残り蚊の翔ぶ気の失せてただよえる
冬の蚊は残り蚊とよんだりする
蚊にも哀れを感じるこの国の粋人には
ほとほと感心する
血を吸う気力も体力も失せているのだが
ただようように存える
人もいつしか「残り人」となりそうだ
冬の蚊は残り蚊とよんだりする
蚊にも哀れを感じるこの国の粋人には
ほとほと感心する
血を吸う気力も体力も失せているのだが
ただようように存える
人もいつしか「残り人」となりそうだ
原句発表 2012/12/1 遊牧082
残り蚊や飛ぶ気のなくて飛んでおり
句意は同様だが
「翔」「ただよう」と推敲して掲句を得た