私、女子高生。一応、大学、目指してて、勉強に、クラブ活動に、忙しいけれど、好きな人がいて、はつこい、なんです。
出逢いは、4月。私、絵、描くのも、観るのも好きだから、進学したら、美術部へと思ったけれど、いざとなると、勇気がなくて、美術室の前で、もじもじ。
「入部希望 ? 」
振り向くと、先輩、爽やかに微笑んでた。私、うなずくだけで精一杯。
「じゃあ、一緒に入ろうか」
ドアを開けて、私の背中を軽く押すと、奥の椅子に腰掛けて、アートの本を開いていたのは、顧問の安藤先生。
「安藤先生。こんにちは」
「おおっ、折原か……。んっ、その子は」
挨拶しなきゃと、思ったけれど、すごく緊張して、言葉が出てこないんです。
そしたら、先輩、察してくれて、
「安藤先生、この子、入部希望だそうです」
って、紹介してくれたんです。私、本当に、あがり症で、人前であいさつするの、苦手なんだけど、優しさが、うれしくて、テンション上がっちゃって、
「・・・堀越 祥子です。入部したいです。よろしくお願いします」
って、自己紹介、出来たんです。
「本年の入部、第一号だな。堀越は、何組だ」
「あっ。C組です」
「……駿河先生のクラスだな。じゃあ……。あれっ、おい、芳川はどうした」
先輩、少しあきれ顔。
「先生~、芳川部長は今日も欠席です……、いつものことじゃないですかぁ」
「おおっ、そうだったな。このクラブはまとまりがなくて、どうも遺憾。じゃぁ、折原、いろいろ教えてやってくれ」
先生、そういうと、本を閉じて、部室から出て行ったんです。大丈夫なのかしら。
二人きりの部室、わずかな沈黙、音楽室から管楽器の不慣れな音が聞こえてくる。先輩、ふぅと息を吐くと、
「えっと、僕は、2年B組の折原 啓太です。よろしく」
といって、握手を求めてきたんです。
私、握手、求めらたの初めてで、はずかしくって、うつむいたまま、手を出した。
先輩の手、華奢にみえたけれど、意外にごつごつして、固い。
男の人の手って、不思議と魅力を感じちゃう。私、変なのかしら。
気持ち、悟られないように、美術部の年間行事だとか、備品の使用についてだとか、思いつくまま、質問したら、先輩、とても丁寧に教えてくれたんです。
私、言葉を逃さないように、必死でメモってたら、
「やぁ、折原くん……。その子は? 」
といって、部室に入ってきたのは、素敵な女性。
「えっと、1Cの堀越 祥子さん、入部希望です」
美術部員なんだ。私、また、緊張。
「あっ、堀越 祥子です。よろしくお願いします」
「私は、美術部の副部長、南です。よろしくね」
微笑んだ、笑顔も素敵、男性なら、好きになっちゃうんだろうな。
「そういえば、さっき、安藤先生とすれ違ったけど、先生から、何か聞いた」
「いえ、すぐに部室から出ていかれて……」
「じゃあ、説明は、折原君が? 」
「うん。まあ、いつものことだけどね」
「えっ、そうなんですか」
「安藤先生って、いつもあんな感じなのよ、でも、腕は確かで、若い時に個展開いたことある人なのよ」
「へぇ! すごい方なんですね」
「でもさぁ、あれって本当なのかなぁ」
南さん、ニヤッとして、
「私達は観たことがないし、自己申告だからねぇ」
出逢いは、4月。私、絵、描くのも、観るのも好きだから、進学したら、美術部へと思ったけれど、いざとなると、勇気がなくて、美術室の前で、もじもじ。
「入部希望 ? 」
振り向くと、先輩、爽やかに微笑んでた。私、うなずくだけで精一杯。
「じゃあ、一緒に入ろうか」
ドアを開けて、私の背中を軽く押すと、奥の椅子に腰掛けて、アートの本を開いていたのは、顧問の安藤先生。
「安藤先生。こんにちは」
「おおっ、折原か……。んっ、その子は」
挨拶しなきゃと、思ったけれど、すごく緊張して、言葉が出てこないんです。
そしたら、先輩、察してくれて、
「安藤先生、この子、入部希望だそうです」
って、紹介してくれたんです。私、本当に、あがり症で、人前であいさつするの、苦手なんだけど、優しさが、うれしくて、テンション上がっちゃって、
「・・・堀越 祥子です。入部したいです。よろしくお願いします」
って、自己紹介、出来たんです。
「本年の入部、第一号だな。堀越は、何組だ」
「あっ。C組です」
「……駿河先生のクラスだな。じゃあ……。あれっ、おい、芳川はどうした」
先輩、少しあきれ顔。
「先生~、芳川部長は今日も欠席です……、いつものことじゃないですかぁ」
「おおっ、そうだったな。このクラブはまとまりがなくて、どうも遺憾。じゃぁ、折原、いろいろ教えてやってくれ」
先生、そういうと、本を閉じて、部室から出て行ったんです。大丈夫なのかしら。
二人きりの部室、わずかな沈黙、音楽室から管楽器の不慣れな音が聞こえてくる。先輩、ふぅと息を吐くと、
「えっと、僕は、2年B組の折原 啓太です。よろしく」
といって、握手を求めてきたんです。
私、握手、求めらたの初めてで、はずかしくって、うつむいたまま、手を出した。
先輩の手、華奢にみえたけれど、意外にごつごつして、固い。
男の人の手って、不思議と魅力を感じちゃう。私、変なのかしら。
気持ち、悟られないように、美術部の年間行事だとか、備品の使用についてだとか、思いつくまま、質問したら、先輩、とても丁寧に教えてくれたんです。
私、言葉を逃さないように、必死でメモってたら、
「やぁ、折原くん……。その子は? 」
といって、部室に入ってきたのは、素敵な女性。
「えっと、1Cの堀越 祥子さん、入部希望です」
美術部員なんだ。私、また、緊張。
「あっ、堀越 祥子です。よろしくお願いします」
「私は、美術部の副部長、南です。よろしくね」
微笑んだ、笑顔も素敵、男性なら、好きになっちゃうんだろうな。
「そういえば、さっき、安藤先生とすれ違ったけど、先生から、何か聞いた」
「いえ、すぐに部室から出ていかれて……」
「じゃあ、説明は、折原君が? 」
「うん。まあ、いつものことだけどね」
「えっ、そうなんですか」
「安藤先生って、いつもあんな感じなのよ、でも、腕は確かで、若い時に個展開いたことある人なのよ」
「へぇ! すごい方なんですね」
「でもさぁ、あれって本当なのかなぁ」
南さん、ニヤッとして、
「私達は観たことがないし、自己申告だからねぇ」