かいつぶりさびしくなればくぐりけり 日野草城
鳰の湖沼での生体をみている作者
ふいと水に潜るさまをみて
餌をみつけての潜水ではなく
さびしくなって耐えられずに姿を消したのだと理解する
実は作者がさびしさにうちひしがれているのだろう
(小林たけし)
【鳰】 かいつぶり
◇「鳰」(にお) ◇「かいつむり」 ◇「にお」 ◇「におどり」
もっぱら湖沼や川に浮かぶ小さな鳥。尾はほとんど退化し、体は丸く、首はやや長い。潜水が得意。昔は、淡海の湖(琵琶湖)に多く棲息したと言う。留鳥で1年中見られるが、水鳥として冬の季語に入る。ルルルルという寒そうな鳴声も冬の印象を付加する。
例句 作者
鳰の声夕づく湖の衰へぬ 角川源義
鳰の子が親の水輪の中にゐる 水原秋櫻子
鳰二つ対ひあひゐてなくなりぬ 後藤夜半
淡海いまも信心の国かいつむり 森 澄雄
鳰がゐて鳰の海とは昔より 高浜虚子
息ながく潜きさびしき鳰ならむ 西嶋あさ子
さざなみのところどころのかいつむり 中村わさび
かいつぶりさびしくなればくゞりけり 日野草城
鳰の声夕づく湖の衰へぬ 角川源義
鳰の子が親の水輪の中にゐる 水原秋櫻子
鳰二つ対ひあひゐてなくなりぬ 後藤夜半
淡海いまも信心の国かいつむり 森 澄雄
鳰がゐて鳰の海とは昔より 高浜虚子
息ながく潜きさびしき鳰ならむ 西嶋あさ子
さざなみのところどころのかいつむり 中村わさび
かいつぶりさびしくなればくゞりけり 日野草城
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