久しぶりにメル・ブルックスの『スペースボール』(87)を見た。
初見(1990.8.30.)の際のメモを。
このところヒッチコックの映画を続けて見る機会があったので、久しぶりにメル・ブルックスの『新・サイコ』が見たくなってレンタルビデオ屋に走ったのだが、あいにく在庫がなく、代わりに未見のこちらになった。
しかし、メル・ブルックスという人は本当によくやるなあ、というのが見終わった後の実感である。『ブレージング・サドル』(74)では西部劇、『ヤング・フランケンシュタイン』(74)ではユニバーサルホラー、『サイレント・ムービー』(76)では無声映画、『新・サイコ』(77)ではヒッチコックと、パロディ映画を作り続け、今回はとうとう『スター・ウォーズ』(77)である。
ハン・ソロはローン・スター(ビル・プルマン)へ、チューバッカは半犬のパフ(ジョン・キャンディ)へ、レイア姫はベスパ姫(ダフネ・ズーニガ)へ、ダースベイダーはダークヘルメット(またまたリック・モラニスが大いに笑わせてくれた)へ、ヨーダはヨーグルト(ブルックス)へ、ジャバ・ザ・ハットはピザ・ザ・ハットへ、フォースはシュワルツへと、それぞれ名と姿を変えて登場する。
おまけに『猿の惑星』(68)や『エイリアン』(79)(本物のジョン・ハートが出てきて、またも腹を食い破られる!)など、他のSF映画のパロディも見られる。ただし、メル・ブルックス映画の常として、元ネタを知らない人はあまり楽しめないだろうなあとは思う。
ただ、アメリカ映画のすごい点は、こんなお遊び映画でも特撮で決して手抜きをしないところ。だから半分ばかにしながらも、つい乗せられて見てしまうというわけ。
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
映画好きのつぼを刺激する
『人生はシネマティック!』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1130610
11.5.上野鈴本演芸場 昼の部へ
落語:桂やまと「子ほめ」
太神楽曲芸:鏡味仙三郎社中
落語:三遊亭歌る多「片棒」
落語:五明楼玉の輔
漫才:ホームラン
落語:三遊亭若圓歌「商は笑ありて勝なり」
落語:三遊亭若武蔵「猫の皿」
落語:春風亭一之輔「初天神」
落語:桂文楽「看板のピン」
落語:三遊亭歌司
紙切り:林家楽一
落語:三遊亭金馬「親子酒」
浮世節:立花家橘之助
この日は「壽 二代 立花家橘之助 襲名披露興行」ということで、橘之助の兄弟弟子や、師匠・三遊亭圓歌に所縁のある金馬も登場したが、大トリを務める橘之助のために、皆、噺を短めにして切り上げた感があった。とはいえ、勢いのある一之輔と超ベテラン金馬の噺が一緒に聴けるのが寄席のいいところだ。
橘之助は、山田五十鈴が初代橘之助を演じた舞台でも有名な「たぬき」を披露したが、残念ながら、こういうものはそれなりの教養というか知識がないとよく分からないのであります。
アメリカ製マカロニ・ウエスタン
映画専門チャンネルのおかげで、時々思いもよらぬ映画と再会することがある。その昔、途中で見るのをやめたこの映画も、そんな一本だ。
ジェイク(ウォーレン・オーツ)率いる強盗団が、メキシコ国境近くの町を襲う。だが、町の近くには大きな川があり、それを渡るにはトラヴィス(リー・バン・クリーフ)が操る艀を利用するしかなかった。トラヴィスは町の住民を対岸に逃がし、川を挟んでジェイク一味と対峙する。
原題の「BARQUERO」はスペイン語で「船頭」を表すらしい。トラヴィスの相棒にフォレスト・タッカー、ジェイク一味にカーウィン・マシューズ、ジョン・デイビス・チャンドラーほか。マリエット・ハートレイとマリー・ゴメスが華を添える。
監督は西部劇も数多く手掛けたベテラン、ゴードン・ダグラスだが、この映画に関しては、イタリア帰りのクリーフを主役に、“アメリカ製のマカロニ・ウエスタン”を撮ったかのような、妙な風合いの映画になっている。ドミニク・フロンティアの音楽もマカロニ調だ。
クリーフ(鷲)とオーツ(鷹)という男臭い二人が激突する、という設定は面白いのだが、川を挟んでのにらみ合いがだらだらと続いて、盛り上がりに欠けるところが惜しい。昔はこのだらだらに耐え切れず、途中で見るのをやめたのだと思う。
さて、何年越しかでやっと最後まで見たわけだが、ラストがあまりにもあっけなく、結局、肩透かしを食ったような気分にさせられた。
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
広がり続けるマーベルシリーズ
『マイティ・ソー バトルロイヤル』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1129871
ばかにしてはいけない
瀕死の殺人鬼が、自分の魂を人形に憑依させ、生身の体を手に入れるために6歳のアンディを襲う。という『チャイルド・プレイ』の第一作を、いまさらながら見た。
公開当時はばかにしてちゃんと見なかったというのが正直なところ。ところが今見ると、CGの普及前故、カメラワーク(構図や被写体の撮り方、殺人人形チャッキーの目線や動き)や、間の取り方に工夫を凝らして、一生懸命に作った後が見えてきて好感を持った。ホラー映画のセオリーをきちんと踏襲しながら撮っているのである。また、ホラーとコメディは紙一重だということも改めて知らされた。
ヒットした映画にはそれなりの理由があるということか。ばかにしてはいけない。というわけで、公開当時、きちんと見ていれば…と反省することしきりであった。