江戸っこは「はつもの」を好んだ。初鰹なんて、女房を質にいれても喰いたい
とか、なまいきなことをいっていたらしい。質草になるくらいのいい女房をもらう器量
はべつとして、江戸っ子気質をよくあらわしている。
さていよいよ新そばの季節がやってきた。明日は天真庵で「新蕎麦祭りのライブ」がある。
超満員御礼(どこかでイスを借りてこないといけない人数)。だから明日は16時に閉店。
明後日は茨城の八郷(やさと)の「暮らしの実験室」で新そば打つ。そこで有機農業を
する若者たちが蕎麦をつくっている。昨年に続き2度目。
天真庵の珈琲用の石臼は筑波山の麓の真壁という石職人があまたいる街でつくられたもの。
そのご縁で、八郷にあった「しげふじ」という蕎麦屋を知り、よく通った。界隈の里山の四季
が、日本人のこころの原風景みたいで、それを借景にそば前の「渡り舟」を飲み、そば手繰る
幸せは、最後の晩餐にはこれしかない、くらい幸せなひと時だった。皆に惜しまれながら「しげふじ」
は昨年暮れに緞帳を下げた。しばらく八郷にいくことはなかろう、と思っていたところに、蕎麦打ちの依頼
があり、喜んで参上。また今年もそこの農場に縁ある人たちと、無駄のないそばの縁で繋がっていく
ことに感謝。といわけで日曜日は臨時休業。
人生は二度なし。都会の便利な暮らしの中にあるさまざまな矛盾と葛藤したり、
「違う生き方」を探している人があまたいる、いやほとんどの人が、そんなところで悩んだりして
いるのではないかと思う。「暮らしの実験室」は、普段は東京で働いていて、週末だけ農業、という
人も多く集まっている。若くて元気な時は、小さなことに近視眼みたいになってくよくよせずに、
「大いなる二股生活」にチャレンジするのも一考だ。週末はスマホやパソコンのスイッチをオフ
にして、里山の空気を吸いながら本来の人間にもどる、こんな素敵なことが、やろうと思えばすぐやれる。
28日(土)ゆさそばライブ
演奏:ゆさ(ヴァイオリン)・しょうこ(ピアノ)・津田りつ子(パーカッション)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(蕎麦・珈琲 付き)
今日は「ダメ中」
月曜の朝は「卵かけごはん」夜は「順受の会」(20年続く論語の会)