3月24日、暫定的指標値100Bq/kgを超える水道水の乳児等の摂取について、学会の見解が2つ発表された。要旨等は以下のとおり。本情報を転載される場合は、オリジナル情報(学会発表pdfファイル)も含めて転載されたい。
★「食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定的な指標値100Bq/キログラムを超過する濃度の放射性ヨウ素が測定された水道水摂取」に関する、日本小児科学会、日本周産期・新生児医学会、日本未熟児新生児学会の共同見解【日本小児科学会、日本周産期・新生児医学会、日本未熟児新生児学会 3/24】
(抜粋)
・短期間の摂取では、乳児であっても、健康に影響を及ぼす可能性は極めて低い。
・乳児の水分摂取必要量は成人に比べて多いため、短期間であっても、水分摂取不足は重大な健康障害を起こすため、飲用水が確保できない場合には、水分摂取を優先させること。
1)母乳栄養の児では、母親は制限なく食事を摂取し、母乳栄養を続けてください。
2)人工栄養の児では、ミネラルウォータを使用してミルクを調整することは可能ですが、煮沸し適温にしてから使用します。一部の硬水では、粉乳が十分に溶解しないことがあります。また、硬水には多くのミネラルが含まれており、乳児に過剰な負担を与える可能性があります。この場合には、水道水を用いる方が安全です。
3)離乳食を摂取している乳児では、水分摂取は離乳食からも可能なので、人工乳の量を減らすことは問題ありません。
4)人工乳のみを摂取している児で、代用水が確保できない場合には、通常通り水道水を使用して下さい。
※ 軟水と硬水について(私の補足記載)
「水に含まれるカルシウム塩とマグネシウム塩の量の指標(硬度)が一定水準より少ない場合を軟水、多い場合を硬水という。一般的に、日本国内で産出されるミネラルウォーターは軟水のものが多く、欧州で産出されるものには硬水が多い。WHOの基準では、これらの塩類の量を炭酸カルシウムに換算したアメリカ硬度(mg/L)において、0~60のものを軟水、120~180のものを硬水、180以上のものを非常な硬水というように決められている。」(ウィキペディア)(日本ミネラルウォーター協会)(参考:水広場:硬度別製品一覧)
因に、ボトルには、以下のように表示されている。
★水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内(200ベクレル/kg前後の放射性物質を含む水道水を長期にわたって飲んだ場合の健康への影響について学会の見解)【日本産科婦人科学会 3/24】
(抜粋)
4. 現時点では妊娠中・授乳中女性が軽度汚染水道水を連日飲んでも、母体ならびに赤ちゃん(胎児)に健康被害は起こらないと推定されます。また、授乳を持続しても乳幼児に健康被害は起こらないと推定されます。
5. しかし、胎児・乳幼児は成人に比べ被曝の影響を受けやすいとされており、被曝は少ないほど安心です。したがって、軽度染水道水以外の飲み水を利用できる場合には、それらを飲用することをお勧めします。
6. 妊娠中女性は脱水(体の中の水分が不足すること)には特に注意する必要があります。したがって、のどがかわいた場合は決してがまんせず、水分を取る必要があります。のどがかわいた場合には、スポーツドリンク、ミネラルウォーター(軟水のもの)、ジュース、牛乳などがお勧めです。