田中雄二の「映画の王様」

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「カツライス劇場」『無法松の一生』と『王将』

2018-06-14 10:01:24 | 映画いろいろ
 「カツライス」とは、往時、大映の看板スターだった勝新太郎と市川雷蔵の総称。日本映画専門チャンネルの「カツライス劇場」で、勝新主演の『無法松の一生』(65)『王将』(73)をやっていた。

 

 前者は、人力車夫の無法松こと富島松五郎を、坂東妻三郎、三船敏郎、三國連太郎に続いて演じたもの。前半の暴れ者の、まさに“無法松”の時代は豪放磊落な勝新によく合っているが、後半の悲壮感が漂う松五郎の姿はいささか弱い。松が思いを寄せる吉岡夫人を有馬稲子が演じているが、これが意外に良かった。夫人が松五郎により親しみを感じているように見えたのは、作られた時代の変化故か。監督は大映の三隅研次。

 後者は、これも坂妻、辰巳柳太郎、三國に続いて、将棋の名人・坂田三吉を演じたもの。「♪愚痴も言わずに女房の小春」と村田英雄が歌った小春役を、実際の妻である中村玉緒が演じているのも見どころ。見る側は、どうしても彼らの実生活と重ねて見てしまうが、こういう場合、俳優はどんな気持ちで演じているのだろうか、などと思った。監督は堀川弘通。何となくいつもの勝進と雰囲気が違うのは、東宝で撮った映画だからなのだろう。

 どちらも、タイプが違う三國が演じた直後に、勝新が演じているのは単なる偶然なのか。ちょっと興味が湧いた。

コラム「将棋に人生を懸けた男たち」↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3c072b7951af6a14df820211d2dc89d5

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