35年後の続編『ビートルジュース ビートルジュース』が、9月27日から公開される。
『ビートルジュース』(88)(1994.1.16.WOWOW)
ある日突然死んでしまった新婚カップル(アレック・ボールドウィン、ジーナ・デイビス)。立派な幽霊になるために修行中の2人が、自分たちの住んでいた家に引っ越してきた変人一家(ジェフリー・ジョーンズ、キャスリン・オハラ、ウィノナ・ライダー)を追い出そうと、霊界の用心棒”ビートルジュース”(マイケル・キートン)を呼び出した。しかしこの男、霊界一のトラブル・メーカーだったからさあ大変…。
ティム・バートン監督独特の郊外を舞台にしたホラーコメディだが、例えば、ジョー・ダンテが描く同種の世界を陽とするなら、バートンの世界は陰、つまりよりダークサイド寄りで死のにおいに満ち、どこか冷めた悲しさを感じさせ、マニアックでもある。 もっとも、デビッド・クローネンバーグに比べれば、バートンの方が明るいのか。まあこうした比べっこはあまり意味がないのだけれど…。
とはいえ、先頃亡くなったテレビ版「バットマン」でジョーカーを演じたシーザー・ロメロが、バートン版の『バットマン』(89)について「あんなに暗いバットマンはバットマンじゃない」と言っていたらしいから、彼の映画に暗さを感じるのは自分だけではないようだ。
ただ、バートンがもし噂通りに『ゴジラ』を撮ったら、その暗さが逆に生きてオリジナルに近いものを撮るかもしれないと思わせるような不思議な魅力があることも否定できない。
ところで、「ホーム・アローン」2部作でのキャスリン・オハラには、ハートウォームな母親役の奥に潜む毒気のようなを感じたのだが、順番通りにこの映画でのエキセントリックな演技を先に見ていたら何の不思議もなかったのだ。
今回は運悪く吹き替え版で見たのだが、何とマイケル・キートンの声を西川のりおが宛てていた。結構うるさいと思ったが、実際マイケル・キートンがスラングをまくしたてても、その意味は字幕を通してでしか分からないのだから、時には吹き替えも必要なのかなと考えさせられた。