小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

茨木のり子さん

2006-02-21 00:00:02 | 小さな気付き

17日に「自分の感受性くらい」という詩をアップしました。

今日、新聞を開いてびっくりしました。

その詩を書かれた茨木のり子さんの訃報が伝えられていたからです。

アップして2日後だっただけに。

 

新聞に彼女のプロフィールが書かれていました。

大阪生まれ。

帝国女子薬専(現東邦大薬学部)卒。

50年ごろから詩作を始め、53年に詩人の川崎洋さんと詩誌「櫂」を創刊。

55年に第1詩集「対話」

58年に第2詩集「見えない配達夫」

・・・・・

99年の「倚りかからず」は詩集としては異例のベストセラー。

著書はほかに、詩集「鎮魂歌」 「人名詩集」 「自分の感受性くらい」

エッセイ集「言の葉さやげ」 「詩のこころを読む」

 

鋭い批評精神とヒューマニズムに打ち出されたみずみずしい表現で戦後女性の生を歌い上げた詩人。

 

          わたしが一番きれいだったとき 

                                茨木のり子


     わたしが一番きれいだったとき
     街々はがらがら崩れていって
     とんでもないところから
     青空なんかが見えたりした


       わたしが一番きれいだったとき
       まわりの人達が沢山死んだ
       工場で 海で 名もない島で
       わたしはおしゃれのきっかけを落してしまった


     わたしが一番きれいだったとき
     だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった
     男たちは挙手の礼しか知らなくて
     きれいな眼差だけを残し皆発っていった


       わたしが一番きれいだったとき
       わたしの頭はからっぽで
       わたしの心はかたくなで
       手足ばかりが栗色に光った


     わたしが一番きれいだったとき
     わたしの国は戦争で負けた
     そんな馬鹿なことってあるものか
     ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた


       わたしが一番きれいだったとき
       ラジオからはジャズが溢れた
       禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
       わたしは異国の甘い音楽をむさぼった


     わたしが一番きれいだったとき
     わたしはとてもふしあわせ
     わたしはとてもとんちんかん
     わたしはめっぽうさびしかった


       だから決めた できれば長生きすることに
       年とってから凄く美しい絵を描いた
       フランスのルオー爺さんのように
                         ね



心からご冥福をお祈りします。

 

今日の私の小さな幸せ

車の運転もできるようになったので今日から仕事に復帰しました。

席がなかったらどうしようって心配しましたが、かろうじて(?)ありました。

コメント (14)
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