竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

かごめかごめあの子も消える春霞 波多野寿子

2020-04-05 | 今日の季語


かごめかごめあの子も消える春霞 波多野寿子

春のうららかな日溜まりに作者はいる
幼子がかごめかごめの懐かしい歌をうたっている
「後ろの正面だーれ」
作者はいつかタイムトンネルに入っている
心象に逝きたる友が蘇っている
霞は結果委を超えてただよう
(小林たけし)


【霞】 かすみ
◇「春霞」 ◇「遠霞」(とおがすみ) ◇「薄霞」 ◇「朝霞」 ◇「昼霞」 ◇「夕霞」 ◇「横霞」 ◇「草霞む」 ◇「霞棚引く」 ◇「霞立つ」 ◇「霞の海」 ◇「霞の帯」
春になると水蒸気が立ちこめ、空がぼんやりして遠方がかすんで見える現象を言う。春のを霞、秋のを霧という。霧は目の前に深く立ちこめるが、霞は遠く微かなもの、ほのかなやさしい感じのものである。


例句 作者

かごめかごめあの子も消える春霞 波多野寿子
われは恋ひきみは晩霞を告げわたる 渡辺白泉
カササギに出逢うふるさと春霞 鳥越やすえ
サーカスは母と行くもの遠霞 松本勇二
マラソンの過ぎて霞の土手残る 岩田みち子
一本の杖の行手に夕霞 桂信子
下駄箱の中が霞に満ちている 福本弘明
二階より下りきて霞む方へゆく 西野理郎
人の死も今は遠くに海霞む 桂信子
仏頭を見すぎ霞をぬけられぬ 岩下四十雀

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