もう、すっかり初夏。梅雨の合間の日差しは、びっくりするほど暑いけれど、衣替えした、淡いピンクの七分袖シャツとスクールリボンの夏服、可愛くって、他の高校の女子にも人気なんです。
高校生活にも、ずいぶん慣れ、少ないけれど、友達もできた。
部活も楽しくて、基本、出席自由なんだけれど、いつも、誰かがいて、今日は、珍しく、安藤先生が、カンバスに向かう女子部員を指導していたんです。
「いい感じだな。ミレイを意識しているのが、伝わってくるよ。まだ、オリジナリティなんて、意識するな。助走は長いほどいい、どんどん真似をしていきなさい」
「ありがとうございます」
女子部員さん、とても喜んでる。私、そっと、入って、その人が描く画を、後ろから観た。
言葉を失って、しばらく見つめていた。
「すごい巧いだろ」
って、折原先輩。
「はい。引き込まれてしまいます」
私、感動しちゃった。
「折原君、見てたの? 」
そういって、振り返る女性は、女優さんのように光ってた。
「うん。今日は、バスケ部、休み? 」
「うん。試合も終わったしね」
「すごいなぁ、僕には掛け持ちなんて、できないよ」
「断り切れなかっただけだよ。私がやりたいのは、変わらず、画だもの」
「そうだったな、バスケ部って、頼まれて、やってたんだっけ」
「中学3年間、やってからねぇ」
「で、作品のテーマは」
「それは、まだ、ヒ、ミ、ツ。でも、今まで、バスケに時間取られていたから、全力でやってるよ。二学期に入ったら、部長、きっと、学祭のポスター引き受けちゃうし、それに時間、とられちゃったら、作品展に間にあわなくなるでしょ。」
「ああっ、そうだ。また、あの、忙しい日々がやってくるんだなぁ」
先輩と親しげに話す美人は、いったい誰。すごく気になっちゃう。
「そうだ、彼女、初対面だったね、紹介しておくよ、今年入部した、堀越 祥子さん」
「1年 C組、堀越 祥子です。よろしくお願いします」
「私は、折原君と同級の、加藤 結です。部活掛け持ちしてて、なかなか来れなかったけど、よろしくね」
安藤先生、腕組して、加藤さんの画を観ながら、
「堀越、加藤の画は良い手本になるから、よく見ておくといいよ。ここから、どう変化してゆくのか、その工程を覚えておきなさい」
って、ほめると、加藤さん、顔がほんのり赤くなった。
「いやだぁ、先生、何言ってるんですか。私なんか手本になりません。折原君の方が、ずっと手本になりますよ」
「いやいや。加藤の方が、巧いよ。時々来て、このレベルだから。僕なんか、ほぼ毎日来て、線引き直して、やっと観られるようになるんだからさ」
「謙遜しちゃってぇ。でも、褒めてくれてありがとう。嬉しい」
先輩も加藤さんも、すごく楽しそう、なんだか、お似合いの二人。
高校生活にも、ずいぶん慣れ、少ないけれど、友達もできた。
部活も楽しくて、基本、出席自由なんだけれど、いつも、誰かがいて、今日は、珍しく、安藤先生が、カンバスに向かう女子部員を指導していたんです。
「いい感じだな。ミレイを意識しているのが、伝わってくるよ。まだ、オリジナリティなんて、意識するな。助走は長いほどいい、どんどん真似をしていきなさい」
「ありがとうございます」
女子部員さん、とても喜んでる。私、そっと、入って、その人が描く画を、後ろから観た。
言葉を失って、しばらく見つめていた。
「すごい巧いだろ」
って、折原先輩。
「はい。引き込まれてしまいます」
私、感動しちゃった。
「折原君、見てたの? 」
そういって、振り返る女性は、女優さんのように光ってた。
「うん。今日は、バスケ部、休み? 」
「うん。試合も終わったしね」
「すごいなぁ、僕には掛け持ちなんて、できないよ」
「断り切れなかっただけだよ。私がやりたいのは、変わらず、画だもの」
「そうだったな、バスケ部って、頼まれて、やってたんだっけ」
「中学3年間、やってからねぇ」
「で、作品のテーマは」
「それは、まだ、ヒ、ミ、ツ。でも、今まで、バスケに時間取られていたから、全力でやってるよ。二学期に入ったら、部長、きっと、学祭のポスター引き受けちゃうし、それに時間、とられちゃったら、作品展に間にあわなくなるでしょ。」
「ああっ、そうだ。また、あの、忙しい日々がやってくるんだなぁ」
先輩と親しげに話す美人は、いったい誰。すごく気になっちゃう。
「そうだ、彼女、初対面だったね、紹介しておくよ、今年入部した、堀越 祥子さん」
「1年 C組、堀越 祥子です。よろしくお願いします」
「私は、折原君と同級の、加藤 結です。部活掛け持ちしてて、なかなか来れなかったけど、よろしくね」
安藤先生、腕組して、加藤さんの画を観ながら、
「堀越、加藤の画は良い手本になるから、よく見ておくといいよ。ここから、どう変化してゆくのか、その工程を覚えておきなさい」
って、ほめると、加藤さん、顔がほんのり赤くなった。
「いやだぁ、先生、何言ってるんですか。私なんか手本になりません。折原君の方が、ずっと手本になりますよ」
「いやいや。加藤の方が、巧いよ。時々来て、このレベルだから。僕なんか、ほぼ毎日来て、線引き直して、やっと観られるようになるんだからさ」
「謙遜しちゃってぇ。でも、褒めてくれてありがとう。嬉しい」
先輩も加藤さんも、すごく楽しそう、なんだか、お似合いの二人。