16年間、このお仕事をさせていただく中で、
私が最も印象に残っている営業マンがいます。
その方はもう引退されていますが、
全盛期の時のその凄さは、忘れられません。
当時、私はまだ駆け出しのコンサルだったので、
自分の経験を積むために、
またクライアント様のお役に立つために、
土日にクライアント様のモデルハウスやイベント会場で
営業さんと一緒に待機をして、接客をすることがありました。
その伝説の営業マンがいるクライアント様の
完成見学会場に待機していた時のこと。
1日トータルで10組程度のお客様が来場されましたが、
その中の8組のお客様の来場きっかけが、
その伝説の営業マンに
「今度の見学会場の建物、
○○さんの家づくりの参考になるから、
この部分を特にじっくりと見るとよいですよ」
と勧められたから、ということだったのです。
要するに、それだけ商談中のお客様に信頼されているのです。
で後日、その伝説の営業マンにお話を伺うと、
「今、商談中のお客様でいっぱいで、
新しいお客様と商談する時間が確保できないから、
今すぐ建てる必要がないお客様をおつなぎするのに
見学会を活用しているんです」
とのことでした。
常時10組~20組程度のお客様と
絶妙な距離保ちながら、
関係性が切れないように
定期的にご連絡を取られていました。
自身は役員でもあるため、
会社のさまざまな会議に時間を取られ、
営業活動に専念できるのは
総労働時間の40%も無かったですが、
年間30棟前後をコンスタントに受注される、
もう本当に凄い方でした。
そのポイントは、こちらからアプローチをすれば、
すぐに具体的な商談に移れるお客様を
常時、複数お持ちであったからです。
では、なぜこの営業マンは、
いつでも商談に移行できるお客様を
たくさん維持することができていたのか?
それは初回接客の質が圧倒的に高かったからです。
お客様の潜在的な困りごとや問題点を明確にし、
家づくりに成功するために押さえるべきポイントは何で、
それはどうやったらお客様が得ることができるのか、
ということを初回接客でしっかりとやっているからです。
そして超魅力的な人間性、
圧倒的な雑談力もあって、
お客様は楽しい時間を過ごされていたと思います。
お客様は、毎月、コンスタントに来場して下さいません。
新規のお客様の来場にはムラがあるものです。
自分が契約数が少ないことをお客様の来場が少ないから、
と思っているようでは、三流の営業マンにしかなれません。
お客様の来場が極端に減っても、
コンスタントに契約ができるよう、
常にいろんな方と良好な関係を構築できる営業マンが、
一流になれるのです。