折原先輩と加藤先輩、イーゼルを取り出すと、私の右側に並んで、カンバスをのせた。
皆、カンバスに向かうと、スイッチが切り替わる。
折原先輩の作品は、今年の春にスケッチした、河川敷の桜並木の風景画、ジョン・コンスタブルのような写実的な画は、いつ観ても、引き込まれてしまう。
「堀越、どうしたの」
「あっ、その……。いつ観ても素敵な風景だなって」
先輩、少しうれしそう。
「そうかな? ありがとう」
慣れた手つきで、パレットにのせた絵の具を、ナイフで色を整え、カンバスに色を付けてゆく。
エプロンをつけ、キリリとした顔で、画と向き合う先輩、セクシーなんです。
そう思うと、いつも身体の芯が、熱くなっちゃうんです。こんな事、恥ずかしくて、誰も言えない。
「祥子ちゃん、そんなこと言っちゃダメ。こいつ、すぐ調子に乗るから」
ラファエル前派の画が好きだという加藤先輩、美しい象徴的な人物画が出来上がりつつある。安藤先生が、ミレイを意識してるって、言ってたけれど、本当に、ミレイの画のように、素敵。
私、なんだか、悔しくって、つい、
「先輩の画、好きなんです」
っていっちゃった。
加藤先輩、少し、驚いてたけど、隣で微笑んでた折原先輩を、キッとにらみ、先輩の左足を、踏んづけた。
「痛って~っ! 加藤、なにすんだよ」
「調子に乗ってるからよ」
「素直に喜んだら駄目なのかぁ」
「ダメ! 」
「ダメって、なんで」
「ダメなものは駄目なの! 」
「わけわかんないよ」
とても、親しい二人。やっぱり、噂は、本当なのかなぁ。
皆、カンバスに向かうと、スイッチが切り替わる。
折原先輩の作品は、今年の春にスケッチした、河川敷の桜並木の風景画、ジョン・コンスタブルのような写実的な画は、いつ観ても、引き込まれてしまう。
「堀越、どうしたの」
「あっ、その……。いつ観ても素敵な風景だなって」
先輩、少しうれしそう。
「そうかな? ありがとう」
慣れた手つきで、パレットにのせた絵の具を、ナイフで色を整え、カンバスに色を付けてゆく。
エプロンをつけ、キリリとした顔で、画と向き合う先輩、セクシーなんです。
そう思うと、いつも身体の芯が、熱くなっちゃうんです。こんな事、恥ずかしくて、誰も言えない。
「祥子ちゃん、そんなこと言っちゃダメ。こいつ、すぐ調子に乗るから」
ラファエル前派の画が好きだという加藤先輩、美しい象徴的な人物画が出来上がりつつある。安藤先生が、ミレイを意識してるって、言ってたけれど、本当に、ミレイの画のように、素敵。
私、なんだか、悔しくって、つい、
「先輩の画、好きなんです」
っていっちゃった。
加藤先輩、少し、驚いてたけど、隣で微笑んでた折原先輩を、キッとにらみ、先輩の左足を、踏んづけた。
「痛って~っ! 加藤、なにすんだよ」
「調子に乗ってるからよ」
「素直に喜んだら駄目なのかぁ」
「ダメ! 」
「ダメって、なんで」
「ダメなものは駄目なの! 」
「わけわかんないよ」
とても、親しい二人。やっぱり、噂は、本当なのかなぁ。