『MONSOON モンスーン』(2022.1.19.オンライン試写)
難民として家族と共にベトナムからイギリスに逃れたキット(ヘンリー・ゴールディング)が、母の遺灰を祖国に埋葬するため、30年ぶりにサイゴンを訪れたことで、自らのアイデンティティと向き合うことになる、という話だが、キットの心境の描写が中途半端で、しかも彼を同性愛者にする必然性も感じられず、結局のところ、何が言いたいのかがさっぱり分からなかった。
もやもやするので、少し調べてみたら、この映画は、カンボジア出身で、自らもゲイであるホ・カウ監督の自伝的な要素が強いのだという。究極の私映画ということか。売れっ子のゴールディングがこういう役を演じていることに驚かされたが、マレーシアとイギリスのハーフだという彼にとっては共感できる役だったということなのか。
オープニングの無数のバイクや車が行き交う交差点の空撮のほか、今のベトナムを映した撮影には見るべきところはあったが、ただそれだけという感じ。途中から、何度か見るのをやめたい衝動に駆られた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます