この道は火口展望台に向かう道だが通行止め。
現在の噴火警戒レベルは2で、迂回ルートで高岳、中岳の中核部に入れるが、2週間前に、活動が活発化して3に引き上げられるところだった。そうなると阿蘇の主峰には登れなくなり、計画の変更を余儀なくされるところだった。その後活動は落ち着き、レベル2が維持されて今日登れることになった。よかった〜!
ルートは西の阿蘇山上から皿山を経由し、火口と砂千里浜と呼ばれる砂礫の原っぱを眺めながら登るコースと、東の仙酔峡から中岳に直登して高岳に至る二つだ。いずれも本来のコースから一部火口を避ける迂回コースを含む。山上からのコースは、昨日夕方に下見をしていたこと、今日の天気が下り坂であることから、比較的短時間で登れる仙酔峡コースで登ることにした。仙酔峡、名前もすき。
このコースは、廃業した仙酔峡ロープウェイの残された支柱に沿って登り、火口手前から迂回ルートに入り中岳に直登、尾根伝いに高岳に至る。
山麓と山頂の駅は解体され跡形も無いが、残されたこの支柱たちはどうなるんだろう?
迂回ルートに入り、やっと山登りっぽくなった。山に入れば、手前のことは関係なく、山は山だ。岩だらけの急登も楽しい登りだ。
迂回ルートは二つ。登りは以前使われていた観測用ケーブル沿いに付けられたルート。
下はすずめ岩迂回ルートと呼ばれる、溶岩流が大きく削られた縁に沿ったルートを通った。
登りの迂回路は、真ん中の点線。
観測用ケーブルは、おそらく太陽光発電で無線が使えるようになり廃棄されたのだろう。これもこれからどうするのか、謎だが当面はルートの目印として活躍しそうだ。
今日は西からの風が強く、このため気温が高く、雨が降るのだが、稜線に出ると凄まじい風となった。凄まじいは少し大袈裟だが瞬間最大風20mはあったと思う。
笑っているが、帽子が飛ばされないよう必死。
それでも阿蘇はデカい。カルデラひとつとっても写真に収まりきらないし、遠くはガスって見えないほど。(カルデラとは、噴火で地中に空洞ができ、それが崩壊して周りが外輪山となる地形の事だ、と霧島で教えてもらった。)寂れたとか、廃墟などといっているのは人間の世界の話で山や自然には関係ない事。でも、自分勝手な人間が残したロープウェイの支柱やホテルの残骸、スキー場などは当分そのままだ。自然に帰るのはずいぶん先。人新世の遺物として10万年後に発掘されるのかなぁ。
このままでは遺跡になりかねないホテル。立派な温泉¥700。宿泊客皆無。ありがたいのですが心配。明日は雨。さて、どうするか。
冬であることと火山が多いことで茶色い印象もまた特徴ですね。
温泉が何処も良さげです。