温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

「これからの「正義」の話をしよう」を電子書籍で、iphoneで、読了

2010-11-22 20:33:40 | 
今日「これからの「正義」の話をしよう」をやっと読了した。
数週間かかった。
時間がかかったのは、紙の本でなく、電子書籍で、しかもiphoneで読んだせいかも。
1ページが、文字数が少なくなるので、ページ数は1395ページにもなる。
これが、一気にページ数が減らないで結構苦痛。
また、バックライトのせいか、疲れる。
Amazon.co.jp: これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学: マイケル・サンデル, Michael J. Sandel, 鬼澤 忍: 本
1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか? 金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか? 前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのだろうか――。
つまるところこれらは、「正義」をめぐる哲学の問題なのだ。社会に生きるうえで私たちが直面する、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題である。
哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。
アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。

内容としては、もうすでにいろいろなところでも紹介されているし、TVなどでも授業自体が紹介されているので、私なりの感想だけにする。
まずは正義という定義を考えたとき、奥が深いということ、困っている人を助けるために正義を実行するなどは議論の余地もないと思っていたら、困っている人を助ける理由が、この人を助けなかったら、皆に何と言われるかわからないなどの気持ちがあると、それは正義ではない。功利主義だそうだ。
そう考えると、私など、排ガス規制に対してエンジンで色々やってきたことは正義とは言わないまでも良いことと思っていたのだが、怪しくなってくる。
会社では基本的には金儲けのため(いいかえると自分の給料を得るため)に仕事をしているのだから。
そんな議論が色々語られている。
まあ、読みやすいのだけど、取り上げているテーマが、正解がはっきりしていないし、結構難しい言葉で定義をしないといけないので、何回か定義を読み返したりして時間がかかってしまった。途中読み飛ばしたところもある。
でも、これくらいの内容の本はたまには読むべきでしょうね。
世の中、効率とか、美しいだけ、かわいいだけ、感動するだけみたいなのが氾濫しているので、とことんいろいろ考えて悩むことを少しだけするべきだろう。
[書評]これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学(マイケル・サンデル): 極東ブログ
政治哲学をこれだけわかりやすく説明する書籍は希有ではないか。高校生や大学生には社会を考えていく上で是非お勧めしたい。
例えば、あなたは時速100kmのスピードで路面電車の運転しているとする。その走行中に、ブレーキ故障に気が付く。直進すると前方の工事作業員5人をひき殺すことになるが、横の待避線入れば1人の作業員を巻き添えにするだけで済む。どうすべきか? やむを得ないのであれば1人の方へハンドルを切るという答えもあるだろう。では、第2問。前方5人は変わらずだが待避線はない。あなたは運転手ではなく線路を見下ろす橋にいる。そしてデブ男の後ろいる。デブ男を待避線上に突き落とせば、デブ男1人の死体で電車は止まり、5人が救える。どうすべきか? 
人命を数値にして合理性を求める。それでよいのか? なにが正しいか。正義とは何か。
本書は、政治的な課題や社会正義を考える立場として、功利主義の他に、自由の尊重と美徳の2つが提示される。
3番目の美徳によって基礎づけられる正義の概念が、まさにサンデル教授の訴えたいところだ。