田中雄二の「映画の王様」

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『MONSOON モンスーン』

2022-01-20 00:20:22 | 新作映画を見てみた

『MONSOON モンスーン』(2022.1.19.オンライン試写)

 難民として家族と共にベトナムからイギリスに逃れたキット(ヘンリー・ゴールディング)が、母の遺灰を祖国に埋葬するため、30年ぶりにサイゴンを訪れたことで、自らのアイデンティティと向き合うことになる、という話だが、キットの心境の描写が中途半端で、しかも彼を同性愛者にする必然性も感じられず、結局のところ、何が言いたいのかがさっぱり分からなかった。

 もやもやするので、少し調べてみたら、この映画は、カンボジア出身で、自らもゲイであるホ・カウ監督の自伝的な要素が強いのだという。究極の私映画ということか。売れっ子のゴールディングがこういう役を演じていることに驚かされたが、マレーシアとイギリスのハーフだという彼にとっては共感できる役だったということなのか。

 オープニングの無数のバイクや車が行き交う交差点の空撮のほか、今のベトナムを映した撮影には見るべきところはあったが、ただそれだけという感じ。途中から、何度か見るのをやめたい衝動に駆られた。


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