「あいかわらずだなぁ」
「よく懲りないわねぇ」
そういって、入ってきたのは、折原先輩と、加藤先輩。
加藤先輩といえば、同級生の男子を通して、伝わってきた噂があるんです。
ほんとかどうかは分からないけれど、学校中の男子の憧れの的で、1年間で10人以上の男性から告白されて、みんな、断ったって言うんです。
それだけなら、いいんだけれど、加藤先輩、折原先輩と付き合ってるんじゃないかって、噂を聞いたとき、すごく落ちこんだ。
「堀越だけじゃないか、まじめにやってんの」
「祥子ちゃんを見習いなさいよ」
南先輩、それを聴いて、まだ機嫌が悪かったのか、
「いつもイチャイチャしている、あなた達に言われたくありません」
って、言い放ったけれど、私の胸は、やっぱり、キュッと、痛くなった。
「ああっ。やっぱり、そうなんスね、二人は付き合ってるんスね。ファンクラブの人達、がっかりしますよ」
小菅君は、やっぱり、空気を読まない人。私、加藤先輩に、ファンクラブがあることでさえ驚いたのに。
それでも、加藤先輩、余裕で、言うんです。
「ふふっ。いいのよ。私、十分、リア充だから」
「いやぁ、加藤先輩、ヤバいっすね」
「かとぉ~。火に油を注ぐようなこというんじゃないよ」
折原先輩、困ってる。でも、本人はまったく、気にしていなくて、
「あら、そうかしら」
って、あっさり。
南先輩、余裕の加藤先輩が悔しいみたいで、すぐかみついた。
「まぁ、イチャイチャするのはいいけど、外でやってね」
「あら、南さん、人の恋路を邪魔するつもり、馬に蹴られるわよ」
「なんですって、じゃあ、馬、連れてきなさいよ」
「まぁ、都都逸なのに、本気にしちゃって」
「平成生まれの私達が、都都逸なんて、知るわけないじゃない」
「私、知ってたも~ん」
「うううっ、なんだかくやしいわ。作品制作では、ぜったい、負けないから」
折原先輩、二人に挟まれて、すごく困ってる。
それまでの成り行きを、静かに眺めていた、芳川部長、満を持して、
「まあ、まあ、二人とも、いがみ合っちゃあ、その美貌が、もったいない」
って、いうんだけれど、南先輩と加藤先輩、
「部長はだまってて! 」
って、思わずシンクロ。
部長、二人が怒ってるのに、にやにやしながら首をすくめて、
「おおっ、このままでは石にされてしまう」
って、いうんです。折原先輩、横で、苦笑いしてる。
美術部は、部員が集まると、いつもこんな感じ。
でも、どこまでが冗談なのか、未だにわからないわ。
「よく懲りないわねぇ」
そういって、入ってきたのは、折原先輩と、加藤先輩。
加藤先輩といえば、同級生の男子を通して、伝わってきた噂があるんです。
ほんとかどうかは分からないけれど、学校中の男子の憧れの的で、1年間で10人以上の男性から告白されて、みんな、断ったって言うんです。
それだけなら、いいんだけれど、加藤先輩、折原先輩と付き合ってるんじゃないかって、噂を聞いたとき、すごく落ちこんだ。
「堀越だけじゃないか、まじめにやってんの」
「祥子ちゃんを見習いなさいよ」
南先輩、それを聴いて、まだ機嫌が悪かったのか、
「いつもイチャイチャしている、あなた達に言われたくありません」
って、言い放ったけれど、私の胸は、やっぱり、キュッと、痛くなった。
「ああっ。やっぱり、そうなんスね、二人は付き合ってるんスね。ファンクラブの人達、がっかりしますよ」
小菅君は、やっぱり、空気を読まない人。私、加藤先輩に、ファンクラブがあることでさえ驚いたのに。
それでも、加藤先輩、余裕で、言うんです。
「ふふっ。いいのよ。私、十分、リア充だから」
「いやぁ、加藤先輩、ヤバいっすね」
「かとぉ~。火に油を注ぐようなこというんじゃないよ」
折原先輩、困ってる。でも、本人はまったく、気にしていなくて、
「あら、そうかしら」
って、あっさり。
南先輩、余裕の加藤先輩が悔しいみたいで、すぐかみついた。
「まぁ、イチャイチャするのはいいけど、外でやってね」
「あら、南さん、人の恋路を邪魔するつもり、馬に蹴られるわよ」
「なんですって、じゃあ、馬、連れてきなさいよ」
「まぁ、都都逸なのに、本気にしちゃって」
「平成生まれの私達が、都都逸なんて、知るわけないじゃない」
「私、知ってたも~ん」
「うううっ、なんだかくやしいわ。作品制作では、ぜったい、負けないから」
折原先輩、二人に挟まれて、すごく困ってる。
それまでの成り行きを、静かに眺めていた、芳川部長、満を持して、
「まあ、まあ、二人とも、いがみ合っちゃあ、その美貌が、もったいない」
って、いうんだけれど、南先輩と加藤先輩、
「部長はだまってて! 」
って、思わずシンクロ。
部長、二人が怒ってるのに、にやにやしながら首をすくめて、
「おおっ、このままでは石にされてしまう」
って、いうんです。折原先輩、横で、苦笑いしてる。
美術部は、部員が集まると、いつもこんな感じ。
でも、どこまでが冗談なのか、未だにわからないわ。