはめ込んで、鉢が置けるようにするのだが、ただ、置いてあるだけでは、動いてしまう。動かないようにするにはどうしたら良いか?試行錯誤の末、やっと、解決方法が見つかった。

試作の作品から、手直ししなくてはならない所が数点見つかった。やはり、頭の中で考えていた物と比べ、実際に作ってみると、「ここがオカシイ?」と気付くのだ。特に実用品は、中に重量のある物を入れて、耐久性は?使い心地は?など留意しなくてはならない。

竹工房オンセ

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