ケンのブログ

日々の雑感や日記

歯科衛生士の職務範囲について

2018年06月02日 | 日記
昨日大阪北のターミナルの近くにある歯科医院に行った。
前回歯を治療していただいたときに「やく三ヶ月後
初夏の頃にはもう一度歯を見せてください」と歯科医師が僕に言った。
それで前回見ていただいた歯科医師を指名して僕は歯科医院に予約をいれた。
「s先生で予約お願いします」と僕は言った。
「わかりました」と電話にでられた方が言った。
昨日、歯科医院に行くのに乗るべき電車を一本逃してしまった。
それで僕は歯科医院に電車を逃した時点ですぐに電話をいれた。
「本日S先生にお時間をいただいておりましたNと申しますけれど
乗るべき電車を逃してしまいましたのでもうしわけありませんが
5分から10分ほどおくれます」と僕は言った。
「ご丁寧にありがとうございます」と電話にでられた歯科医院の担当者は言った。
だいたい8分くら予約の時間に遅れてその歯科医院に僕は到着した。
「遅刻しましたごめんなさい」と歯科医院の受付で僕は言った。
遅刻したというせいもあるのだろう
いくとすぐに診療室に通された。
「前回治療したところはどうですか」と歯科衛生士の方は僕に言った。
「いつもというわけではありませんが
冷たい水を含んだときとか寝転んでほっとしたときに
うずくことがあります」と僕は言った。
「わかりました」と歯科衛生士の方は僕に言った。
それから歯科衛生士の方は僕の歯石というか歯垢を
とり始めた。
僕は素人なので歯垢と歯石の区別もつかないのだけれど
要するに口の中のお掃除をしてくださった。
口の中のお掃除が終わると
歯科衛生士の方はこの部位が歯が磨けていないとか
要するに口内の衛生状態に関する指摘と
アドバイスを僕になさった。
そして
「こちらの前回治療した虫歯は深い虫歯なので
痛むこともあります。なので経過を観察するということで
また、半年後あるいは一年後に来院してください」と僕の歯の
レントゲン写真を僕に示しながら
歯科衛生士の方は僕に言った。
なんだ、今回は歯科医師の先生には会えずじまいか
せっかく来たのに。
まあ、遅刻したからしょうがないか。
せんせいも忙しいしと僕は思った。
お会計の時に歯科衛生士の方に
「では半年か一年後にまた来ればいいんですね」ともう一度僕は言った。
「はい」と歯科衛生士の方は言った。
それで僕は会計を済ませそれから待ち合いにおいてあった
歯科医師に雑誌が取材に来たときの記事などを読んでから
ありがとうございますと言って歯科医院をあとにした。
それからすき家でごはんを食べながら
歯科医院での記憶を頭のなかで反芻した。
僕は記憶を反芻することはけっこうあるけれど
財務省の上級役人のなかには記憶を調整する人もあるときいた。
記憶を調整するってどういう行為なんだと思いつつも
やはり頭のいい人は違うなと思った。
ちょっと話が飛んでしまったけれど
そうしてごはんを食べながら記憶を反芻しているうちに
「こちらの治療した歯は虫歯が深いので痛むこともあります
なので経過観察です」と言ったときの歯科衛生士の口調が
ちょっと棒読み口調で顔も無表情だったことがちょっと気になってきた。
そもそも歯科衛生士に虫歯の治療の経過に関して
しかるべき判断を下してまたはこれを患者に告げる
職務権限があるのだろうかという疑問が僕にわいてきた。
棒読みのような口調、語るときの無表情な顔。
その口調と表情の記憶が僕の疑問を駆り立て
不安を産み出した。
ちょっとGoogleに歯科衛生士の職務範囲といれて検索してみた。
検索のトップに来たのは厚生労働省のサイトではなく
まあ、一般向けに概論のようなことが書いてあるサイトだった。
そのようなサイトを複数みた。
その結果どうも虫歯の治療の経過についてしかるべき
判断を下しまたそれを患者に告げることは
歯科衛生士の職務範囲を越えるか
あるいはどちらとも言えないグレーゾーンであるような気がしてきた。
この不安あるいはもやもやを半年、あるいは一年
持ち続けて過ごすのは耐えられないと僕は思った。
厚生労働省、あるいはその出先機関
あるいは地方公共団体の医療を管轄する部署に問い合わせようかと
僕は思った。
しかし、それをして、しかるべき筋から歯科医院に連絡が入った場合
僕と歯科医の関係が悪くなってしまうと僕は思った。
今ならまだ歯科医院のちかくでごはんを食べている。
直接歯科医院へもう一度質問に行こうと僕はとっさに思った。
もう一度歯科医院へ戻って
受付の前でたっていると先程の歯科衛生士さんが出てきた。
「ちょっと先程の診療について質問があるんです」と僕は言った。
「はい」と歯科衛生士の方は言った。
「まず、今日歯科衛生士の方から口内の衛生状態に関する
指摘を受け具体的にここをよく磨くべきという指摘を受けました
その事に関しては納得して理解したつもりです」と僕は言った。
「はい」と歯科衛生士の方は言った。
「次に、僕の前回治療した歯は恒常的に痛むわけではないけれど
時と場合によっては痛むことがあるという訴えにたいして
あなたはこれは虫歯の奥が深いので痛むこともありうる
なのでこれは経過観察である。半年後
または一年後に再来院するようにという指摘を
僕になさった。
この判断と指摘に関してはそれはあなたの判断
そして指摘で大丈夫と理解していいのでしょうか」と僕は言った。
そこまで僕が言った瞬間に
歯科医師が治療のためのルーペを装着したまま奥の治療室から出ていらして
「経過観察の診断と半年から一年後に再来院という
診断は私が行いました
歯科衛生士はそれを私からの伝言として伝えました」と僕に言った。
「そうですか」と僕は言った。
「ただ、痛みが頻繁に出る場合には」と歯科医師はおっしゃった。
「その場合の判断は僕の自己責任です」と僕は言った。
「そうですね」と歯科医師は言った。
「歯科医師が診断してそれを歯科衛生士が患者に
伝えるというのは関係法規、行政指導あるいは
一般的な慣例に照らし合わせて大丈夫ですか」と僕は言った。
「それは大丈夫です」と歯科医師は言った。
「僕は素人なのでその点がわかりませんのでね」と僕は言った。
「それは大丈夫です」と歯科医師は言った。
「これを質問に来ると先生に嫌われるかと思って僕は迷ったんですよ」と僕は言った。
「そんなん」と言って歯科医師はちょっと笑った。
あの笑いはどういう笑いなのかちょっとわからない。
でも、こういうことがあると僕はしばしば
歯科衛生士の方って大変だなと思ってしまう。
ちょっと、本格的に患者が質問すると
あっという間に自分はかやの外にでなければならない。
いわば歯科医師に従属していなければならない立場。
でも患者の立場からしたらそうも言ってられない。
以前に自動車の工場で最終チェックをする権限のない人が
権限のある人の印鑑を勝手に押してチェックを通していた
という趣旨のニュースを新聞で読んだ。
やはり、安全性ということを考えた場合にはとくに
理系の専門職では職務範囲を明確にすることは
とても大切なことだと僕は思う。