田中雄二の「映画の王様」

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ジーン・ワイルダーが亡くなった

2016-09-01 09:13:45 | 映画いろいろ

 もじゃもじゃ頭がトレードマークのコメディ俳優ジーン・ワイルダーが亡くなった。



 彼は1970年代に活躍した名物俳優の一人。デビューは『俺たちに明日はない』(67)の端役だが、映った瞬間に彼だと分かる。こういう場合、特徴のある容姿は得だ。

 『夢のチョコレート工場』(71)では、『チャーリーとチョコレート工場』(05)でジョニー・デップが演じたウィリー・ウォンカを演じたが、この映画は、ワイルダー云々というよりも、アンソニー・ニューリーとレスリー・ブリッカスによるミュージカルというイメージが強い。 

 74年が彼の絶頂期。『プロデューサーズ』(68)で出会ったメル・ブルックスの監督作、西部劇のパロディー『ブレージングサドル』(74)とホラーコメディー『ヤング・フランケンシュタイン』(74)に主演し、サン=テグジュペリ原作、スタンリー・ドーネン監督の『星の王子さま』(74)ではキツネを演じた。

 アーサー・ヒラー監督のパニックコメディー『大陸横断超特急』(76)では、ジル・クレイバーグと共演、リチャード・プライヤーとの迷コンビも誕生する。私的にはこの映画がワイルダー出演作で一番のお気に入り。

 日本語吹き替えの広川太一郎も傑作だった。太一郎、プライヤー、クレイバーグに続いて、今年はヒラーとワイルダーも相次いで亡くなり寂しい限り。

 80年代に入るとワイルダーのキャリアは低迷し、監督も兼任した『ウーマン・イン・レッド』(84)が印象に残るぐらいとなった。その原因は二度目の妻をがんで亡くし、以後はがん患者の支援活動に力を注いだためだともいわれる。

 ところで、ワイルダーの出演映画からは二つの大ヒット曲が生まれている。

 1曲目は、『夢のチョコレート工場』で地味に歌われた「陽気なキャンディ・マン」。後にサミー・デイビスJR.の名唱によって全米ヒットチャートの1位を記録した。
https://www.youtube.com/watch?v=IwJAP_nIQ_I

 音楽をスティービー・ワンダーが担当した『ウーマン・イン・レッド』からは、「心の愛」が生まれ、アカデミー賞の主題歌賞を受賞している。
https://www.youtube.com/watch?v=QwOU3bnuU0k

 今日はこの2曲を聴きながらあのもじゃもじゃ頭を思い出してみるか。

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