ケンのブログ

日々の雑感や日記

死んだつもりで生きる

2020年11月22日 | 読書
芹沢光治良の「人間の運命」という小説を読んでいると、主人公の次郎に関して次のような記述がある

“”
死んだつもりで生きろ とは、次郎がスイスの高原で、自分に言い聞かせたことである。しかし、日本に帰ってからややもすれば忘れがちであった。死んだつもりで生きる覚悟であったからこそ、この世に裨益する人間になろうとする悲願や、社会科学を研究する野望などをすてて、自分の喜びのために、せめて仰臥しなができる文学に精進しようと、考えたのだった。
中略
生きているだけで喜んでもらえる人になればいいのだ、それが、死んだつもりで生きるということだった、もう他に仕事など考えまい。そう決心した。“”

※次郎はスイスの高原で当時は日本では死の病と思われていた結核の療養をした。


ちょっと乱暴な要約の仕方かもしれないけれど、 死んだつもりで生きるとは、生きているだけで喜んでもらえる人になること。

そう考えると、これは究極の考え方だなと思う。

金光さんの言葉に、本当におかげを受けようと思えば、ままよという気持ちにならなければならない。ままよとは死んでもままよのことである。
というものがある。

芹沢光治良が書いている死んだつもりで生きる、ということと金光さんのままとは死んでもままよということ という言葉に類似点というか、ある意味での共通点があると思う。