あまり自分では自覚がないのですが、
家内であったり、長い付き合いの友人からは、
神経が図太く、体力面・精神面共にタフである、
と思われていたりします。
(個人的には、非常に繊細だと思っています)
精神的に強くなれたのはなぜか、と振り返ると、
これは社会人になって最初に勤めさせていただいた、
メーカーの営業マン時代の経験が大きいなぁ、と
個人的に思っています。
在籍9年5か月の中で、
北海道の旭川と北見という2拠点の中で、
行ったり来たりを計5回、繰り返しました。
旭川は北海道第二の都市で、
当時の旭川の建物内にいろんな部署の方がいました。
工事やアフターをしてくれる方もいて、
何かあれば、その部署の方に依頼すれば、
対応してもらえる。
すなわち、クレームや不具合が発生しても、
営業マンとして手配をすればOKで、
後はお客様に謝罪をしたりしながら、
関係性をつくるだけで良かったのです。
ところが、北見営業所時代は、
スタッフが営業部隊のみで、
クレームがあっても、全て自分たちで
対応しなくてはならなかった。
しかも、これは今だから言えることですが、
当時のお客様の中には、本当に無責任な方もいて、
明らかに工務店さん側に問題があるのに、
何かあるとメーカーのせいにして、
「買ってやっているんだから、何とかしろ!
でないと、二度とお前のところから買わないぞ!」
という理不尽なことをおっしゃる方が多かったのです。
理論、理屈が通らないお客様も結構多かったのですが、
その中で本当に精神的に鍛えてもらいました。
発注してもらっていないのに、発注したと嘘を言われたり、
金額面で取り決めした後、追加注文がたくさん来て、
追加分を請求したら、
「追加分含めて決めた金額でやって。
でないと、二度と君の会社から買わない」
と言われたり、
クレームでお客様がカンカンにお怒りだからすぐ行って、
と言われて飛んでいったら、他社メーカーの商品だったり、と
そういうことが日常的に起こっておりました。
もちろん、そんな中でも素晴らしいお客様もいて、
そういうお客様に精神面で救っていただいていた、
ということも大きいのですが、
とにかく理不尽や嘘、言った言わない系のトラブルが多々あり、
メンタル面でしんどいことを多々、経験できたのが大きかった。
で、仕事をさせていただく中で、自分がたどり着いた答えが、
「とにかく、担当させていただいているお客様に対し、
自分なりにできることはしっかりとやる。
でも、お客様の要求に対し、自分が全力でやったにも関わらず、
満足していただけず、取引を停止されたとしたら、
それは自分をそのお客様の担当にしている上司、会社の責任である」
ということでした。
そう考えないと、ちょっと持たなかったかもしれません。
でも、そう考えられたおかげで、
自分なりに精一杯頑張って、それで結果が出なければ、
俺を担当にしている上司・会社のせいだ、と思えてから、
本当に精神的につらくなくなり、
日曜日の夜にブルーになることが無くなりました。
(その昔は、金曜日になるとテンションが上がり、
日曜の夜からテンションが下がるタイプだったのです)
そして現場で起こった問題を
全て自分で解決しなければならなかったので、
現場対応力も飛躍的につきました。
と今、思い返すと、
何て恵まれた環境で仕事ができていたのか、
と思います。
20代、30代の若いビジネスパーソンで、
精神的につらい方もいるかもしれません。
今の環境から逃れたいと思い、
転職を考えている方もいるかもしれない。
でも、どの職場にいっても、
自分のイメージ通りの職種で、
かつ働きやすく、ストレスがたまらない仕事の方が
圧倒的に少ないような気がします。
そして職場内で活躍されている方たちも、
その昔、つらい経験を多々、乗り越えた結果、
今があるのです。
辛いことがあったとしても、
うまく付き合えるだけの柔軟な発想ができないか、
考えてみたいものです。