アメリカのドキュメンタリー作家ジョシュア・オッペンハイマーが監督した『アクト・オブ・キリング』(12)は、1965年にインドネシアで行われた大量虐殺の実行者たちに取材し、彼らが自ら虐殺シーンを演じる映画製作の現場にカメラを向けた。
この前代未聞の手法は殺人を正当化する心理的なメカニズムを明らかにし、見る者に大きな衝撃を与えた。
殺人を正当化する心理的なメカニズムとは、例えば、映画の冒頭に引用された「殺人は許されない。犯した者は罰せられる。鼓笛を鳴らして、大勢を殺す場合を除いて」というボルテールの言葉。
「一人殺せば悪党で、百万人殺せば英雄になる。数が殺人を正当化する」とした『チャップリンの殺人狂時代』(47)のセリフ。
『ハンナ・アーレント』(12)に登場した、ナチスドイツの高官として多くのユダヤ人を強制収容所に送りながら、思考を放棄して命令に従っただけの平凡な小役人とされたアイヒマンの姿などにも象徴されるだろう。
その『アクト・オブ・キリング』の続編とも言える『ルック・オブ・サイレンス』が7月4日から日本で公開される。
この映画では、兄を殺されたアディ・ルクンさんが、加害者たちに虐殺の真意を問う姿が映し出される。
来日したアディさんに事件から長い時を経て、なぜ加害者たちと直接会おうと考えたのか、映画に出て変化したこと、インドネシアの現状などについて話を聞いた。
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