原題は「サンアンドレアス断層」。ネバダからカリフォルニアにかけて史上最大規模の大地震が発生。主人公のレスキュー隊員(ドウェイン・ジョンソン)は妻と娘を救うために奮闘する。
特撮を使って表現された、これでもかの地震や津波によるカタストロフィのシーンに驚かされる反面、救護用ヘリコプターの私物化? など、主人公が妻と娘を救うためにしか動かない、という展開にあ然とさせられる。
主人公をレスキュー隊員ではなく、一般市民や元軍人などにするだけでも全く違う印象になったはずなのだが…。ジョンソンが主演ではそれは最初から無理な話なのか。かつての『大地震』(73)などに比べれば、地震のシーンは恐ろしいほどリアルだが、肝心のドラマ部分はむしろ退化したとも思える。
これが良くも悪くもハリウッド映画の特徴なのだと言ってしまえばそれまでだが、東日本大震災を経た日本では、地震や津波の悪夢がよみがえるリアルさにも増して、この主人公の公私混同、職権乱用、ミーイズムは受け入れ難いのではないかと思う。
By the WAY.娘役のアレクサンドラ・ダダリオは今後が期待される新星。こんな娘なら全てを放り出しても助けたくなるって? それはまた別の話だ。