熊本県山鹿市
国指定・重要文化財
「八千代座」
江戸時代の芝居小屋の姿をそのまま残しています。
来年で100年。
座席は、後ろの人が見えやすいように、斜めになっています。
右側が舞台です。
一つの升席に今は5人。
当時は、もっと座っていたそうです。
升席の間を横の板より幅の広い板が3本わたっています。
これは
「おせんにキャラメル~」
と、幕間に売り子さんが歩いた道。
トイレに行かれる人もこの板の上を通るそうです。
上の写真は二階から写しました。
花道から役者さんが入ってくるところ、舞台と、すべてが美味しく観れるスペシャル席。
当時は、ここの席のお値段が一番高かったとか。
(ちょっとぶれてますが・・・)
ここは2階の正面の席からの風景。
「大向こう」といわれている場所。
ここは、立ち見だったり、一般の人が観るところ。
「大向こうをうらなせる」
って言います。
ここには結構、通の人が座っていて、通の人や一般の人をも感動させられるということですね。。
天井には、ここ豊前街道のお店のレトロな広告が当時のまま復元され、33枚描かれています。
この天井、全部紙です。
吊天上。
このシャンデリアは当時は、ガス燈。
↑
奈落(ならく)
暗くてよくわかりませんが・・・・。
舞台の床下。
回り舞台の仕掛けのあるところです。
明治43年、当時の実業界の有志(旦那衆)が出資してできた芝居小屋。
でも、世の中が変わって、13年閉鎖され老朽化。
当時の華やかな時代を知るお年寄りの方の願い、文化遺産の保存の盛り上がりで国の重要文化財になり見事に復興されました。
ちょうど私が行った時、玉三郎さんの公演中で、八千代座の周りも華やいだ雰囲気に包まれていました。
玉三郎さんの公演もあれば、地元の小学校の発表会でもここは使われるそうです。
裏方役の子は、奈落に降りて、回り舞台の重い棒をまわすんですって。
凄いわ~。
二階のスペシャル席には、両手に花と芸者さんを何人も連れた旦那さんが座られていたとか。
花道のすぐ後ろにも座席があります。
そこにも華やかに着飾った芸者さん達が座り、花道を通る役者さんの着物を少し引っ張り、
「今夜、遊びに来てね、ウッフン」
と合図を送ったとか。
そういう話を八千代座の方に丁寧に説明していただき感動しました。
説明を聞いていると、この良き時代に完全にタイムスリップしました。
あ、こんな説明も。
「ひのき舞台に立つ」
って言いますよね。
ひのきの板で作られた舞台って一番立派。
そんな場所で演じられたらと多くのアーティストは思うんですね。
「大根役者」
って言うのは、
大根って、煮ても、生で食べても、お腹をこわすことがない。
あたらない。
写真は、文化の日のもので~す。
今日の私の小さな幸せ
雨の一日でした。
サザンカ梅雨ですね~。
明日は晴れるといいな~。